POSTED BY 熊本 沙織掲載日 APR 21ST, 2022
【Z世代は何を想う】ネスレ日本の若きマーケターが語る「不安の乗り越え方」

1990年代中盤以降に生まれた「Z世代」。この企画では、これからの会社や日本の発展を担うZ世代に焦点を当て、novice編集部のZ世代・山崎がインタビューを敢行。彼らならではの考え方や将来のビジョンなどを探り、その生き方を紹介していきます。今回は、ネスレ日本株式会社へ2019年に入社し、現在は飲料事業本部でマーケティングスペシャリストを務める常盤 馨さんにお話を伺いました。
目次
【インタビューのお相手】
- 氏名:常盤 馨(ときわ かおり)さん
- 生年月日:1995年11月27日
- 出身地:福岡県
- 趣味:Netflix鑑賞
- 所属・肩書き:ネスレ日本 飲料事業本部 コーヒーシステム&スターバックスCPGビジネス部 マーケティングスペシャリスト
ネスレ日本株式会社は、「ネスカフェ」や「ミロ」、「キットカット」でも有名な世界最大の食品飲料企業・ネスレの日本法人。2019年からはスターバックス ブランドの家庭用コーヒー製品の取り扱いを開始するなど、幅広い食品・飲料やサービスで私たちの生活を支えてくれていますよね。
今回は、そんなネスレ日本で働くZ世代・常盤さんに話を聞いていきますよ!
【就職活動について】インターンをきっかけにマーケティング職を志すように

(注:撮影のため一時的にマスクを外しています。)
就活はどんな風に進めていましたか?
大学1年生の途中から卒業まで、ずっとベンチャー企業でデジタルマーケティングのインターンをしていました。
業務に取り組んでいくうちに、消費者に対してさまざまな策を講じ、買いたいと思ってもらえるようにするマーケティングの仕事が面白いと感じるようになって。
そこから、日常的にあらゆる人が手に取れるような商材を扱っているメーカーでマーケティングの仕事をしたい!と思いながら就活を進めていました。
なるほど。マーケティングを専門に行う企業への就職は考えなかったと?
いえ、そういった企業も何社かは受けたのですが、やはり自分がブランド・製品を担当して、開発からすべて自分で育てた製品を世に出すというところに魅力を感じたので、メーカー志望になりましたね。
海外での生活が長かった常盤さんですが、就活は外資系企業を中心に?
そうですね。英語力が生かせる環境だといいなと思いましたし、海外とつながっている企業のほうが働きやすいだろうなとも思ったので、外資系メーカーを中心に受けていましたね。
【ネスレ日本入社の理由】決め手は人の雰囲気と居心地の良さ

ズバリ、数あるメーカーのなかから「ネスレ日本」を選んだ決め手を教えてください!
最終的には、人の雰囲気ですね。
人の雰囲気、といいますと?
私が入社試験を受けた当時は、選考過程に2日間のインターンシップがあったんです。学生が集まってグループワークを行い、最後にプレゼンをする、という内容でした。
そこに来ている学生達がとても接しやすく、グループワークでも「すごくやりやすいな」と感じたんです。そういった人たちが選考に呼ばれる企業なら、きっと社内にも同じような雰囲気が流れていて、一緒に働きやすい人たちがいるんじゃないかなと。
また、選考で関わった先輩方も本当に魅力的で、一緒に働くと楽しいだろうな〜と感じ、それが決め手になりました。
なるほど。人間関係ってやっぱり大事ですよね。
そうですね。自分が働く時には、やっぱり人間関係も大事にしたいですし、居心地のよさや働きやすさを直感的に感じて、一番いいなと思いました。
【現在の業務内容】ネスレ日本のマーケティングスペシャリスト

では、現在の業務内容について教えてください。
私はマーケティングスペシャリストとして、スターバックス家庭用コーヒー製品のうち、季節限定製品や「ネスプレッソ」専用カプセルなどを担当しています。
マーケティングスペシャリスト!! なんだかかっこいい響きですが、具体的にどんなことをするお仕事なんですか?
製品のコンセプト決めや製造、物流などのサプライチェーン、営業、販売促進など、製品にまつわるすべてのことに関わりながら、数字も含めた責任を背負う仕事、という感じでしょうか。
どのような製品を生み出し、どのようなメッセージを消費者に届け、どのように販売するかを、さまざまな部署と連携して進めます。スターバックス社やスイスにあるネスレ本社とやりとりすることもありますよ。

