POSTED BY sweetsholic掲載日 MAY 6TH, 2021

【フランス】冷凍食品からお酒まで、フランスの「オーガニック(ビオ)食品」を大公開!

南フランスより、ボンジュール! 海外在住ライターのsweetsholicです。ここ数年で、“オーガニック”や“ビオ”というキーワードを目にすることが増えてきました。「有機農業だということは知っていても、あまりよく分からない」ー そんな人も多いのでは? 今回はビオ先進国フランスより、実際の製品を交えながら、当地のビオ事情をお届けします。

目次

ビオってなに?

仏スーパー·カルフールのビオ食品コーナー(南仏トゥールーズ市内)

英語ではオーガニック、日本語では有機農業と訳されるビオ(bio)。「biologique(ビオロジック)」というフランス語の略語で、有機農産物と有機農産物加工食品を指します。

フランスのビオ製品「AB」のロゴ(左)、欧州のビオ製品「Eurofeuille」のロゴ(右)

人と地球環境に優しい農産物の生産体制を目指し、ヨーロッパでは1920年代から有機農業の必要性が提案されてきました。

これに伴い、フランスでは1985年に「Agriculture Biologique(略してAB)」という規定が、欧州全体では1991年にEU共通のオーガニック規定「Eurofeuille」が誕生。

10人中7人のフランス人が「最低でも月1回はビオ食品を食べる」と回答、毎日食べる人の割合は全体の10%以上

では、どんな食品がビオと名乗れるの? 仏政府が管轄する組織「Agence bio」の公式ページより、フランス·EUに共通するビオの基準をざっくりまとめてみました。

野菜や肉などの農畜産物は、“(除草剤や殺虫剤などの)化学合成農薬不使用·遺伝子組換えの禁止、家畜はストレスの少ない環境及び有機肥料で育てられたもの”、加工食品に関しては、“着色料·合成香料·栄養強化剤の不使用、添加物は許可された47種類のみ”とされています。

また、フランスのビオ化粧品・日用品に関しては「Ecocert(エコサート)」として、食品と同じように基準が定められています。フランスの基準「エコサート」ではなく、オーガニック化粧品の世界基準「Cosmos Organic(コスモスオーガニック)」マークが付いていることも。

代表的なものをピックアップ!

ぜ~んぶビオ!

現在のフランスでは、食品から日用品まで、日常生活に必要なものはほぼすべて、ビオ製品として手に入ります。こちらのスーパーや、ビオショップで購入した商品をご紹介していきましょう!

スペイン産オレンジ、カマンベールのような味わいのやわらかなチーズ「ブリック」、卵

野菜や果物、肉や肉加工品、牛乳やチーズなどの乳製品、ジュースやコーヒーなどの飲料、パンにスイーツ、クッキーやチョコレートなどの菓子類はその一例です。これらは、なんとなく想像がつくのではないでしょうか?

また、フランス人の大好きな“冷凍食品”もビオ製品が充実。シンプルに野菜や果物を冷凍したものから、ピザや惣菜タルト、スープといった冷食もビオのものが売られています。

左から:豆乳、泡ワインプロセッコ、コーヒーマシン「ドルチェグスト」用カプセル

さらに、ワインやビール、近頃はリキュールなどのアルコール類もビオ製品が増えています。おつまみとして人気のポテチもビオ! もちろん、食後や休憩に欠かせないエスプレッソも、ビオのものが充実。

左から:栗粉を配合した素朴な味のチョコがけクッキー、赤ちゃん用保湿クリーム、薄味で軽やかな食感のポテチ

食品以外では、オムツにベビーオイルといったベビー用品、シャンプーや歯磨き粉などの日用品に化粧品などもビオ製品になっています。

「ビオだからおいしい」わけではない・・・?

ビオ食品と聞くと「有機栽培だから新鮮でおいしいはず」。そう思う人も多いのではないでしょうか? 確かに産地直送のビオ野菜や果物は新鮮で味もよいですが、ビオの加工食品や仏スーパーの新鮮さに欠けるビオの生鮮食品となると、話は変わってきます。

当地でのビオの規定は農法に関することであって、味の良さを保証するものではありません。つまり「ビオだからおいしい」とは限らないのです。

レーベル·ルージュマークの付いた卵

ここフランスには、食品のおいしさを含めた質の高さを保証するマークとして「Label Rouge(レーベル・ルージュ)」という、仏農水省が定める規定が存在します。

定着感のあるビオ市場、今後の課題とは

現在のフランスでは、健康やサステナビリティ(環境問題)に関心のある層だけでなく、一般の人たちの間でもビオは定着しています。ただ、大衆化したことで、賢く選ぶ必要性を謳うメディアの見解もたびたび目にします。

ビオ食品も選べる、仏マクドナルドの「ハッピーセット」。ビオのチーズ&ビオのリンゴジュース

こちらでは専門店だけでなく、ビオ製品はスーパーでも気軽に買えるアイテムです。大企業が参入したことで、割高だったビオ製品が手に取りやすくなったのも事実。

しかしながら、一般化してきたことで、主原料はビオの材料を使っていても、糖分に油分、あるいは(ビオ製品に許可されている)添加物の多さが気になる加工食品も多々あります。人気を博している、小麦不使用のグルテンフリー市場と似たような状況かもしれません。

ヘルシーな味(薄味)のビオ加工食品が多いなか、ガツンとした甘さの「ビオシリアル」

実際に、甘党の筆者が夏場の朝食に食べる、ディスカウントスーパーのビオシリアル。パッケージをよく見たら、チョコと砂糖、さらに脂質も(!)たっぷりでした。原料のオーツ麦はもちろん、砂糖やチョコがビオでも、これではヘルシーとは言えず本末転倒・・・。と言いつつ、おいしいから食べちゃいますけどね!

さてさて、記事の後半では、ビオ製品のネガティブな面にも少し触れましたが、当然ながら身体に優しいもの、味の良いものもたくさんあります。

また、今回はフランスを中心にヨーロッパのビオ製品についてお伝えしましたが、有機農産物·有機農産物加工食品とひと口に言っても、国によって基準が多少異なることを補足します。

通常の食品や製品と同じように、ビオ製品も賢く選びたいものですね!

[agriculture.gouv.fr]
[agencebio.org]
[cosmos-standard.org]
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ライター/パティシエ/ときどき通訳

海外を放浪しながら気ままな人生を謳歌しているフリーライター、パティシエ。現在の居住地は南フランス。海外のライフスタイルや、各国で学んだお料理などをみなさまと共有できればと思っています。 世界の文化とスイーツ、地中海料理、マレーシアが大好き。

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