ワクチン接種が急速に進むニューヨーク

ニューヨークでは、2020年12月から高齢者や医療従事者を対象とした、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。世界最大の感染都市となったニューヨークでは、ワクチン接種で一気に感染率を下げるべく、"Vaccinate New York（ワクチン接種しよう、ニューヨーク）"をキャンペーン中です。

現在3種類のワクチン接種が受けられる

 現在のニューヨークで取り扱われているワクチンは下の3種類です。

• ファイザー（Pfizer）
• モデルナ（Moderna） 
• ジョンソン・アンド・ジョンソン（Janssen/Johnson & Johnson）。

オンライン予約の際に、該当の接種会場でどのワクチンが使われているのか明示されており、自分の希望するワクチンを選ぶことができます。

保険の有無に関わらず無料

ニューヨークでは、保険の有無や滞在資格に関わらず、無料でワクチン接種が受けられます。誰もが経済的負担を心配することなく接種可能ということです。

対象者拡大が進むワクチン接種

ニューヨークでは、ワクチン接種対象枠が急激に拡大されました。2021年4月1日現在、「30歳以上」の一般住民の接種が可能とされています。

16歳以上なら誰でも接種可能に（要事前予約）

また、2021年4月6日（火曜日）からは「16歳以上」が接種可能となる予定で、これでニューヨークでは成人全員がワクチン接種可能となるのです。

75歳以上は予約なしで接種可能な会場も

接種可能な施設を探すのに、何度もアクセスする必要がある複雑なオンライン予約は、高齢者には気重であり、接種の意欲が失せるシステムです。そこで、24時間オープンの3会場（ブルックリン区のアーミーターミナル、クイーンズ区のメッツ球場など）では、75歳以上のニューヨーカー及び付き添い者（付き添い者の年齢は不問）は「予約なしで接種可能」とされ、高齢者の接種率を上げようとしています。

参照記事
Vaccine For All: Walk-Up Vaccinations Now Available For New Yorkers Age 75 and Older Plus One Eligible Escort at Brooklyn Army Terminal, Bathgate, and Citi Field Mass Vaccination Sites - NYC Health + Hospitals　Mar 29, 2021

臨時接種会場も増設

ワクチン接種率の増加に力を入れているニューヨークでは、接種会場の臨時施設が増設されました。

ニューヨーク州では、教会を接種会場に提供するよう呼びかけています。教会信者が集まるため、幅広い多くの人にワクチン接種ができるからです。教会信者は高齢者も多く、教会主催であれば足を運びやすいという理由もあると思われます。

ニューヨーク郊外には、マイカーに乗ったまま接種が受けられるドライブスルー型接種会場も。

また、マンハッタンにある大型コンベンションセンターのジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター（Jacob K. Javits Convention Center）も接種会場になりました。他に、ヤンキースタジアム（ブロンクス住民のみ）や、メッツ球場（クイーンズ区住民のみ）なども臨時会場としてオープンしています。

これら大型会場は接種対象者を地域住民のみとしていますが、その理由は、他の地域住民が押し寄せ（主に白人）、地域住民がワクチン接種を受けられない事態が起こったから。筆者が住む地域の接種会場付近でも、普段見かけない白人を多く見かけました（実際の住民は中国をはじめとするアジア系、スペイン語圏住民が多い）。

参照記事
米、コロナワクチン接種の進捗で人種差　白人に偏る傾向　-　日本経済新聞　2021年2月1日 6:20

接種率75%を目指すニューヨーク

ニューヨークでは、少なくとも人口の75％がワクチン接種を受けることが必要とされています。2021年4月1日現在のデータでは、NYCを含むニューヨーク州全体で完全接種率は18.5％、3,693,656名（1回目のみ済ませた人も含めると31.0％、6,192,319名）。

ニューヨークはアメリカで最も多くの人種が集まる場所。宗教や考え方も異なりワクチン接種に賛否もあります。それでも、感染拡散を防ぐため皆が前向きに取り組むようになるといいですよね。筆者はすでに１回目の接種を受けましたよ。

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All Photos by New York State Gov

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	青山沙羅 アオヤマサラ／ライター
	はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日（PIE International、2020年3月）』。 著者のプロフィールを詳しく見る

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