なるほど。ものづくりと販売のすべてに関わる「司令塔」のようなポジションですね!
製品づくりとマーケティングにおいて、プロジェクトチームをリードする存在ですね。各部署と話をしながら製品について1から10まで関わり、プランを動かしていくための判断をしています。予算の管理も行いますし、裁量権もありますが、その分売上や利益の責任も負っています。

常盤さんは入社3年目からマーケティングの仕事をされていますが、比較的早いタイミングから製品の予算を管理したり、利益や売上の責任を負ったりする立場になることについて、不安はありましたか?
もちろん不安はありましたが、憧れを持っていた仕事だったので、異動の機会をいただいた時はうれしい気持ちが大きかったです。
でも、実際にマーケティングとして働き始めると、憧れていた仕事ができる一方で「こんなに責任が大きかったんだ」とあらためて自覚しました。
自分の判断が製品の売り上げを大きく左右すると思うと、ものすごいプレッシャーを感じてしまいそうですが・・・。
初めは「決めないといけないのに怖くて決められない」と感じることもありました。
でも、私たちマーケティングの判断がないと他の部署も動けず、物事もビジネスも前に進みません。だからこそ、自分で責任を持って考えて、判断しないといけないなと意識しています。
うまくいかなかったらどうしよう、と不安になる時はありませんか?
もちろん今でも、不安になることはいくらでもあります。
でも、「乗り越えられない失敗はない」とも思っているんです。失敗してもそこから学べるものがありますし、失敗を乗り越えた先に成功が待っていると考えれば、新しいことにトライすることも、失敗することも価値があると思えます。
迷った時は常にそう考えて、不安を乗り越えていますね。
「乗り越えられない失敗はない」
力強い言葉ですね!
【入社早々やっちゃいました】失敗談・成功体験は?

ちなみに、仕事での失敗談をお聞きしても大丈夫ですか?
はい(笑)。
これは現在の部署に異動して間もないころの話ですが、新製品をシステムに登録する業務で失敗したことがありました。
システムには製品の名前や価格に加えて、1つのケースに製品が何個入って梱包されているかも入力しないといけないのですが、その数を間違えてしまって。
その数が違うと、それまで計画していたプランがずれてしまって、店舗ごとの製品の数や売り上げ予測も大きく違ってしまうんです。営業など、関係する各部署のプランにも、大きなずれが生じてしまいました・・・。
それは・・・。気がついた瞬間に血の気が引きそうですね・・・。
「これ間違ってますよ」と指摘をいただいて気がついたんです。冷や汗をかきながら、それ以上問題が起きないようすぐに修正しました。
自分の仕事の責任の重さをあらためて理解するとともに、関係者で集まって情報のすり合わせをして、皆で確認しながら進めることの大切さを痛感しました。

逆に、これはうまくいったな・・・!と感じた経験はありますか?
達成感があったのはスターバックス家庭用製品ブランドサイトのリニューアルです。
デザインからコンテンツまでを大幅に変えるプロジェクトだったのですが、ブランドが扱っている製品とカテゴリの理解を深めつつ、消費者に何を伝えたいか、どうすればより魅力的に感じてもらえるかを考えながら、ユーザージャーニーを想定して各ページを細かく作り込み、スターバックス社とも毎週のようにやりとりをして、なんとか無事にリニューアルできました。
製品の魅力や世界観が一目でわかるデザインですね!おいしいコーヒーのいれ方やおすすめレシピなどコンテンツも充実していて、どんどん読み進めたくなります。
【ネスレ日本について】どんな会社?

単刀直入に聞きます。ネスレ日本はどのような会社ですか?
ん〜、そうですね。
年齢にかかわらず機会を与えてくれる会社だな、と思います。
なるほど。その心は?
入社した時は違う部署に配属されたのですが、いつかマーケティングに携わりたいと考えていました。
でも、自分が想像しているよりも早いタイミングでマーケティング職への機会をいただけたんです。毎月、どんな仕事をしたいか、どういうキャリアを作っていきたいかという話を上司とするのですが、その場でも「最終的にマーケティングの仕事をしたい」ということは伝えていました。
早い段階から自分の意思を伝えていたんですね。
言わなくても察してもらえる文化ではないので、やりたいと思ったことは積極的に言葉にして伝えたほうがいいかなと。伝えれば年齢や性別を問わず聞き入れてくれる体制が、ネスレ日本にはあると思います。
どんな人がネスレ日本に向いていると思いますか?
他のメーカーもそうかもしれませんが、ネスレ日本はいろんな部署が関わって1つのものを作り上げる会社です。そういった意味では、チームで何かを一緒に作り上げたいという人や、互いに連携し合って働くのが好きな人が向いていると思いますね。
【会社と社会を引っ張る未来】1年後・5年後・10年後の自分

