世界一感染者数が多かった都市「ニューヨーク」

まずは、新型コロナウイルスの感染者数など、アメリカ・ニューヨークの現状をお伝えします。

感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学によると、2020年11月16日3：27AM現在、世界の新型コロナウイルス感染者数は54,418,895名。アメリカは感染者数11,037,777 名・死亡者数246,217名で、世界最多の感染国となっています。

また、アメリカの中でもニューヨークは、不名誉ながら感染率ワーストワン。アップステートなどを含むニューヨーク州全体では、感染者数560,200名。ニューヨーク市内（マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ザ・ブロンクス、スタテンアイランドの5区） では、282,056名（2020年11月14日NY州によるデータ）です。

日本は国全体で感染者数が119,156名ですから、ニューヨーク市だけで日本全国の2倍以上の感染者数と表現するとわかりやすいかもしれませんね。

■参照データ
・世界の新型コロナウイルス感染者数：Johns Hopkins University. NY時間2020年11月16日午前 3:27時点のデータによる
・新型コロナウイルス検査結果：ニューヨーク州 保健局 2020年11月14日午前 深夜のデータによる

「コロナ感染を確認したい」どこで調べたらいい？

アメリカの統計調査“Statista”の2020年11月16日のデータによると、アメリカは168,156,190件検査済みでコロナ検査実施国のトップクラス。

検査実施は基本的に無料。検査機関は、City MDなどウォークインのクリニックやファーマシー（薬局）、ドライブスルー形式など身近な場所にあり、無料で何回でも検査できます。

ニューヨーク市の検査機関は、下記で調べられます。
■ニューヨーク市内のコロナ検査実施について（ニューヨーク市）

新型コロナウイルス検査は２種類ある

新型コロナウイルスの検査には、「PCR検査」と「抗体検査」の２種類あります。筆者は実際に検査を受けるまでそれぞれの違いがわかっていませんでした。

【PCR検査とは？】

ポリメラーゼ連鎖反応（Polymerase chain reaction）を略してPCRと呼ばれています。PCR検査では、鼻腔の奥に長い綿棒を入れ「現在新型コロナウイルスに感染しているか」を調べます。

ニューヨークの感染率（2020年11月現在）

ニューヨーク州の感染率（2020年11月8日現在）は、2.82％。シャットダウンやマスク着用により1％以下の感染率に抑えたものが、学校やレストランなど経済再開により再び増加している傾向です。

【抗体検査とは？】

抗体検査（採血検査：antibody testing）は、採血して「過去にウイルスに感染したか」を調べる検査。新型コロナウイルスによる症状の有無にかかわらず、過去に感染したこと（抗体）があるかどうかがわかります。

ニューヨークの新型コロナウイルス抗体保有率（2020年11月現在）

ニューヨーク市5区（マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ザ・ブロンクス、スタテンアイランド）での抗体検査の結果を見ると、例えば、富裕層が多いマンハッタン区は、セントラルパーク以北のハーレムを除き、陽性率が低めとなっています。

一方で、移民が多く人口密度が高いクイーンズ区や、独自のコミュニティーがある宗教徒がいるブルックリン区、ブルーカラー（飲食、製造、建設業など）の多いブロンクス区の3区では陽性率が高く、交通の不便なスタテンアイランド区は低い陽性率を示しています。

ニューヨークではコロナの検査が無料

ニューヨークでは州知事も市長も検査を推奨しています。検査にかかる費用も無料なので、筆者も2020年5月に、予約不要で検査が受けられる近所のCity MDで検査することにしました。

エリアによって混み具合は異なるものの、診療時間開始前に訪れた時は前に5人ほどしか並んでおらず、20分ほどの待ち時間で検査を受けることができました。

簡単で便利なので、友人や知人にも教え、筆者の周りは皆検査済みです。

【Covid-19（新型コロナウイルス）検査ができる、City MDについて】
・予約不要
・ウォークイン（直接出向く）形式
・無保険者でも無料で受けられる
・場所はWebで検索可能

【2020年5月】コロナの検査結果にびっくり！

検査を受けて1週間ほど後、メールおよびテキストで結果通知が届きました。医療機関のWebサイトにログインして内容を詳しく確認すると・・・予想外の結果にびっくり！

PCR検査の結果は「現在コロナにはかかっていない」陰性でしたが、抗体検査の結果は「過去にウイルスに感染した」陽性（青丸をつけた部分：Positive）だったのです。

2019年末にすでにコロナに感染していた？

新型コロナウイルスに感染した自覚もなく、「いつの間に？」と驚きましたが、そういえば、2019年クリスマス前に40度を超える高熱になったことが今となっては気になってきました。

その際、病院で感染症（Infection）と伝えられましたが、まだ新型コロナウイルスが広く認知されておらず、医師でさえ新型コロナウイルス知らない時期。思い返してみると、このタイミングで感染していたのかもしれません。

後になって他州へ引っ越しした友人に、2019年末にコロナにかかったかもと話をしたら、「さすがニューヨーカー、流行の先端ね」と褒められました（苦笑）。

【2020年7月】抗体検査結果でやはり陽性に

2020年7月にふたたび検査を受けると抗体検査は再び陽性に（ニューヨークでは何度でも検査が受けられます）。やはり、過去にコロナウイルスに感染していたことは間違いなさそうです。ちなみに、PCR検査結果は陰性でした。

２度の検査ともに「抗体を持っている」という結果となりましたが、それを受けて、2020年9月末に血液（血漿）寄付依頼の手紙が自治体から届きました。

寄付血液（血漿）はワクチン開発などに活用されるそうですが、その顛末は別の記事でルポしようと思います。

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	青山沙羅 アオヤマサラ／ライター
	はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日（PIE International、2020年3月）』。 著者のプロフィールを詳しく見る

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