POSTED BY onair_admin掲載日 AUG 10TH, 2026

9月に迫るサプリメントGMP義務化。健康被害を契機に進む品質管理の転換

食の欧米化とともに、日常で不足している栄養素をサプリメントで補うという習慣は現代では一般的となった。末端商品ベースで約1兆円規模へと拡大したサプリメント市場だが、2026年9月、これまでのトクホ(特定保健用食品)の錠剤・カプセル等のサプリメント形状製品に加えて、機能性表示食品のうち、錠剤、カプセル剤、粒状など、サプリメント形状の製品についても「GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)」に基づく製造管理が消費者庁によって義務化される。2024年に発生した健康被害問題を契機に品質管理体制の見直しが進められていたのが今回の背景にある。
7月16日、一般社団法人国際栄養食品協会(AIFN)主催による「GMPシンポジウム2026」では、本制度の詳細が説明された。その後、国際認証機関NSFのをはじめとした、国内外の専門家による義務化の背景や国際的な品質管理のあり方など、制度改正を巡っての議論が交わされた。

目次

GMP義務化の背景

GMPとはそもそも、医薬品の製造において、定められた品質規格に適合することを確認するだけでなく、製造する過程についても適切に管理し、品質の良い優れた医薬品を恒常的に製造するための要件であり、1963年に米国にて制定されたものである。サプリメントにおいては、1994年に同国でのDSHEA制定を経たのち、2000年代にサプリメント向けcGMP(current Good Manufacturing Practice)が義務化された。

一方、日本では医薬品には薬機法に基づきGMPが義務付けられてきたが、サプリメントは食品であるため、これまで任意の認証制度にとどまっていた。

制度見直しの契機となったのが、2024年の小林製薬紅麹関連製品による健康被害だ。消費者庁の検討会では、届出内容だけでなく製造工程そのものの品質管理を強化する必要があるとされ、2026年9月以降はサプリメント形状の機能性表示食品を対象にGMPが義務化されることとなった。

一般社団法人国際栄養食品協会(AIFN)天ヶ瀬晴信 理事長は、「元来、品質においては信頼性が高い日本においても、GMPの徹底は必須である」とし、今回の制定によって業界全体の信頼回復の一助としていくと考えを示した。

義務化による変化

現在の日本において、サプリメント形状の機能性表示食品を含む健康食品の類は、販売会社が受託加工企業に製造を委託するケースが一般的だ。GMPに基づく製造管理の義務化によって、製造企業は原料の受け入れから製造、品質試験、出荷までの各工程を適切に管理し、従来よりも製造工程全体を通じた品質保証が重視されることになる。

消費者にとっては、製品そのものの品質だけでなく、製造工程全体の管理体制が強化されることで、より安全性や品質の安定性が担保された製品を選びやすくなることが期待される。

一方、義務化への対応にはコスト面の課題もある。先例である、米国ではcGMP対応に伴い受託製造費が約10%上昇した事例が紹介され、国内でも分析法の開発や品質保証体制の強化、人材確保などに伴うコスト増が見込まれるとの指摘も挙がった。特に多品種少ロット生産を行うメーカーでは、その負担は小さくないという。

しかし、登壇者らは、こうした負担は製品の安全性や品質を担保し、消費者からの信頼を維持するためには不可欠な投資との認識を示した。さらに、国際市場で受け入れられるためには、国際水準のcGMPへの対応が日本企業の競争力強化にもつながると指摘した。

品質を追求するニュートリライト™のcGMP

GMPの本場である米国では、すでに数十年前から製造管理の基準として根づいている。なかでも、『アムウェイ(Amway)』が展開する「ニュートリライト™(Nutrilite™)」は、国内の義務化に先んじて品質管理を実践してきた歴史をもつブランドだ。原料となる植物の研究や種の選定から、自社認定農場での有機栽培、製造、品質管理まで、サプリメントができ上がるまでの全工程を一元管理する業界でも数少ないブランドであり、国内では日本アムウェイ合同会社が展開している。

アムウェイの栄養補助食品ブランド「ニュートリライト™」は、1934年に、植物由来の栄養素の重要性に着目したカール・F・レンボーグ氏によって立ち上げられた。自社農場で栽培した植物原料を中心に使用し、独自の厳しい基準による品質管理を実施。アンチ・ドーピング認証プログラム「インフォームドチョイス」をクリアしており、原料の栽培から製造までを一元管理する世界で唯一のサプリメントブランドとして、誕生から90年以上にわたり世界中で支持されている。

ニュートリライト™の品質エンジニアを務めるザラ・オスマニ氏は、ニュートリライト™の哲学を「品質は製造工程の最後に試験して確認するものではありません。品質は、製品がつくられる前から始まっているのです」と語る。

その中核を担う「Quality by Design(品質を設計する)」は、製品に求められる品質特性(水分量や含有量、均一性など)と、それを実現する製造条件(ブレンド時間や温度など)を設計段階で洗い出す。製造現場では300種類を超える品質試験を備えた試験室が、原材料の受け入れから最終製品の検査までを担っているという。

「品質の維持にはコストがかかりますが、それをおざなりにして健康被害が出ればそれ以上のリスクを負うことになる。結局のところ品質の低さは高くつくものです」とオスマニ氏。「GMPへの投資は、製品の品質、消費者の信頼、業務の卓越性、そして組織の長期的な成功への投資にほかなりません」と締めくくった。

GMP義務化が国産サプリメントの光明となるか

閉会の挨拶では、日本のものづくりがこれまで「性善説」の下で成り立ってきた面があるとした上で、トラブルを未然に防ぎ安全につくるための「性悪説」的な仕組みが、これからの日本にも必要になってくるとの見方が示された。

GMPの義務化は、最低限の基盤づくりの始まりに過ぎない。制度への適合を超えて品質を工程全体で追求する姿勢や、海外の認証制度との整合をどう図っていくかが、今後のサプリメント業界の信頼回復と国際競争力を左右することになりそうだ。


アムウェイ(Amway)
アムウェイは売上世界 No.1のダイレクトセリング企業*1です。ミシガン州エイダに本社を置き、世界100以上の国と地域で事業を展開しています。人々の、すこやかで、ゆたかな人生を切り開くサポートをすることを目指し、日常的に使用する様々な製品を提供しています。売上上位ブランドには、栄養補助食品の「ニュートリライトTM」(売上高世界 No.1*2)、スキンケアやメイクアップ製品の「アーティストリーTM」(外資系スキンケアブランド内の、日本売上TOP5*3にランキング)、キッチン用浄水器の「eSpringTM」(売上高世界 No.1*4)などがあります。

*1 2025年 Direct Selling News誌の Global 100ランキングに基づく
*2 グローバルデータ調べ:http://gdretail.net/amway-claims/
*3 2024年4月TPCマーケティングリサーチ株式会社調べによる
*4 2024年グローバルセールスに関するヴェリファイマーケット社調査に基づく


文・写真:土田洋祐

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