フランスのワクチンの現状

どこの国でも、新型コロナウイルスのワクチンが話題になっていますよね。ここフランスでは、2020年12月下旬よりワクチン接種がスタートしました。医療従事者や70歳以上の人などが優先的に受けられることになっていて、全額公費のため無料ですが、するかしないかは本人次第。

4月中旬からは50～69歳を対象にワクチン接種枠を拡大予定で、仏政府としては“夏の終わりまでにすべての成人へのワクチン接種を終了させる”意向です。

どのワクチンが承認されているの？

こちらで現在承認されているのは、英ファイザー、英アストラゼネカ、米モデルナ社製の3種類で、2021年4月中旬には米ジョンソン・エンド・ジョンソン社製のワクチンが承認される見込み。露サノフィ、独キュアヴァック社製のワクチンは欧州医薬品庁が審査中です。

アストラゼネカのワクチンが血栓の可能性があるとのことで、一時保留になったのですが、現在は55歳以上を対象に再開しています。欧州医薬品庁により「効果が副作用のリスクを上回る」とされたためです。

フランスにおけるワクチンの接種回数や人数など最新情報が知りたい方は、日経新聞と英ファイナンシャル・タイムズのこちらの統計が分かりやすくておすすめです。

フランス人はワクチン接種に懐疑的？

「ワクチン接種により、感染を防ぐことができるのだとしたら、以前のような生活が戻るかもしれない－。優先者のワクチン接種が終了次第、私たちも早く接種しに行かなくちゃ！」

昨年末にワクチンが出回り始めたときに、フランス人の夫にこのように伝えたところ、「副作用があるかもしれないよ？ ちょっと待ってみたら。僕はしないから」と言われてびっくり。

こちらのニュース番組を見ていても、街角インタビューでは「様子を見たい」という声が多く、正直驚きました。

仏政府は「新型コロナウイルスワクチンの研究結果では、接種することでウイルスによる重症化や死亡率が大幅に減少することが分かっている」としているものの、実際の声とは温度差があるように見受けられます。

聞いてみた！ 接種したい？それとも・・・

とはいえ、きっと懐疑的な声ばかりではないはず。そこで、周囲のフランス人たちにワクチン接種についてどう思うか、尋ねてみました。

Vさん（20代男性／小売業）

僕の場合、ワクチン接種は様子見です。現在、フランスで主流となっているイギリス変異種には効果がないという声も聞くからです。ただ、海外旅行や出張など、ワクチンを打つ必要がある状況になれば接種しないといけませんが。

Aさん（30代男性／教員）

もう少し、様子を見てからかな。ただ、僕の妻は日本人なので、妻の実家へ帰省することもあるかと思います。ワクチンを打つことで日本へ渡航しやすくなるのであれば、迷わず接種しますね。

Sさん（20代女性／保育士）

必要性を感じていないので、現段階ではワクチン接種は考えていません。アストラゼネカ製ワクチンの血栓の副作用も怖いし、ワクチン全般の副作用についてもっと事例が出てから考えます。

Cさん（80代女性／隠居）

ワクチンを奨励されている年齢ではありますが、接種する気はありません。掛かり付け医に相談したところ『旅行など遠出の予定がなく、これからも自宅近辺で過ごすのであれば、接種しなくても問題ない』と言われたためです。

ほかにも何人かに尋ねたものの、筆者の周囲には「ワクチン接種を積極的にしたい」と答える人はいませんでした。

「ワクチンの効果＞副作用」と考えると、私自身はやはり、できる限り早めに接種したいのですが・・・。みなさんはいかがですか？

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	sweetsholic ライター／パティシエ／ときどき通訳
	海外を放浪しながら気ままな人生を謳歌しているフリーライター、パティシエ。現在の居住地は南フランス。海外のライフスタイルや、各国で学んだお料理などをみなさまと共有できればと思っています。 世界の文化とスイーツ、地中海料理、マレーシアが大好き。 著者のプロフィールを詳しく見る

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