(現地に赴いての海外研修は新型コロナウイルスの影響により現在一時休止中)
いきなりですが、常盤さんの1年後の目標を教えてください。
1年後・・・。
今のマーケティングの仕事を担当して2年ほど経っている頃なので、まずは自分の担当している製品に関して1から100まできちんと理解し、自分でマネージできるようにすることですね。
そして、今は上司のサポートを受けながら行っている製品の企画や計画を、自分1人で行えるようになりたいです。
なるほど。5年後はどうですか?
5年後は・・・、そうですね。
今はスターバックス ブランドの複数の製品を担当しているのですが、5年後はマネジャーのように、ブランド全体を管理する仕事を目指していきたいと思います。
では、10年後はどうでしょう?
う〜ん、難しい・・・(笑)。
最終的にどう生きていたいかということにも関わってくると思うのですが、これからの10年で今私がやっているプレイヤーという立場と、それからマネジャー(管理職)という立場のどちらも経験しておきたいですね。
その上で、自分が本当に楽しいと率直に思える仕事を選べていたらいいなと思います。

ネスレはグローバル企業ですが、スイス本社や各国のネスレ現地法人に行ってみたいという希望はありますか?
機会をいただけるなら、ぜひ行ってみたいと思います。国やそこにいる人が違えば、マーケティングのやり方も全然違ってくると思うので、実際にどうなるのかを見てみたいですね。
行ってみたい国や地域はありますか?
子どもの頃はヨーロッパとアジアに住んでいたので、その両方の地域で仕事をしてみたいですね!
東南アジアは、これからもっと発展していく地域という点でも興味があります。
ヨーロッパは、元々コーヒー文化がしっかりと根付いている地域なので、そういった場所でのマーケティングはどうなっているのかを勉強してみたいです。
【将来のこと】どんな人間になっていたい?

仕事やプライベートなども踏まえ、将来どのような人になっていたいですか?
自分の良さは「新しいことにチャレンジしたいと率直に思える」ことだと思うんです。
やったことのないことは、もちろん不安はありますが、それよりも実際にやってみたい、経験したいという気持ちが強くて。そういった自分の好奇心や、楽しいと思えることに対する行動力を大切にしたいですね。
今も与えられたチャンスを逃さないようにして成長していきたいですし、これからもそんなふうに仕事ができればいいなと思っています。
【Z世代を代表して一言】どんな世代でありたい?

では最後に、Z世代を代表して一言お願いします!
この質問が一番難しい〜〜(笑)。
そうですね。今はインターネットでいくらでも情報が取れる時代ですし、SNSでもたくさんの人がいろんなことを言っていますよね。それにはもちろん良い面もありますが、大量の情報を浴びた結果、どの価値観が正しいんだ、自分はどうあればいいんだというのが分からなくなってくるような時代でもあると思うんです。
となれば、最後の最後は自分が「楽しい」とか「いいな」と思う直感が頼りになると、私は思っています。インターネットやSNSから聞こえてくる声は参考にはなるけれど、それだけを選択肢にしたり、判断の根拠にしたりするのではなくて、自分で考えて「自分自身がシンプルにどう思うか」を一番大切にするのがいいんじゃないでしょうか。
私はそういう生き方をしたいなと思っています。
インタビュアー山崎の「Z世代の想いに触れて」

入社4年目にして、早くもマーケティングスペシャリストを務めている常盤さん。
失敗談にもあった通り、たった1つの小さなミスが大きな影響を及ぼしたり、売上や利益の責任が求められたりなど、かなりのプレッシャーがかかる立場ではありますが、そこに屈することなく、自らの成長の糧として楽しみながら業務に取り組もうとする姿勢が印象的でした。
これまで多くのZ世代インタビューを行ってきましたが、みなさんに共通しているのは、「挑戦を恐れない」ところ。「失敗したくない」というマインドではなく、「失敗しても成功する」という考えの人が多いような気がします。
次はどんなZ世代に出会えるのでしょうか。我こそは!という人はぜひお声がけください!
取材協力:ネスレ日本株式会社
[All photos by 渡辺昌彦]
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編集プロダクションと出版社での勤務を経てフリーの編集者・ライターに。ウェブメディア・書籍・雑誌・広報誌などで幅広く活動中。隙あらば航空券をウェブ検索し、旅のプランを練っている旅行好き。自宅に3台のたこ焼き機を所有する関西人。 |
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