POSTED BY Mia掲載日 DEC 1ST, 2020
【世界のニューノーマル最前線・ドイツ】慣れは禁物?2度目のロックダウン
ドイツでは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う2度目のロックダウンが2020年11月2日より実施されており、12月20日までの延長も決まっています。2020年の春に1度目のロックダウンが実施されてから、現在は人々の行動や気持ちにどのような変化が生まれているのか?現地の生の声をドイツよりお届けします。
(2020年7月フランクフルト ©︎Mia)
ロックダウンとは?
そもそも「ロックダウン(都市封鎖)」とは厳密な定義があるわけではなく、国や自治体などによって内容も異なります。しかし、共通して外出や企業活動の制限が設けられていることが多く、ドイツ国内でも2020年3月より段階的にロックダウンが開始されました。
1度目のロックダウン
ドイツで初めてのコロナウイルス感染者が確認されたのは2020年2月上旬。1月中旬に初の感染者が確認された日本と比べると少し後のタイミングですが、瞬く間に感染者数が増加し、3月中旬頃より隣接する国に対しての国境封鎖措置など、段階的にロックダウンが開始されました。
筆者の住むラインラント・プファルツ州でも、以下のような行動制限措置が取られました。
【禁止されること】
・すべての飲食店は閉鎖
・5人以上で集まること
・同居家族等以外の他人との接触を避ける
・学校、託児所の閉鎖(3月16日から4月17日までの間)
・公共空間において、他人との距離を最低1.5m、可能なら2m以上確保する
・フランスから越境する通勤者は州内に入ったら職場に直行、途中の買い物等禁止
・グループによるパーティーは自宅、公共の場所問わず禁止(違反行為には罰則)
・図書館、スパ、酒場、クラブ、スポーツジム、美術館、コンサートホール、映画館、アウトレット、レジャー施設、売春宿、美容院やマッサージ、子どもの遊び場は営業禁止
【引き続きできること】
・生活必需品などの買い物
・職場への通勤、試験や会議等
・緊急時ケア(託児、高齢者介護等)、通院
・飲食店でのテイクアウトやデリバリーは可能
・スーパーマーケット、薬局、ガソリンスタンド、銀行などは営業
・個人によるスポーツ、屋外での新鮮な空気を吸うための運動などは可能
1度目のロックダウン緩和
2020年の3月中旬から始まったロックダウンは、5月初旬の学校授業再開などを境に、段階的に緩和。ラインラント・プファルツ州でも、学校授業や遊具のある公園などで遊べるようになり、地域の公園に子どもたちの笑い声が戻ってきました。
一方で、4月27日より公共交通機関や店舗内でのマスク着用が義務化され、違反者には10ユーロの反則金が適用されるなど、依然として感染対策への姿勢は強いまま。
ドイツでは、日本のような風邪予防にマスク着用する習慣がなく、マスク着用=重症な病人というイメージがあります。そのため、州政府からのマスク着用義務化は人々にとってストレスとなり、お店の前でマスクを忘れて車に戻る人も見かけるようになりました。
着用義務化前より、筆者はマスクを着用しての買い出し(日用品)に行っていましたが、スーパーでマスクを着用している人はまだ少なく、他のお客さんから凝視されたり、避けられたりすることも。それほど、ドイツ国民にとってマスクをすることは普通ではなく、病気にかかってから着用するものでした。
2度目のロックダウン
ドイツでの2度目のロックダウンは2020年11月2日から開始されましたが、11月25日には12月20日まで延長されることが決まり、追加措置も発表されました。12月1日時点で、適用されているロックダウンの内容をいくつかご紹介します。
・すべての飲食店は閉鎖(テイクアウトやデリバリーは可能)
・可能な限り自宅で過ごすこと
・国内の宿泊は必要不可欠な場合可能(観光は不可)
・お店の前や駐車場もマスク着用義務の範囲とする
・クリスマスの買い物は可能な限り平日に行うこと
・5人以上の集まりは禁止(2世帯まで)
・職場でマスクを着用する
