飲食店の規制が解除されたニューヨーク

2021年6月24日に緊急事態宣言を解除したニューヨーク。現在飲食店はすべての営業規制が解除されました。そこで、暑い日が続く7月4日の独立記念日を目前にした週末に、クラフトビール（地ビール）を求めてブリュワリー（ビール醸造所）へ出かけてみました。

ロング・アイランド・シティ（LIC）地区とは

ニューヨーク市クイーンズ区のイーストリバー沿いに位置するロング・アイランド・シティ（LIC）。マンハッタンの摩天楼の眺望と、ウォーターフェリーで通勤できるロケーションの良さから、近年再開発されたウォーターフロント地区です。以前は倉庫や工場跡地の寂れたエリアでしたが、現在は摩天楼に面して高層コンドミニアム（超高級マンション）がずらりと建ち並び、人気のエリアになりました。

LICのクラフトビール　Fifth Hammer Brewing（フィフス・ハンマー・ブリューイング）

ニューヨークではクラフトビールが人気で、ブリュワリーも多くあります。

クオモＮＹ州知事による2018年2月の発表によると、ニューヨーク市を含むニューヨーク州のブリュワリーの数はおよそ400。郊外に限らず、マンハッタンやブルックリン、クイーンズにもあります。有名なのは、ブルックリン・ラガーで知られるBrooklyn Breweryですが、筆者の住むクイーンズ区にも10軒以上のブリュワリーがあり、ロング・アイランド・シティに集中しています。

ハンマーがシンボルマークのFifth Hammer Brewing（フィフス・ハンマー・ブリューイング）は、ニューヨーク市クイーンズ区のロング・アイランド・シティに位置する、2017年オープンのブリュワリー。ビール醸造所に、出来立てビールが味わえるタップルーム(Tap Room)が併設。ニューヨーク市のブリュワリーは、ほとんどがこのスタイルで、倉庫や自動車整備工場などの跡地を利用しているようです。

■参照　
Governor Cuomo Announces Record Number of Breweries in New York State　-　NY GOV FEBRUARY 14, 2018

ワクチン接種済みで、マスクなしの開放感

ロング・アイランド・シティには既にお気に入りのブリュワリーがあるのですが、今回は新規開拓ということで、ネット上の評価が良かったFifth Hammer Brewingへ。気温が上がった週末ゆえ、混みあった店内。写真にはマスクをしている人も映っていますが、95％はマスクなし。2020年3月からマスクを着けるようになって以来、我が家ではこのような店内での飲食は1年3か月ぶりに解禁です。

結婚記念日をビアバー巡りで祝おうと夫と二人でやってきたものの、マスクなしの世界にちょっと怖々。筆者の自宅近くでは、依然としてストリートでも90％がマスクを着用しているからです。

マスクなしでビール。1年前のニューヨークを思ったら、この日が来たのが信じられない気持ちです。マスクなしの開放感にホッとします。

ドッグフレンドリーなお店

コンクリート打ちっぱなしの店内は、愛犬も入店可能。ワンコにはビールは無理ですが、お水は提供してくれます。ほとんどのブリュワリーはビールのみ、食事の販売がないのでワンコもOKなのです。

女子会にも合コンにも

店内を見回すと、ガールズトークの女子会あり、男女グループの合コンあり。オープンな雰囲気はデートにも良さそうですが、店内定員の規制が解除され、元倉庫の広い店内は満席。賑やかすぎて、話がなかなか聞き取れないというデメリットも。

筆者が入店する直前ににわか雨が降ってきたにも関わらず、屋外席で傘をさしてビールを飲むツワモノもいましたよ（笑）。

フルーティでフレッシュなビール

写真左　HOP TONES　7% 　Hazy IPA　 / 15oz Glass $8
Hops: Citra & MosaicJuicy peach, mango and citrus with a hint of dank and a pillowy mouthfeel.

写真右　MEMBERS ONLY BERRIES　5.5% Sour with Blueberry, Blackberry, Raspberry & Strawberry　14oz Pour in Teku $8
This jammy sour is a blended extravaganza of our favorite berries. Juicy strawberries, bold blackberries, sweet-tart blueberries and ripe raspberries party on the palate - a bodacious berry bash in a glass.

オーダーしたビールが来ました。支払いはビールが提供されたら、その場でチップとともに支払います。

写真左が、主人がオーダーしたIPA（HOP TONES）。これが、すごくおいしかった！　後口にパイナップルのような余韻が残ります。イチオシはこのビール。

写真右が、筆者がオーダーしたベリー味（ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、ストロベリー）のビール。チェリー味のビールがおいしかったというネットでの情報を見たのですが、季節物のビールだったのか見当たりませんでした。そこで、メニューを見て代わりに頼んだのですが、これが酸っぱい！　ベリー味というよりむしろ梅干し味？

フルーツ味から探さなくても、IPAやラガーもフルーツのフレーバーなので、IPAがおすすめ。ジュースみたいに鮮やかなビールの色。醸造所でいただくフレッシュなビールは最高でした。

オリジナルブランドの缶や瓶ビールも販売

ラベルにハンマーがデザインされた、オリジナルブランドの缶や瓶ビールも販売中。安くはないお値段ですが、飛ぶように売れていました。

店内奥にはビール醸造所

店内奥にはビールのタンクが見えます。

ビールを醸造しているタンク

ピカピカのタンクで、フレッシュなビールができるかと思うとワクワク。

ユーモアのセンスが利いたバスルーム

バスルーム（トイレ）は個室で、男女共用。「人間用」のサインが洒落ています。

18歳以上のワクチン接種完了者が72.3％（2021年7月2日　CDC 米国疾病予防管理センターによる統計数）を超え、独立記念日を目前に浮かれ気分のニューヨーカー。フレッシュなビールのおいしさと、マスクなしの開放感を味わった日でした。

日本でもワクチン接種が進んでいますから、こんな日が来るのはきっとすぐですよ。

Fifth Hammer Brewing（フィフス・ハンマー・ブリューイング）

住所：10-28 46th Ave,Long Island City, New York 11101
営業時間：月曜日　2:00pm - 10:00pm
火曜日　2:00pm - 10:00pm
水曜日　2:00pm - 10:00pm
木曜日　1:00pm - 10:00pm
金曜日　12:00pm -11:00pm
土曜日　12:00pm - 11:00pm
日曜日　12:00pm - 9:00pm

[All Photos by Hideyuki Tatebayashi and Sara Aoyama]　Do not use images without permission.

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	青山沙羅 アオヤマサラ／ライター
	はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日（PIE International、2020年3月）』。 著者のプロフィールを詳しく見る

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