POSTED BY ひつじ掲載日 OCT 29TH, 2021

持続可能な旅の姿とは?川越の「古民家ゲストハウス」で触れた人との繋がり

近年注目されているSDGs(持続可能な開発目標)。さまざまな企業や自治体が独自の取り組みを行うなか、旅のあり方も変わりつつあります。現地の文化や資源の保全、そしてそこに住む人々の生活も豊かになるように考えられた「持続可能な旅」。そんなニューノーマルな旅を体験するべく、世界最大級の旅行コミュニティプラットフォーム『Airbnb(エアビーアンドビー)』を使って、埼玉県川越市にある築100年以上の古民家ゲストハウス『ちゃぶだい』に宿泊しました。住人だけでなく訪れる人にも愛され続ける街・川越には、「持続可能な旅」にふさわしい魅力がたくさんありましたよ。

目次

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「持続可能な旅」とは?

国連世界観光機関(UNWTO)によると、「訪問客、産業、環境および訪問客を受け入れる地域のコミュニティの需要に適合しつつ、現在および将来の環境、社会文化、経済への影響に十分に配慮した観光」と、持続可能な旅が定義されています。

つまり、「旅先の地域文化や環境、資源を大切にし、その地に住む人々のことも配慮した上で、旅行者も楽しめる旅行の形」ということではないでしょうか。

ということで、そんな「持続可能な旅」に興味を抱いた筆者は、宿泊施設を貸し出したい人(ホスト)と宿泊先を探す利用者(ゲスト)を結ぶサービス『Airbnb(エアビーアンドビー)』で旅先探しをスタート。以前から気になっていた、埼玉県・川越市にある宿探しを始めたというわけです。

ちなみに、『Airbnb(エアビーアンドビー)』では宿泊先が決まると、ホストとメッセージで直接やりとりが可能になります。今回は築100年以上の古民家をリノベーションしたゲストハウス「ちゃぶだい」での宿泊を決めましたが、事前に宿のコンセプトや具体的なアクセス方法、周辺環境などを丁寧に教えてくれました。オンラインで手軽にコミュニケーションが取れるので、余計な心配をせず当日を迎えられますよ。旅の計画を立てる時に、周辺の観光情報を聞いてみるのもいいかも!

築105年の古民家ゲストハウス『ちゃぶだい』(川越市・三久保町)

今回筆者が訪れたのが、本川越駅(西武新宿線)から徒歩約13分、川越市・三久保町の閑静なエリアにある古民家ゲストハウス『ちゃぶだい』です。築105年の長屋をリノベーションし、2018年11月にカフェ&バーとして開業。2019年1月より宿泊施設として営んでいます。

大手通信社から「ちゃぶだい」のホストへ転身

杉永 悠々さん(左)/西村 拓也さん(右)

ホストの西村 拓也(にしむら たくや)さんは、元々大手通信会社の経営企画室に所属していたそうです。数年間の勤務を経たのち、地域や人に関わる多様な働き方がしたいと思い、退職。その後、川越市が行っている地域再生のワークショップ「まちづくりキャンプ」に参加し、そこで出会った戎谷 美野里(えびすだに みのり)さんと、田中 明裕(たなか あきひろ)さんの2人と一緒にこの『ちゃぶだい』を開業したそう。

「ニッシーと呼んでください!」と、物腰柔らかく、気さくな人柄で、初めて訪れた筆者も親近感を覚えることができました。

そしてお隣の女性は、『ちゃぶだい』でヘルパーを務める杉永 悠々(すぎなが ゆゆ)さん。彼女は現在大学生で国際観光学を専攻しており、まちづくりや地域活性化について学んでいるそう。ふんわりとした優しい笑顔で迎え入れてくれました。

歴史と現地文化を想わせる館内

こちらの建物はかつて肥料問屋として使われており、その役目を果たした後は、川越まつりで三久保町の山車が出る年のみ、お祭りの会所として使われていたそう。神様をお迎えする場所であるこの建物は、地元の人たちの大切な場所だったそうですよ。

肥料問屋の看板をはじめ、川越の歴史を想わせるモノ・コトが多く残されています。現代でも使いやすいようリノベーションされつつも、かつての様子や伝統を肌で感じることができるのはうれしいところですよね。

8畳の和室には大きなちゃぶ台が置かれ、宿泊者が集うゲストラウンジとして活用されています。景色や匂い、館内の雰囲気から伝わるアットホーム感。初めて来たのに、どこか懐かしさも感じますね。

ゲストラウンジの横には、宿泊者が自由に利用できるキッチンも。棚に並べられたマグカップや茶碗、トースター、炊飯器も使用可能。食べ物や飲み物の持ち込みもOKとされているので、生まれ育った自宅のように、気構えることなく寛ぐことができるのです。

この時も、炊飯器の保温機能が稼働していました。なんでしょう、この生活感。とっても落ち着きます。

こちらは2階にある客室。3人用の6畳一間とされ、棚や襖などがそのまま残されており、歴史を感じさせる温かい雰囲気が漂っていました。

天井には「和紙のふるさと」でお馴染みの、埼玉県比企郡小川町の和紙を使用した壁紙が貼られていましたよ。

この隣には女性専用のドミトリーがあり、1階のドミトリーと合わせて合計で3室・11人までが宿泊可能となっています。

複数の地域住民がオーナーを務める古本屋&中庭も

ゲストラウンジを出ると、風情を感じる廊下が。この風景を見られる機会も少なくなってきましたよね。日本の古き良き文化にどっぷり浸かれる、これぞ古民家の醍醐味の1つ!

