POSTED BY 林美由紀掲載日 APR 26TH, 2021

【開発者に聞くイノベーション探訪】糖質メインの食事に革命を起こす！フジッコ「ダイズライス」

世の中には「アップサイクル」や「サスティナブル」、「SDGs」などの言葉が台頭し、世界中のさまざまな分野で努力が行われていますよね。そこで当シリーズでは、毎回、クラウドファンディングなども活用しながら新たなイノベーションを起そうとしている人・モノ・体験にクローズアップして、その魅力をお届けしていきます。今回は、「糖質メインの食事」という常識を変える！タンパク質を補い、糖質を抑えることができる大豆を活用した次世代の主食「ダイズライス」を開発したフジッコさんにお話を伺いました。

長らく、私たち日本人は「米」を主食としてきました。それ以外にもパンやパスタにピザ、ラーメンやそばなど「糖質」を多くとる食生活が主流になっています。一方で、健康のため糖質制限を行う必要がある人、筋肉量を増やして体づくりをしたい人、体型が気になる人にとっては「糖質」を避けたいという人も多いのではないでしょうか。

そこで、大豆商品の開発・販売を行ってきた老舗のフジッコが取り組むのが、次世代の主食「ダイズライス」です。

ダイズライス開発のきっかけ

フジッコが考えるミッションは「食」で健康を守ること。バランスのよい食事も重要ですが、「しっかり噛んで食べること」「1日3食食べること」こそ、明日への生きる力となり、健康や美容の維持にもつながると考えているといいます。

プロテイン飲料のように、タンパク質が摂れて糖質が少ない食べ物（飲料）は他にもありますが、「噛むこと」「効率よくタンパク質が摂れること」を大切にしたいからこそ、「主食」という形にこだわり「ダイズライス」を開発。100以上の試作を経て、できあがったといいます。

「ダイズライス」とは

ダイズライスはその名の通り、大豆で作られたお米のように食べられる主食です。

特徴

歯ごたえのある食感が楽しめる、お米のような見た目の大豆食品
お米よりも低糖質・高たんぱく質なのに、満足感が得られる食べ応え※
ほんのり優しい大豆の甘みと風味で、毎日食べても飽きない味わい
電子レンジで温めるだけですぐ食べられる
味のついていないプレーンタイプと調理済メニュー両方が楽しめる
※「日本食品標準成分表2015年版（七訂）」　うるち米（水稲めし・精白米）とダイズライスプレーンとの比較

150gのダイズライスを食べると24gのタンパク質を摂ることができ、なんと糖質は85%カットされているのだそうです！

ダイズライスの食べ方としては、お米と同じようにお好みのごはんのお供をトッピングして食べる定番の食べ方のほか、アレンジメニューとしてはリゾットやお茶漬け、雑炊、チャーハンなどがぴったり。そのほか、ステーキ丼、海鮮丼などのどんぶりメニューとも相性抜群です。

ダイズライスは種類も豊富

定番のダイズライスプレーンに加え食べやすく味付けした調理済メニューも開発されています。

ダイズライス　黒ごまいなり

小腹が減ったときに手軽に食べられる定番のいなり寿司。白米の代わりにダイズライスをが使用されています。3個（１食分）でタンパク質が21g摂れます。黒酢を使用し、コクのある味わい。

ダイズライス　梅いなり

3個（１食分）でタンパク質が20g摂れます。穏やかな梅の酸味としその香りがアクセントになったいなり寿司です。

ダイズライス　トムヤム

1食あたりタンパク質を27g摂れます。パクチーの香りを効かせ、辛くて酸っぱい本格的な味わいに仕上がっています。具材としてえび、パプリカ、エリンギ、パクチー入り。

ダイズライス　ガパオ

1食あたりタンパク質を30g摂れます。ダイズライスの特徴であるパラっとした食感を活かし、バジルとナンプラーの香りを効かせた本格的な味わい。

大豆にこだわる理由

フジッコがダイズにこだわる理由は、大豆のすごさにあります。大豆にはタンパク質が約35％含まれており、肉や魚にも匹敵するとも言われていることから、「畑のお肉」とも呼ばれます。

タンパク質はアミノ酸からできており、必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分けられるのですが、大豆は必須アミノ酸をバランスよく含んでいるため、アミノ酸スコアは100！　必須アミノ酸は体を作るためには欠かせない栄養素です。「必須アミノ酸をどれだけ豊富に含むか？」の観点でみたときには大豆は優れたタンパク質源です。

フジッコの「ダイズライス」担当者にインタビュー

新しく「主食」を開発しようと思ったきっかけを教えてください。

タンパク質の重要性に注目が集まる中で、高タンパク食品や飲料はブームになっていますが、サラダチキンやプロテインなど、毎日の食事として取り入れにくいものが主流になっているため、私たちは、大豆の豊富な栄養素はそのままに、毎日の主食として無理なく取り入れられて、あきないおいしさを目指しダイズライスを開発しました。

なぜ「ライス」のような（形状・特長）製品にこだわったのでしょうか。

タンパク質は、私たちの筋肉、肌・髪・爪などを構成する上で欠かせない栄養素です。女性のタンパク質摂取の推奨量は1日に50～55gとされていますが、タンパク質の摂取が十分でない方は意外と多いそうです。

ダイズライスは毎日の食事の1食の主食を置き換えて頂くことで手軽にタンパク質を補うことができます。

タンパク質は1度に大量に摂っても体に吸収されず、毎食摂ることが大切なので、毎日食べられて、いろいろなアレンジができるお米状の形にこだわりました。

ダイズライスを開発するにあたり苦労した点はありましたか。

ダイズライスはお米とはまったく別の、大豆を主原料とした新しい主食なので、どのような硬さ、弾力、食感、香り、風味、味にするのかを設定するところに苦労しました。

まずはチームで硬さ・弾力といった食感、香りや風味といった食味で「目指すべきところ」を定めることから始め、仮説・検証を繰り返しました。

味付けした調理済メニューもあるとお聞きしました

ダイズライスプレーンは食べ方自由自在で、そのまま食べて頂いても、お米のようにご自身のお好きなメニューに調理してアレンジもして頂けます。忙しくてなかなか調理をする時間をとることが難しい方にも、帰りの時間が遅くなった時の夕食に、糖質が気になるメニューもダイズライスでヘルシーにお召し上がり頂けるアジア系の炒めごはん、小腹がすいた時や軽めのランチ、夕食にも、中身も外側も大豆づくしでヘルシーにお召し上がりいただけるいなり寿司も一緒に開発しました。