・大学等は原則オンライン授業に切り替える
・図書館、スパ、酒場、クラブ、スポーツジム、美術館、コンサートホール、映画館、レジャー施設(屋内外)、売春宿、マッサージなどは営業禁止
・プロスポーツのイベントは無観客であれば実施可能
・美容院は衛生措置を遵守した上で営業可能
・学校及び幼稚園は営業可能
また、ドイツではクリスマスが一年で最も盛り上がる時期。国民に配慮して、クリスマス期間中の特例措置も発表されています。
・家族または最も親しい友人と最大10人まで可能(満14歳以下の子どもは数に含まない)
・年越し、大晦日の花火は控え、人の集まる場所では花火の打ち上げ禁止
・クリスマス期間中の業務(2020年12月23日~2021年1月1日)は、会社を休みとするか、在宅勤務によって会社を閉鎖する
2度目のロックダウンは意外と・・・
1度目のロックダウンでは、行動制限措置内容がまとめて公表されたのではなく、日を追うごとに追加措置が増えていきました。しかも、発表から施行までの期間が短かったため、人々は「明日何が急に制限対象になるのか」と日々不安を感じながらの生活。スーパーでは買いだめをする人が現れ、トイレットペーパーやパスタ、小麦粉などが店頭から姿を消し、購入に個数制限が設けられました。
しかし、2020年11月2日から始まった2度目のロックダウンでは、前回に比べて生活に余裕や安心を感じます。一部商品に購入制限があるものの、手に入らない商品はほぼ無く、マスクや消毒液も店頭で購入できます。マスク着用へのイメージも、重病者が着用するものから、感染防止のために着用するイメージへと変わった印象を受けます。
さらに、1度目に比べると学校や遊具のついた公園は閉鎖されず、美容院なども衛生措置を遵守して営業していることから、大事なことは感染を拡大させないことであって、経済や教育機関を止めることではないと見て伺えます。
日本でもお馴染みのIKEAやH&M、百貨店なども衛生措置を遵守しながら営業しており、1度目のロックダウンでこれらのお店がすべて閉鎖していたことも鑑みると、ルールを守れば、意外にも自由に買い物ができる状態でもあります。
慣れが危険信号
2度目のロックダウンともあり、人々も新しい行動様式に見事に順応してきました。しかし、慣れによって人々の衛生に対する考えが甘くなっていることも懸念されます。
2020年12月1日時点では、マスクを着用していないと買い物などが行えません。そのためか、街中の駐車場に停まる車のバックミラーなどには、使用済みと見られるマスクが何枚もぶら下がっている光景も・・・。
少なくとも筆者の周りでは、日本で使い捨てマスクを数日間使い回しする人に出会ったことはありませんでしたが、ドイツに住む筆者の知人は少ししか使用していないという理由で2〜3日間は同じマスクを使います。
また、スーパーでの買い物中に他人との距離を最低1.5m、可能なら2m以上確保することが必要ですが、間隔が近すぎる場合も。人々の中で新しい生活様式への慣れが生じ、緊張感が薄れているのも現状です。
クリスマス以降の過ごし方が鍵
クリスマスから年越しにかけては、お祝いムード満点のドイツ。本来なら、みんなクリスマスを祝うために集まり、素敵な時間を過ごします。しかし、今年はいまだに新型コロナウイルスの流行が収束せず、感染者数も増えています。
ドイツ政府はクリスマスのための例外措置を発表し、最大10人まで(満14歳以下の子どもは数に含まない)集まれるように配慮していますが、ウイルスは目に見えません。今一度、一人ひとりが事態を真剣に受け止めて行動し、来年のクリスマスには盛大にお祝いできることを願っています。
※この記事の情報は2020年12月1日時点のものです
参考URL:在ドイツ日本大使館
https://www.de.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_coronavirus2020_Rheinland-Pfalz.html#header
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