廊下を進むと、古本が並んだ部屋を発見。

こちらは、もともと8人用だった男女混合ドミトリーを半分の4人用とし、空きベッドを古本屋として活用しているそう。区画ごとに出店者が異なるので、さまざまなジャンルの古本が並べられています。普段は手に取らないような本にも出会えるかも? ここにある古本は実際に購入することも可能ですよ。

部屋を出ると、正面には緑が生い茂った美しい中庭が広がっていました。照明に照らされ、幻想的な雰囲気が漂います。また、朝にはここで食事を摂ることも可能ですよ。

地域住民も集うバーでの交流も

荷おろしが落ち着いたところで、併設されたバーで1杯飲むことに。店内では地元の人が数名、仕事終わりの晩酌を楽しんでいました。

バーでは地元の人が作った雑貨も販売されています。地元農家さんが採ってきた野菜を売ることもあるそうですよ。ただの飲みの場としてだけでなく、地域の人との交流の場にもなっているんですね。

こちらは川越出身のマスター・コータさん。近所の居酒屋『すずのや』で働きながらこちらの1階部分を借りて、週3日自分のお店を開いているそうです。いずれは川越に自身の店舗を構えるのが夢なのだとか。

ということで、コータさんおすすめの「サンシャインハイボール(税込500円)」と、川越発祥の「コエドビール/マリハナ(税込600円)」で乾杯!

料理はマスター自慢の「じゃがいもと紅あずまのポテトサラダ(税込400円)」と、人気の「ザクザク塩麹唐揚げ(税込600円)」の2品を注文しました。

珍しい、サツマイモが入ったポテトサラダ。豊かな風味と優しい甘さ、そしてベーコンの塩味などがバランスよくマッチしています。お酒が進む〜。

鶏肉の唐揚げはモモとムネが2個ずつ。商品名通り、ザクザクの食感とほどよい塩味で、何個でも食べたくなるおいしさが広がりました。これは人気なわけだ・・・!

するとここで、マスターとニッシーさん、そして飲みに来ていた人たちはみな知り合い同士という事実が判明。にっしーさんが、川越に馴染みが薄い筆者を皆さんに紹介してくれたので、自然にコミュニティの一員になれたような気分になれました。

中央に座っている近藤 浩正(こんどう ひろまさ)さんは、ここの常連なのだそう。仕事の帰り道に『ちゃぶだい』の前を通るので、いつもふらっと寄っては夜の時間を楽しんでいるとのことです。もともとは都内に住んでいたそうですが、数年前に川越に移住してきたのだとか。

近藤さんに、「川越のいいところってなんですか?」と尋ねると、「川越は、東京に一番近い地方都市なんです」と一言。「観光地として栄えていながら、駅から少し歩けばまったく違う風景が広がる。いい塩梅に都会と田舎がミックスされていて、とても住みやすいですよ」と語ってくれました。

また、「川越の人は外からどんどん人がやってくるのに慣れているから、初対面の人と話すのにも慣れっこなんです。」と、地元の人たちが温かい理由まで語ってくれました。確かに、『ちゃぶだい』でも感じたこのアットホーム感は、ただ古民家だからというだけではなく、そこにいる人々の温かさもプラスされた上で生み出されているのかもしれませんね。

地元の人しか知らないおすすめ店もこっそり教えてもらえます

バーには素敵な料理が並びますが、「もう一件行きたい」、「シメで何か食べたい」という場合は、川越を知り尽くしたニッシーさんが近くのおすすめ店を教えてもらうこともできますよ。さらに、効率の良い街の巡り方やおすすめ観光ルートも教えてくれるので、翌日もスムーズで濃密な1日を過ごすことができるというわけなのです。

今回教えてもらったのは下の通り。このほかにもたくさんおいしいお店があるので、気になった人はぜひニッシーさんに聞いてみてください。

おいしいお酒とおいしい料理、そして楽しいお話でお腹も心も満足。みなさんとあいさつを交わし、布団を敷いて眠りにつくことに。ふかふかの布団は優しく身体を包み込んでくれ、あっという間に夢の中へ旅立てました。

ちなみに、筆者は今回歯ブラシを忘れてしまい、最寄りのコンビニまで買いに行こうとしていましたが、「そんな遠くまで行かなくても大丈夫ですよ〜」と、100円(税込)で購入できました。スマートなおもてなしにも感動です。

朝日を浴びながら中庭で朝食

前日の雨空はすっかり消え、気持ちの良い秋晴れで迎えた翌朝。

太陽の光を浴びようと外へ出てみると、前日には見られなかった『ちゃぶだい』のもうひとつの表情を垣間見ることができました。105年の時を感じさせる、圧倒的な存在感。あまりの快適さに忘れかけていましたが、あらためて古民家での宿泊を楽しんでいることに気が付かされました。

中庭に移動すると、朝食が運ばれてきましたよ。

川越で約250年続く松本醤油が使われた炊き込みご飯と、オクラのお味噌汁の朝食セットです。地元の食材を活用しているところもうれしいポイント!

