POSTED BY ノーヴィス編集部掲載日 APR 27TH, 2021
【コロナ化で加速するDX】ビジネスにも密接するAI・ディープラーニングの最前線とは
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「AI」などのキーワードを耳にする機会が増えましたよね。とはいえ。私たちの生活やビジネスにおいて、実際にどのように活用されるものなのか、また、どのような展望が期待できるのか、ピンときていない人も多いはず。そこで今回は、2021年4月7日(水)~9日(金)に東京ビッグサイト 青海展示場で開催された『第5回 AI・人工知能 EXPO 春』での「松尾 豊」さんによるセミナーの模様を紹介します。
ますます身近になるDX
2021年春、横浜市が子どもを保育所に入所させたい人からの申請に対して、光学文字認識(AI-OCR)と、ロボットによる業務自動化(RPA)を導入したことで話題を呼びましたよね。これまで課題とされていた「大量の帳簿処理」をAIで解決。NTTデータによる導入効果の検証では、約500時間の業務削減が可能であることが認められ、かつ、データの連携強化によって市民への対応スピード向上も果たせるというものです。
このようなAIを用いたDXは技術開発とその活用が急速に推進され、私たちの生活はもちろんビジネスシーンにおいても事業拡大の一つのカギになってきていることは間違いありません。DXはスウェーデンの大学教授「エリック・ストルターマン」が提唱した『人間の生活に何らかの影響を与え、進化し続けるテクノロジーであり、その結果、人々の生活がよい方向に変化する』という定義も広く知られていますよね。
今回、第5回 AI・人工知能 EXPO 春のセミナーに登壇した「松尾 豊」さん(東京大学大学院 高額系研究科 教授)のお話にも、「DXのAI・ディープラーニング活用」が多く例に挙げられました。
DXの推進にはAI・ディープラーニングがカギを握る
「データの重要性・デジタル化の重要性に目を向けられて久しいですが、先端のAI技術(ディープラーニング)が加わることでさらなるイノベーションが起こると考えています」
「とはいえ、特に日本ではこのAI・ディープラーニングのどのように業務やビジネスに取り入れていくか?が課題になっていますよね」と松尾さん。
また、体表温の測定における人物の認識や、ワクチンの開発時における候補物質の取り出しなど、コロナ禍において注目されるAI・ディープラーニングの活用例のほか、キユーピーによる食品素材の外観検査・不良品の検知や、日立造船による熱交換器の非破壊検査システム(第2回ディープラーニング活用アワード受賞)の導入など、さまざまな業界でAI・ディープラーニングを用いたDXが推進されている例も挙げられました。これまで作業者が目視・手作業で行っていた業務を自動化することによって、業務効率化と精度の向上が実現されているというわけですよね。
企業のDX推進を支えるのはあくまでも人
前述のほかにも、農業においての収穫や農薬散布への活用や、水産業においての養殖時の給餌コントロール、エンターテインメント業界においての静止画を基にした動画制作など、さまざまな分野でAI・ディープラーニングを活用したDXの推進が加速しているようです。一方で、それらを担う人材の確保・育成・マインドセットの必要性も声高に訴えられるようになってきているのです。
そこで注目したいのが、今回セミナーを担当した松尾 豊さんが理事長を務める(一社)ディープラーニング協会です。人材育成に注力する同会では、2017年からG検定(ジェネラリスト向け)とE資格(エンジニア向け)の2種類の資格試験を運用しているそう。いずれも受験者数が急増していることを鑑みても、AI・ディープラーニングへのリテラシー向上意欲が高まっていることもわかりますよね。
また、約3万人が参加する同試験合格者のコミュニティも注目されています。各企業の担当者同士の有益な情報交換の場としても好評を得ているそう。職場でDX領域を担う人は、同試験の受験やコミュニティへの参加を検討してみるのもいいかもしれませんよね。
さらに、日本ディープラーニング協会では、2021年5月6日(木)10時より、間口を広げた新講座「AI For Everyone」も開設予定としています。ビデオ形式のオンライン講座にて、AIに関する基礎概念や活用イメージを習得できる内容とされていますよ。
「今後もディープラーニングは大きく進展し、さまざまなイノベーションが続いていくはずです。一方で、社会全体では、自分たちの仕事にどう活用できるのか・新しい付加価値にどのように繋げていくのか、を考えることが重要になってきます。そのためには、DXを取り入れる企業全体でリテラシーのレベルを上げていくことが大切です」と、松尾さん。
私たちの暮らしをより良い方面に変化させるためにも、トレンドのキャッチ共有を意識し実践することが大切なことなのかもしれません。その足掛かりの一つとして、新たに開設される「AI For Everyone」に参加してみるのもいいのではないでしょうか。特に続くコロナ禍において、業務の効率化や働き方改革に欠かせないDX推進をより深く理解できるはずですよ。
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