POSTED BY わたなべ  たい掲載日 MAY 8TH, 2021

100匹以上のネコが里親を待つ「保護猫カフェ」に行ってみた【東京・現地取材】

東京・大塚にある「東京キャットガーディアン」の保護猫カフェ。飼えなくなったり、捨てられたり、保健所から引き取ったり・・・。常時保護しているネコは100匹を超えることも少なくないのだとか。そんな里親を待っているネコたちに会いに行ってみました。

目次

ニャングルジムでたわむれる!

保護猫カフェ東京キャットガーディアン

飲食店などが多く集まる大塚駅からすぐのビルが、NPO法人として活動する「東京キャットガーディアン」の保護猫カフェ(開放型シェルター)。看板も出ていなくちょっと戸惑うかもしれませんが、1階にあるペット用品のリサイクルショップが目印。このショップの運営も行っており、売り上げはシェルターの運営費用に充てられているのだとか。

ビルの最上階、サンルームのような陽光降り注ぐ1フロアを丸々使った保護猫カフェ(開放型シェルター)で迎えてくれたのは、代表の山本さん。マスク着用はもちろんのこと、手指の消毒、入室するにあたっての注意事項などのレクチャーがあって、ネコちゃんが待つ店内へ。

「ここにいるネコは、みんな里親を待っている子なんですよ」と話す山本さん。人の気配にすり寄ってくるネコ、警戒するネコ、お構いなしにニャングルジムで(!?)遊び続けるネコなど、どのネコも愛嬌たっぷり! そんなネコのしぐさや表情に思わず声をあげたくなってしまいますが、店内で騒ぐのは禁止。“図書館のように静かに過ごす”のが基本です。

「ネコを引き取って里親になりたい方はもちろん、今は一緒に暮らすことはできないけど、ネコに会いに来るだけでも大歓迎です!」とは代表の山本さん。

日本初の譲渡会場併設の「保護猫カフェ&開放型シェルター」

元々、動物好きだった山本さんは、イヌやネコはもちろんのこと、タヌキやアライグマ(!!)なども飼っていて、自宅ながら個人シェルター的に30匹のネコを保護したのがこの道へ進むきっかけ。

「30匹のネコを保護したのは2002年のことです。その後、2008年にこの保護猫カフェ(開放型シェルター)や、ネコの不妊・去勢手術専門病院「そとねこ病院」を開業しました。その年に里親を見つける譲渡も開始して、2010年にNPO法人化したんです」

「2021年2月現在で、約8,000匹のネコの譲渡・里親を見つけることができているので、年間約700匹、月にすると平均で40~60匹のネコに里親が見つかっていることになります。当初は殺処分されてしまう保健所や、動物愛護センターなどからの依頼が多かったのですが、昨今は個人からの依頼も多くなりましたね」

「例えば、子猫を産み過ぎてしまった、家庭の事情で飼うことが難しくなった、引っ越しで飼えなくなったなど・・・。そのようなネコを引き取って保護していますが、子猫の場合は里親も見つかりやすい一方で、成猫の場合はなかなか難しいのが現状なんです」

見た目は3歳児でもオリンピック選手並みの運動能力!

「私たちの活動の基本は“1匹でも多く猫を助けること”ですが、誰でもいいから里親になってほしいとは思っていません。だって、自分のネコを誰かにあげるという気持ちなので、今以上に幸せになってほしい。書類審査のほか、この保護猫カフェ(開放型シェルター)での面談を必ず行います」

「残念ですが譲渡希望者の半分ほどは、飼育者として適合しません。そこにはいろいろな理由があるのですが、“1匹でも不幸な子を増やさないため”に慎重に判断します」

コロナ禍での“おうち時間の充実”などもあり、ネコをはじめとしたペットの需要は高まっています。衝動的なかわいさの判断だけではなく、その子の未来を見つめた幸せを想像することが大切なのだと・・・。

「見た目は3歳児でも、オリンピック選手並みの運動能力を持っている」という、山本さんの言葉は非常に印象的。ネコの性格や習性、運動能力もしっかりと理解し、2度目の保護猫をつくらないようにとあらためて感じました。

猫付きマンション&猫付きシェアハウスまである!?

2008年に、日本初の譲渡会場機能を併せ持つ保護猫カフェ(開放型シェルター)として誕生した「東京キャットガーディアン」。代表の山本さんは、実は音楽イベント業を行っていた経験をもち、現在もこのビルの地下ではライブハウスを経営。

そんなビジネスセンスやバイタリティーあふれる発想を生かし、猫カフェスクールやネコと一緒に暮らすことができる猫付き賃貸マンション、猫付きシェアハウスなどの「しっぽ不動産」なども立ち上げ、“ネコの幸せな暮らし”דネコとの幸せな暮らし”を提案し続けているのです。

◆東京キャットガーディアン(保護猫カフェ・開放型シェルター)◆
住所:東京都豊島区南大塚3-50-1 ウインドビル
営業時間:14:00~19:00(土・日・祝日は13:00~19:00)
定休日:火
料金:無料(寄付)
アクセス:JR「大塚駅」南口より徒歩2分
URL:https://tokyocatguardian.org/

※2021年5月現在、新型コロナウイルス感染症対策のため営業時間やサービス体制などが通常と異なることがあります

[All Photos by ©tawawa]

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わたなべ たい
ライター/エディター/ディレクター

10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌などで豊富な取材を経験。読者やユーザーの案内役・ナビゲーター的な距離感を大切に、ライフスタイルにヒントやうるおいを与える情報を発信。

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