澄んだ空気と豊かな緑に囲まれた空間でいただく食事は格別・・・! 優しい味わいが口の中にゆっくりと広がっていくのがわかります。量も食べ切りサイズでちょうど良い。朝食をお願いしておいて良かった〜!(朝食はチェックイン時に+500円でオーダーできます。)

朝食はゲストラウンジやカフェ&バーラウンジでいただくこともできますが、晴れている日はぜひ中庭で食べることをおすすめします。

また、中庭には畑も設けられており、季節によってさまざまな野菜が採れるそうですよ。

そしてこちらはレンタルスペースとして利用できる「ちゃぶの間」。ワークショップやテレワーク 、ポップアップショップの出店、撮影などに活用できるそうです。宿泊者限定で、「ちゃぶの間」をワークスペースとしたワーケーションプランも用意されていますよ。のどかな空間で取り組めば、一層仕事がはかどりそうですよね!

ガイドブックにない「街の魅力」に触れることも

食事や身支度を済ませ、いよいよチェックアウトの時間がやってきました。

最後に、2日間お世話になったニッシーさんとゆゆさんに、川越の良さ、そして『ちゃぶだい』の良さについて伺うことに。

― 川越の良いところは?

ニッシーさん「まずは立地ですね。都心から1時間もあれば来られますから。それから、発展と自然のバランスが取れているのも良いところだと思います。駅前は発展している一方、少し歩けばこういう風な歴史ある街並みや自然が豊かな空間に出会うこともできる。地域ごとにちゃんと成り立っていて、地元の人はみんなそれが好きなんです。だからその良さを知ってほしいと思っていて、訪れる人にも優しく接したくなるんだと思います」

ゆゆさん「人との繋がりが感じられるのはすごく良いところだと思っています。川越の人はみんな川越が大好きだし、その気持ちが街の活気の良さにも現れている。そういった横のつながりがあるからこそ、心地良いアットホーム感が生まれていると思います」

―『ちゃぶだい』の良いところは?

ニッシーさん「川越に住む人や訪れた人の玄関口になれることですね。日常と非日常が混ざり合う川越には多くの人が行き交いますが、『ちゃぶだい』はその人たちを繋ぐ一つの場所だと思っています。地元の人たちは併設しているカフェやバーに立ち寄り、旅行者はゲストハウスに宿泊。そうして自然とコミュニケーションをとる機会が生まれたらうれしいですね。近所の人の日常が豊かになるようにという思いを持って運営しているので、川越に関わるすべての人に寄り添った空間でありたいです」

ゆゆさん「初めて川越に来る人や、初めてゲストハウスに泊まる人には特におすすめです。川越の中でも特にアットホームな雰囲気が感じられる場所なので、本当に川越の玄関口にふさわしいと思います」

川越には「持続可能な旅」のヒントが隠れていた

川越が多くの人に愛される理由。それは、観光地でありながら日本の伝統文化を体験できる場でもあり、同時に川越を愛する人々の温かさにあふれているからではないでしょうか。ここで生まれ育った人は、自らが語り部となって川越の魅力を伝え、保全に努める。一方、他の場所から訪れた人は、その優しさに触れて、川越をもっと好きになる。そういった人と人とのコミュニケーションが取りやすい空気が醸成されているところが、川越の心地良さにつながっているのだと、この旅を通して感じました。ニューノーマル時代に求められる「持続可能な旅」のヒントが、川越にはある気がします。

いく先々でこのような体験ができたら、「また旅をしてみたい!」と思えそうですよね。『Airbnb(エアビーアンドビー)』ではこのほかにも、たくさんの「持続可能な旅」にふさわしい宿泊先に出会うことができます。旅行の計画を立てる参考にしてみてくださいね。

>>>Airbnb(エアビーアンドビー)の記事はこちら

古民家ゲストハウス『ちゃぶだい』
住所:埼玉県川越市三久保町1-14
アクセス:
本川越駅 (西武新宿線)より約徒歩13分
川越市駅 (東武東上線)より約徒歩15分
川越駅 (JR/東武東上線)より約徒歩25分
料金:1人1泊3,800円〜(詳細は公式HPでチェック!)
公式HP:https://chabudai-kawagoe.com/
Airbnb公式HP:https://www.airbnb.jp/

Airbnbで『ちゃぶだい』を予約する
https://www.airbnb.jp/rooms/31372113

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ひつじ
ヒツジ/ライター

韓国ドラマにハマったことがきっかけで、韓国文化全般に興味津々。推しドラマは「太陽の末裔」、「星からきたあなた」。絶賛おすすめ募集中です。あと、ほどよく辛くておいしいものが好きです。

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