3度目は規制内容が緩いのも特徴

パリを含める16県が、変異種のコロナウィルス感染者拡大によって、3月19日の24時より3度目のロックダウンが導入されました。しかし今回のロックダウンは、コロナ疲れのフランス人の精神状態を配慮して規制はかなり緩めなものとされているのが特徴です。

規制内容はこのようになっています。

・6時から19時までは自宅から10km以内であれば、証明書なしに移動ができる

・10km以内における外出の時間制限はなし

・生活必需品を扱う店のみ開店（今回は書店や花屋などの閉鎖はなし）

・学校は閉鎖されない（高校は登校とオンライン授業が半々）

フランス人のコロナ慣れ

ロックダウンという正念場の事態となっているパリですが、リモートワークが推奨されていながらも電車通勤が減らないことや、街の人出が減らないことが懸念されています。

フランスに住んでいる筆者から見ても、今回の規制の緩さやロックダウンが3度目ということで１度目のロックダウン時のような緊迫した雰囲気はなく、コロナ慣れしてしまっているように感じられます。

コロナ疲れが深刻な社会問題に

フランスでは、コロナ疲れが深刻な社会問題となっています。特に大学ではリモート授業が続く中、孤独な状態に陥り、うつの症状を訴える学生が続出しています。コロナ渦におけるストレスからか、中高生の残虐な事件も起きており、コロナウイルス感染拡大が学生の心身に与えた影響は計り知れません。

また、自宅でのリモートワークのために一人でパソコンに向き合う日々が続いている会社員も、心身に不調を訴えている例は少なくはありません。ロックダウンという状況下であっても、本人が希望する場合は週１日の職場への出勤が認められている程です。

一方で、コロナ疲れのフランス人の精神状態を配慮した今回の規制の緩いロックダウンは、「これでは感染者数が減らない」とメディアでは批判が続出しているのも事実です。実際に、変異種の感染が広がっている他のヨーロッパの国々では、学校も閉鎖という厳しい規制を取っているからです。マクロン大統領も、感染の状況によっては規制の強化を示唆しており、今後ロックダウンは厳しいものになるかもしれません。

All photos by Nanako KITAGAWA

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	北川菜々子 キタガワナナコ／ライター
	学生時代は東京で過ごし、卒業後なんとなく思い立ちフランスへ移住。気がつけばフランスでの生活も十余年。現在はフリーランスのライターとしてライフスタイル、文化、旅行、就職など多岐に渡って執筆しています。実生活では二人の息子たちの育児に奮闘中。 著者のプロフィールを詳しく見る

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