POSTED BY sweetsholic掲載日 MAR 28TH, 2021

【世界のニューノーマル最前線・南仏】コロナ禍で感じるフランスの食トレンド

南フランスより、ボンジュール! 海外在住ライターのsweetsholicです。うららかな春の訪れを感じる南仏ですが、全国的な外出制限にパリを含む19県は外出禁止など、ここフランスは自粛生活が1年以上続いています。昨年秋からの飲食店閉鎖に伴い、外食ができないという厳しい状況ではあるのですが・・・、さすが美食の国。食のトレンドは次々と生まれています。

目次

南仏トゥールーズの書店にて。調理ロボットを活用したレシピ本が目立つように
©︎sweetsholic

フランス人と“食”

クリスマスや誕生日といったイベントはもちろん、休日には家族や親戚が集まって、ご馳走を囲むことの多いフランス。会話を楽しみながらおいしいごはんを食べることは、大切な習慣です。以前お伝えしたアペロ(食前酒の時間)もそのひとつ。

外食ももちろん人気で、記念日やバレンタインには有名シェフのいるレストランへ足を運んだり、週末には友人や同僚たちとカジュアルなタパスバーへ出かけたり。暖かくて天気の良い日や夏のバカンス期間には、カフェやバーのテラス席でドリンク片手に延々とおしゃべりをする人たちの姿が目立つのも、南欧ならではかもしれません。

©︎AsiaTravel / Shutterstock.com

そんな食を通した娯楽が制限されている現在、どんな美食がトレンドとなっているのでしょうか?

平日の夕食作りは、人気シェフと!

冒頭でも触れましたが、ここフランスでは長期間に渡り、外食することができません。日々の食事作りのストレスと、どう向き合えば···?

シリル·リニャックシェフのインスタグラムよりスクリーンショット

そんななか、2020年春の外出禁止(ロックダウン)中にスタートしたのが、超人気シェフのシリル·リニャックが仕切る料理番組です。日本ではそれほど知名度の高くないリニャックさんですが、パリに自身のレストランやパティスリーをいくつも構え、テレビや雑誌で大活躍中のカリスマシェフです。しかも、ダンディーな超イケメン!

さて、この料理番組、何がおもしろいのかというと···。

フランス人が一般的に食卓を囲む20時に合わせて、平日18時40分からテレビの全国放送でスタート!  あらかじめリストアップされた材料を視聴者が用意して、その日のメニュー2品をリニャックさんと一緒に作るという趣旨の番組です。

シェフが提案する1月の家庭料理メニュー

マグレカナール(鴨胸肉のステーキ)は家庭でもビストロでも定番のメニュー

2021年1月の献立の一例を挙げてみましょう。

1月11日/前菜:アーモンドとクミン風味のかぼちゃのスープ、メイン:西洋ネギと魚介類のグラタン
1月12日/前菜:半熟卵をのせたレンズ豆のサラダ、メイン:鴨ステーキのフルーツソース添え
1月14日/メイン:マッシュルームオムレツの白ワインクリーム添え、デザート:カシスジャムとマロングラッセ入りのフィナンシェ

フランス菓子のフィナンシェ。しっとりした食感が魅力

コロナ禍が長引くとともに、現在はどこの国でもオンライン教室が増えていますが、スタートした当時はフランス中で話題になりました。

「身近な材料で手軽においしいものが作れる」「少し目先の変わったものが食べられる」、しかも“受講料無料”と、良いことづくめ。筆者がクリスマスにフランス人家族·親戚と集まったときにも、この番組の話で盛り上がりました。※番組は一旦終了、もうそろそろシーズン4がスタートする見込み。

ごはん作りの助っ人・調理ロボット

ハレの日はもちろん、ケの日だってラクしておいしいものが食べたい! そんなリクエストに応えてくれるのが、材料を入れるだけで、下ごしらえから調理までを行う調理ロボット(自動調理器)です。

計量から煮炊き、パンやお菓子作りまでをこなす調理ロボットの一例
©︎sweetsholic

共働き世帯の多いフランスでは、以前から人気の高い家電でしたが、コロナ禍でその人気が加速。米マーケティングリサーチ会社の調査によると、コロナ禍での調理ロボット人気は、フランスだけでなく世界的なトレンドのようです。

ここ南仏では、スーパーや家電量販店で目にする機会が増え、書店では調理ロボットを使ったレシピ本コーナーがより充実するようになりました。

書店のレシピ本コーナー、南仏トゥールーズにて
©︎sweetsholic

使い方次第では、レストラン顔負けのメニューもできるので、本当に便利。我が家にも1台ありますが、調理ロボットを導入してから毎日の食事作りにパンやお菓子作りもだいぶラクになりました。

このほか、格式高いミシュラン星付きレストランの料理が一部テイクアウト&デリバリーで味わえるようになったり、これまでは挑戦したことのないエスニック料理を家で作る人が増えたり···。

現在は飲食店再開のメドがまだ経っていませんが、身近なところでも食のトレンドは生まれています。今後はどんな形で進化していくのか? 食を愛するフランス在住者のひとりとして、これからも注目していきたいと思います。

[nouveautes-tele.com]
[globenewswire.com]
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ライター/パティシエ/ときどき通訳

海外を放浪しながら気ままな人生を謳歌しているフリーライター、パティシエ。現在の居住地は南フランス。海外のライフスタイルや、各国で学んだお料理などをみなさまと共有できればと思っています。 世界の文化とスイーツ、地中海料理、マレーシアが大好き。

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