NYCでは感染拡大防止のため店内飲食全面禁止（2020年12月14日から再実施）

ニューヨーク市では、2020年12月14日から感染拡大防止のため、店内での飲食が全面禁止になりました。ロックダウンを経て、2020年9月30日から最大収容人数の25％を上限に店内飲食が再開していたものの、感染拡大の原因のひとつになっているとされ、再開からたった２カ月半で再び禁止となったのです。

2020年12月下旬現在はテイクアウト、デリバリー、アウトドア・ダイニング（屋外飲食）のみ営業が許可されています。

アウトドア・ダイニングが外食の標準へ

アウトドア・ダイニングが始まったのは、2020年6月22日の経済再開第2段階からで、店先の歩道や車道を利用した即席テラス席が許可されました。ロックダウン以来、店内飲食が全面禁止だったため、レストランを救済するための措置でした。ただし立地条件もあり、地下階や２階以上にある店など全レストランが対応できるわけではありません。ファミリーレストランのような席数が多いところは、屋外だけでは採算が合わず苦戦中。

アウトドア・ダイニングの立地要件

アウトドア・ダイニングについては、ニューヨーク市に申請をし、ガイドラインを満たす必要があります。下記の図と条件、詳細はニューヨーク市の公式サイトを参照してください。

歩道の利用条件

• 椅子やテーブルはレストランの壁沿いに設置
• 歩道の座席エリアは、レストランの店前範囲の歩道を超えてはならないなど

道路の利用条件

席から道路に向いている三方向すべてに、プランターや同じサイズ・重さの物体などの保護バリアを立て、ダイニングエリアと走行車線を分離。バリアは幅18インチ（45.72cm）、高 さ 30〜36インチ（76.2〜91.44cm）以上で、ドライバーの視界を確保し、レストラン利用者を保護する必要があるなど

■参照記事
Open Restaurants　 NYC Gov

NYCのアウトドア・ダイニングってどんな感じ？

NYCのアウトドア・ダイニングは、気候が良い初夏から夏の終わりまで、店先のテラス席やバックヤードにテーブルを用意する夏の風物詩でした。

ところが、コロナ禍の措置でアウトドア・ダイニングは外食の標準になり、半永久的的に続くことになりました。NYCは観光都市のためレストランは星の数ほどあり、各レストランは生き残りをかけて、人々が魅力を感じる空間を創り上げています。どのようなものがあるか簡単にご紹介しますね。

ニューヨークの都会らしさを残したアウトドア・ダイニング

NYCの最高級のデパート バーグドーフ・グッドマンのアウトドア・ダイニング。自社デパート前にテーブルを出していますが、ゆったりかけられる一人がけの黄色のソファや年配のサーバーなど、老舗店のゆとりを感じます。

2020年12月現在はホリデーウィンドウが見られるよう、アウトドア・ダイニングは撤去されています。

人気のバブル・テント

見た目が可愛らしく、NYCで人気のバブル・テント。泡のように見えることから、バブル（泡）のテントと呼ばれているようです。工事の必要がなく、折りたたみ可能なので、店側にとっても便利。

アウトドア・ダイニングの長所

屋外で食事をするアウトドア・ダイニングの利点とは。

都会で自然を楽しめる

屋外に設置し、走行車線と分離する必要があるので、花やグリーンのプランターで目隠ししていることが多いです。都会にいながら自然が溢れた雰囲気を楽しめますよ。

季節感を楽しめる

季節の風や空気を感じて、リラックスできます。

プライベートを保てる個室タイプも

プライベートを保てる個室タイプのバブル・テント。他人に内輪話も聞かれることなく、心ゆくまで話せるのが魅力。

アウトドアダイニングの短所

屋外で食事をするアウトドア・ダイニングの欠点とは。

季節や天候に左右される

初夏から秋の気候の良い日は、気持ちの良いアウトドア・ダイニング。しかしながら、ニューヨークは北国で冬は氷点下になります。

雨の日

雨の中でも外食したい人もいるようですが・・・。

雨が漏ってくることも

天井や壁の隙間から雨が漏り、車道の舗装状態が悪いこともあり、足元がびしょびしょに。

雪見ダイニング

青森と同じ緯度の北国ニューヨークの冬は、氷点下になります。雪を見ながらの食事はロマンティックですが、正直かなり寒そうです。暖房はついているものの、利用客はマフラーを巻き、コートを着たまま食事をしていました。

また、積雪警報（Snow Alert）が出た時には利用不可。

積雪警報が発令されている間:
・顧客はアウトドア・ダイニング利用不可。テーブルと椅子は撤去するか、要固定
・車道のアウトドア・ダイニングの電気ヒーターはすべて要撤去
・積雪警報が終わるまでは、頭上のカバーを取り外すか、定期的に除雪が望ましい
Open Restaurants　 NYC Gov

ニューヨーク在住の筆者が利用した感想

筆者宅ではアウトドア・ダイニングに疑問を持っており、正直食事をしたことはありません。ロックダウン以降、レストラン利用はテイクアウトのみ。

外食利用は、11月に友人とコーヒーを飲んだ1回だけ。気候が良い時は解放されて気持ちが良いですが、花のプランターに絶え間なく蜂が飛んできたのが嫌だった印象があります（過去に蜂に刺された経験でトラウマあり）。数少ない屋外テーブルで長居されると店側も儲けにならず、蜂は長居客を追い払うための店のペットかも（笑）。

安全基準を満たしている？

アウトドア・ダイニングで屋根や囲いをする時には、感染防止のため「3つ以上の側壁が使用されている場合、最大収容人数の25％に制限され、すべての屋内ダイニングガイドラインに従う必要」「プラスチック製のドームなどの密閉構造は、個別利用に限り、空気循環を可能にするために適切な換気が必要」のはずなのですが、多くの店が外にダイニング・スペースを広げただけで、正しく換気が行われているのかは疑問が残るところです。そうはいっても、ニューヨークの冬は厳しく、側壁が空いていては寒くて食事どころではないのも事実。

ニューノーマルのアウトドア・ダイニングは、冬季においては更なる改善が必要かもしれません。

[All Photos by Hideyuki Tatebayashi ＆ Shutter Stock]　Do not use images without permission.

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	青山沙羅 アオヤマサラ／ライター
	はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日（PIE International、2020年3月）』。 著者のプロフィールを詳しく見る

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