POSTED BY 青山沙羅掲載日 JUL 25TH, 2021

【世界のニューノーマル最前線・NY】コロナ禍でニューヨーカーが受けた補償まとめ

アメリカ合衆国ニューヨーク在住のフリーランスライター青山沙羅が、現地のニューノーマルな生活をルポする当連載。

2020年3月の新型コロナウイルス感染症による非常事態宣言発出以降に、ニューヨーカーが受けた補償は一体どのようなものがあるのでしょうか。そこで今回は、ニューヨーク在住の筆者が、ニューヨーカーが受けることができた補償内容などをあらためて調べてみました。

一時給付金

【補償内容】
1回目：2020年3月可決　大人ひとりにつき1,200ドル、子ども1人につき500ドル
2回目：2020年12月可決　大人ひとりにつき600ドル
3回目：2021年3月可決　大人ひとりにつき1,400ドル

【対象者】
社会保障番号(SSN)保持者かつ納税者全員（学生やSSNなしは対象外）
1回目：2018年の年収7万5000ドル以下の2019年納税者
2回目：2019年の年収7万5000ドル以下の2020年納税者
3回目：2019年の年収7万2000ドル以下の2020年納税者

【給付方法】
対象者であれば申請などの手続きなしに本人の銀行へ自動振込、または小切手を郵送。

■参照
米、1人15万円を月内追加給付　200兆円対策を上院可決　-　日本経済新聞　2021年3月7日 5:59 (2021年3月7日 6:55更新)
Federal Stimulus Payments: Economic Impact Payments　-　Official website of the City of New York
Federal stimulus payments Economic Impact Payments | Internal Revenue Service (IRS) - Official website of the City of New York April 27th, 11:24am
New coronavirus relief bill includes $600 stimulus checks, $300 in enhanced unemployment benefits - CNBC Sun, Dec 20 20209:05 PM EST

失業保険

2020年3月27日　商業店舗や企業は一斉に閉鎖　Jennifer M. Mason / Shutterstock.com

【補償内容】
最大99週間の受給（NY州労働局による。詳細は公式サイトにてご確認ください）。
●26週間の失業保険（通常給付）
●最大20週間の延長給付（EB）
※最大53週間のパンデミック緊急失業補償（PEUC 下記に記述の失業保険上乗せ）

【対象者】
2020年3月以前に就業していた者（社会保障番号保持者）}

【給付方法】
失業保険の申請をし、当時の収入によって給付金額が査定。毎週申告要、毎週銀行口座へ振込あり。

■参照
File Your First Claim for Benefits　File a claim online to receive temporary income　-　NY GOV　Department of Labor

失業保険上乗せ（Pandemic Unemployment Compensation）

連邦政府による失業給付の増額は、2020年3月に成立したCARES法（新型コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法）で承認され、当初の加算額は週600ドルで、その後週300ドルに引き下げ。

【補償内容】
2020年4月5日から2020年7月26日までの給付週には600ドル／週
2021年1月3日から2021年9月5日までの給付週には300ドル／週

【対象者】
2020年3月以前に就業していた者（社会保障番号保持者）

【給付方法】
失業保険の申請をした失業者に対して、失業保険に上乗せして、毎週銀行口座へ振込あり。

■参照
各州における失業保険給付の概要　-　在ニューヨーク日本国総領事館
Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act　-　NY GOV
週300ドルの追加失業給付、米国民の半数超が打ち切り支持　-　Forbes Japan 2021年7月3日(土) 11:00

食料の配給

【開催団体】
●公立学校（通学している子供に限らず、誰でも受取可能。通学証明や身分証明書の提示不要）
●教会や救世軍など各慈善団体、地域のコミュニティーセンター（写真付き身分証明書を求める団体もある）

【対象者】
滞在資格（ビザ）は不問、無料で受け取れる。

【受取方法】
公立学校は月〜金曜日（9m-1pm）。各団体は配布日に直接出向く。

■参照
Summer Meals　-　NYC Department of Education

City Harvest （NY市の食糧支援組織）のトラック — City Harvest （NYCの食糧支援団体）のトラック　2020年8月14日　Ⓒ Sara Aoyama

コロナウイルス感染検査

NYC クイーンズ　感染検査に並ぶ人たち　2020年11月9日 — NYC クイーンズ区　感染検査に人が並ぶCity MD　2020年11月9日　ⒸSara Aoyama

【開催場所】
ニューヨーク州や市の指定医療機関、移動型施設、チェーン薬局など

【料金】
無料（行政指定の場合）

【対象者】
滞在資格（ビザ）は不問。写真付き身分証明書要

コロナウイルスワクチン接種

移動式移設（ワクチンバス）2021年6月20日　Ⓒ Hideyuki Tatebayashi

【開催場所】
ニューヨーク州や市の指定医療機関、移動型施設、チェーン薬局、臨時の大型施設（タイムズスクエア）、地下鉄駅構内（グランドセントラル、ペンステーションなど）、空港（JFK、ラガーディア空港など）、地域センター他。

【料金】
無料（行政指定の場合）

【対象者】
滞在資格（ビザ）は不問。写真付き身分証明書要

家賃未払いによる強制退去の猶予

【内容】
2020年3月20日にニューヨーク州知事より、家賃未払いによる強制退去の猶予が発令。

【概要】
現時点では、2021年6月1日から緊急賃貸支援プログラム（ERAP）で申請可能。

【承認された場合】
2020年3月13日以降に発生した最大12カ月延滞した家賃、電気代やガス代の滞納の支払いなどをテナントに代わって支払い。

【対象者】
コロナ禍による失業で、2020年3月以降3カ月以上家賃が払えない失業者、退役軍人、家庭内暴力による被害者、人身売買の生存者など。滞在資格（ビザ）は不問。

■参照
New York State Emergency Rental Assistance Program (ERAP)　-　NYC