パンデミック以前から進んでいたカード社会化

イギリスを含むヨーロッパではカード決済が普及しており、筆者がイギリスに住み始めた2000年ごろには、すでにほとんどの買い物をカードで済ませていました。

ただし当時は、バス・電車の切符の購入や、小さなキオスクのような売店、コインパーキングなど一部の場所ではカードが使えなかったので、ある程度の現金は持ち歩く必要がありました。お財布に20ポンド（約3,000円）程度入れておくのが一般的でしたが、日本人からすると少額に感じるかもしれませんね。

イギリスだけでなくヨーロッパ全体でも、中国人と日本人は日ごろから現金を持ち歩いていることが知られており、スリのターゲットになりやすいのはそのためです。

2010年代はコンタクトレスカードが普及

その後も着々とカードで支払いができる場所は増えていき、2010年代以降には20ポンドまで（3,000円程度）ならカードをタッチするだけ（暗証番号不要）で支払いが可能なコンタクトレスカードが登場したり、携帯電話がデビットカード替わりに使えるようにもなっています。

デビットカードとクレジットカードの違いとは？

「カード」と言ってもイギリスをふくめヨーロッパで主に使われているのは「デビットカード」です。カード決済普及の大きなカギは、クレジットカードではなくこのデビットカードにあるのです。

では、デビットカードとクレジットのカードの違いとは？　デビットカードの主な特徴は下の3つです。

1.使った瞬間に銀行口座から引き落れる
2.預金額以上使えない
3.銀行口座がある人はだれでもカードを作れる

パンデミック以降、一層徹底されるキャッシュレス

新型コロナウイルスのパンデミック以降、現金の受け渡しによる感染を防ぐためにキャッシュレス化が一層徹底されています。そのため、デビットカードさえ持っていればお財布が一切いらない状況。

お財布を持たない人が急増中で、筆者もこの数カ月は現金を見ることがほとんどありません。

記念50ペンスコイン集めが一時中断

キャッスレス社会は便利なようで寂しいこともあります。

実は、特別記念50ペンスコイン採集が筆者の密な趣味でした。おつりでもらった50ペンスにごく稀に混じっているのです。日本でいうギザギザのある十円集めに近い感覚で、この記念コインを使わずに集めていたのでした。

イギリスでは同じように集めている人も多く、eBayなどのサイトで高値で売買されている場合もあるのです。

現在までのコレクション

記念コインには、歴史やイベント、イギリスで有名なキャラクターなど、さまざまなものがあります。ということで、筆者がこれまでに見つけたコレクションの一部をご紹介します。

こちらが通常の50ペンス硬貨。

イギリス湖水地方を舞台にしたピーターラビットの登場キャラクターがシリーズで出ています。

一番多いのは、戦争や英雄をモチーフにしたコイン。

キャッシュを一切使わなくなった今、残念ながらこの50ペンスコレクションは一時中断中・・・。寂しいけれど、記念コイン集めは継続が難しいのが現状です。

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	フレッチャー愛 フレッチャーアイ／イギリス在住ライター
	20代のころからイギリス在住。科学者。フットボールに夢中な男の子の母親として奮闘中。ヨーロッパ各地のマーケット（蚤の市）散策、ワイン、見晴らしのよい絶景スポット、特に海が大好き。 著者のプロフィールを詳しく見る

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