POSTED BY 北川菜々子掲載日 DEC 22ND, 2020

【世界のニューノーマル最前線・パリ】例年通りでなくてもパリジャンのクリスマス

2020年の今年は新型コロナウイルス感染症の拡大で、フランスでも例年とは違うクリスマスを迎えることになりそうです。12月15日にロックダウンは解除されましたが、パリ恒例のクリスマスイベントはどうなるのでしょうか？現地からパリのクリスマス事情をルポします。

クリスマスマーケットは中止

フランスのクリスマスシーズンで最も人気のイベントといえば、マルシェドノエルと呼ばれるクリスマスマーケット。パリでは、毎年チュイルリー公園やデェファンスで開催されています。屋台でホットワイン、ホットショコラ、クリスマスビールを楽しみ、クリスマス菓子やグッズを買う。そんなお楽しみの詰まったクリスマスマーケットは、2020年はほとんどの地域で開催中止となりました。

大人だけでなく子どもたちが大好きなイベントのひとつなので、仕方ないとはわかっているものの、「残念・・・」と嘆く声が多くありました。

デパートのクリスマス仕様の飾り付けは？

パリのクリスマス恒例といえば、デパートのクリスマスショーウィンドー。ハイブランドとコラボしたりと、フランスらしいセンスが光るクリスマスショーウィンドーはパリの風物詩のひとつとなっています。

ショーウインドーの中が小劇場に変わり、人形たちが動き出すなど、楽しい仕掛けがいっぱい。2020年も例年通りデパートのショーウィンドーはクリスマス仕様の飾り付けが行われています。

まるでおとぎの国のような幻想的な雰囲気を醸し出すと有名な、老舗デパート・ギャラリーラファイエットの巨大クリスマスツリー。こちらも昨年と同じく健在です。

いつもならクリスマス前は買い物客でごった返すデパートですが、今年は人々の足も遠のいています。それでもデパートを訪れた人は、例年通りのクリスマス仕様に、楽しそうに写真を取り喜びの表情浮かべているのが印象的でした。

シャンゼリゼ通りのイルミネーション

パリで有名なクリスマスイベントのひとつはシャンゼリゼの通りのクリスマスイルミネーションです。毎年11月に有名人が招かれる点灯式が盛大に開催されるのですが、2020年はロックダウン中ということもあり、ライブ配信されました。インターネット上で登録すれば、自分の電球が割り当てられ、ボタンを押すと点灯できるという粋なオンラインイベントに世界中から多くの参加者があったと話題になりました。

クリスマスシーズンは多くの人で賑わいますが、今年は人通りが寂しいシャンゼリゼ通り。しかし、赤いイルミネーションに元気付けられるようだと語る人もいました。

街のイルミネーション

シャンゼリゼ通り同様、パリの街のクリスマスイルミネーションは、例年通り行われています。筆者の住むパリの郊外の街では、市役所前に毎年クリスマスイルミネーションが設置されます。10月末からロックダウンに入ったこともあり、今年は無理かもと思っていたところ、無事に開催されていました。

街の子どもたちが毎年楽しみにしている市役所前のクリスマスイベント。たくさんの笑い声の中、子どもたちは目を輝かせながら、昆虫たちが集う幻想的な光の世界に足を踏み入れていました。コロナ渦で子どものたちにとっても制限の多い毎日。笑顔と喜びに満ちた子どもたちの様子を微笑ましく見守るフランス人の姿が印象的でした。

夜間外出禁止令が導入されており、コロナ渦の真っ只中にあるパリのクリスマス。例年通りというわけにはいきませんが、昨年と変わずイルミネーションが灯されている景色を見ると不思議に安堵と心強さを覚えます。

All photos by Nanako Kitagawa