フランスには「クレープの日」があるんです

毎年2月2日は、誰もが楽しみにしているクレープの日···でもあるのですが、フランス語では「La Chandeleur（ラ・シャンドラー）＝聖燭祭（せいしょくさい）」と呼ばれるキリスト教の行事です。

「燭」という文字から分かるように、キャンドルと関係しているこの行事。かなり大雑把に言えば、「エルサレム神殿へのイエス·キリストのお宮参り」を記念する日です。イエス・キリストという光の訪れを祝い、教会はもちろん、家でもキャンドルに火を灯すのが習わしとなっているそうです。

ただ、現在のフランスは宗教心の薄い人も多く、熱心なキリスト教徒を除き、家庭でのキャンドルは形式的な気も···。

どうしてクレープを食べるの？

ではそもそも、なぜキャンドルの日にクレープを食べるのでしょう？

寒く暗い冬に終わりを告げ、春の訪れを感じさせてくれるものといえば、明るく輝く太陽！　そんな太陽を象徴する食べ物が「黄金色の丸いクレープ」だからです。

今でこそキリスト教と結び付けられていますが、実はキリスト教以前から行われていた風習で、自然信仰をする人々の年中行事に起源する習慣だと言われています。そう考えれば、太陽をクレープに見立てるのも納得ですよね。

フランスにはどんなクレープがある？

さて、そんな古い歴史をもつクレープ。ここフランスでは、日本でいうところの「ホットケーキ」のような存在です。家庭ではおやつやデザートとして親しまれ、また、カフェやレストランでは定番デザートのひとつとしてメニューに名を連ねます。

1枚ずつお皿にのせて、ナイフとフォークでいただくのがフランス流。バターと砂糖、あるいはジャム、はたまたチョコレートスプレッドなどを用意してシンプルに楽しみます。時にはフィリングをくるくる巻いて、手づかみで食べることも。もっとも、手で食べるのは家庭ならでは、だと思いますが···！

家庭で焼くのが面倒···という場合でも大丈夫！ パック入りの素焼きクレープや小麦粉の代わりにそば粉を使用した「ガレット」もスーパーで手軽に買えます。市販のものでは、チョコやジャムなどのフィリングをくるくる巻いたタイプも。こちらはクレープの日に限らず、年間を通して子どもたちに人気のおやつです。

クレープを食べる時に欠かせないドリンク「シードル」

さて、みなさんはクレープを食べるときに何を飲みますか？　フランスでは、クレープにはりんごの発泡酒「シードル」を合わせるのが定番となっているのですが···。

ハムやチーズなど塩気のある食材を包んだガレットならまだしも、甘いクレープに、辛口でさえ甘～いシードルを合わせるのは微妙な気がしてしまうのは、筆者だけ!?

何はともあれ、少しでもフランスの「クレープの日」について知っていただけたら幸いです。日本では節分を控えている頃と思いますが、最近は恵方巻スイーツも多く登場しているそうですね！　クレープを巻いて、恵方巻のようにして食べるのも良いかもしれませんよ。

[ouest-france.fr]
[st-andrew-tokyo.com]
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	sweetsholic ライター／パティシエ／ときどき通訳
	海外を放浪しながら気ままな人生を謳歌しているフリーライター、パティシエ。現在の居住地は南フランス。海外のライフスタイルや、各国で学んだお料理などをみなさまと共有できればと思っています。 世界の文化とスイーツ、地中海料理、マレーシアが大好き。 著者のプロフィールを詳しく見る

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