POSTED BY 水澤 敬掲載日 MAY 1ST, 2021

働き方・オフィスのあり方が激変!『働くのミライ会議 KOKUYO WX カンファレンス』で見えた「未来形」とは?

新型コロナウイルス感染症の影響によって、日本企業は従業員のこれからの働き方やオフィスのあり方に大きな見直しを余儀なくされた1年となりました。リモートワークが推奨され、働き方やオフィスのあり方の正解を模索している企業も多いはずですよね。そんななか、オフィス家具や事務用品などを手がけるコクヨが、多彩な働き方やオフィスの新しいあり方をさまざまな企業のトップと考えるオンラインイベント『働くのミライ会議』を2021年4月13、14日の2日間にわたって開催しました。そこで今回は、その模様と各社の考え方をレポートします。

目次

リモートワーク成功のカギは「トップの決断」

オンラインイベント「働くのミライ会議」では、2日間で8つのセッションを企画。さまざまな企業のトップを招き、基調講演やトークセッションなどが行われました。

「テレワーク、やってみて本当のところ」をテーマにした初日は、『激動の1年を振り返り未来を考える テレワーク時代のオフィスの役割』と題し、コクヨの黒田英邦代表取締役社長と慶應義塾大学医学部の宮田裕章教授が基調講演に登壇。これからのオフィスが果たす役割についてトークが交わされました。

続いて行われたのは、無制限リモートワークを打ち出したヤフーのCEO・川邊健太郎氏(Zホールディングス株式会社 代表取締役社長Co-CEO)と、コクヨの黒田社長による注目のトークセッション。『テレワークの必要性、成功と失敗』と題し、企業がテレワークを導入すべき理由と、失敗してしまう原因の深堀りが交わされました。

ヤフーは2020年10月1日から情報技術を駆使した「新しい働き方」に移行したそうです。新聞広告等で目にした人も多いかもしれませんが、「ヤフーはオンラインにオフィスを移転」という姿勢を打ち出し、従業員の無制限リモートワーク化に踏み切りました。

また、川邊氏によると、「新しい働き方」への移行によって多くの従業員がパフォーマンス・コンディションを維持あるいは向上できたそうで、「私自身も通勤による移動時間が激減した結果、1日あたりの業務対応可能量を大幅に増やすことに成功しました」とのことです。

一方、コクヨでは2020年から従業員の出社率を最大で50%ほどに減らし、オフィスの密を防ぐ取り組みを始めたそうです。とはいえ、「オフィスに出勤して使うもの」を扱う同社であるだけに、オフィスのあり方自体を問われる状況に苦慮した」とも。「(リモートワークを進めるために)社内のデジタル化は必須ですが、我々が扱う商品はオフィス家具や事務用品など、すべて“出勤すること”によって成り立っているビジネス。オフィスがなくなってしまうのは、我々の事業から考えると受け入れがたいものもありました」と話していました。

ただ黒田社長は、こうした変化を受け入れてこそ事業の成長が推進できるのではないかと発想を転換。「すぐに自社をデジタル化するということよりも、お客様の変化がわからないとビジネスが進まないということで、従業員の出社率を50%と決めました。オフィスの人員を間引くことで、(新型コロナウイルスに対し)どの程度のスペース・配置であれば安全なのかといったことがわかりました。会社として、こうしたモニタリングをしながら“ニューノーマル”を作りつつあるといったところです」とコメントしました。

トークセッションのまとめとして川邊氏は、「新型コロナウイルスの感染拡大は悲惨なことではありますが、不幸中の幸いとしてオンラインミーティングなど技術の進歩がありました。こうした進歩は人の働き方や幸せを変えることができます。一方で、人の価値観が変化しない限り、なかなか進んでいかないというのも体感として持っています。これは企業のトップが決断しないと変えることは難しいものです」と話し、新しいこれからの働き方を成功させるためのカギとして、企業のトップによるリモートワーク化への決断が重要だということも説いていました。

パソナグループとクックパッドが地方にオフィス移転する理由とは?

2日目で注目されたのは、「これからのオフィスの役割 センターオフィスはどうあるべきか」というテーマで行われた、オフィス改革に取り組む3社による『これからのオフィスのあり方』のトークセッション。淡路島に本社機能を一部移転したパソナグループの常務執行役員広報本部長・高木元義氏、2021年5月に横浜・みなとみらい地区に移転するクックパッドの執行役Japan CEOの福崎康平氏、2020年9月以降に都内複数拠点の部門を東京品川オフィスへ集約し、同オフィスリニューアル、そして2021年2月に新たな働き方の実験場「THE CAMPUS」を開設したコクヨの代表取締役副社長・坂上浩三氏によって話し合われました。

パソナグループの高木氏は「弊社は2008年に初めて、就農人材の育成を目的として淡路島に入りました。我々が淡路島に移転する目的は“雇用を作る”“人材を育成する”“文化を育む”。その狙いは、ひとつはBCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)、もうひとつは自然豊かな環境で働くということ。さらに新産業の創造です。多様な人材が交わる仕組みを通じて、新たな産業・文化を作り出せればと考えています」と移転の経緯を説明しました。

さらに続けて、「現在、日本社会はパラダイムシフトが起こっていると思いますし、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、企業依存型の社会から個人が自立して複数社と契約して働く形もできてきました。均一性から多様性、集中型から分散型、所有からシェア。これから、いかにサステナブルに企業や個人が成長していけるか。これを検討した結果、段階的に本社機能の一部を淡路島へ移転させるという決断に至りました」とコメントしました。

一方、クックパッドは5月に現在の東京・恵比寿のオフィスから横浜・みなとみらい地区に移転しますが、その経緯について福崎氏は「移転のリリースを出したのが今年1月。そして5月に全面移転ということで、私たちは意思決定のスピード感を重視しています。私たちが掲げているのは“ただ働くだけではない”ということ。街や作り手と、どういった料理を楽しんでいくかを考えながらオフィス選びを行った結果、横浜のみなとみらいという結論に至ったのです」とコメント。

続けて、「横浜のイメージは多様性。職住近接の実現が可能で、オフィスに集まってキッチンなど物理的な環境を生かした働き方ができることを重要と考え、それが実現できる横浜という地に移転します」と説明しました。

オフィスの役割について、クックパッドの福崎氏は「都心は働くには最適ですが、街全体の多様性を考えた場合、横浜には山があって、川があって、いい意味で混沌としています。洗練された場所ではなく、いろいろな刺激を受ける場所に移転することで、従業員の働くことに対する価値観を変えるという目的があります」とコメント。

パソナグループの高木氏は「淡路島には複数の拠点があり、従業員はどこで仕事をしてもいいという働き方にしています。これにより、若いスタッフや小さな子どもがいるスタッフなど、多様な部署・ポジションの人が混ざり合って、良い効果を生んでいます。また、地方活性化という観点でも、そのようなソリューションを提案するのが東京や大阪といった大都市からでは、地域の課題は見えてこない。だからこそ、地域にしっかり根差し、地元と一緒になって取り組んでいくという意味で移転したのです」とコメントしました。

コクヨが東京品川オフィスをリニューアルしたことについて坂上副社長は「このTHE CAMPUSは、地域に開かれたオフィス。スタッフ同士だけでなく、地域の方々とも会話が生まれる場所としての役割を担っています」と話しました。

コクヨの新オフィスは地域に開かれたオープンな場所

今回、「働くのミライ会議 KOKUYO WX カンファレンス 2021」が行われたのは、移転・グランドオープンした東京品川オフィス「THE CAMPUS」。“みんなのワーク&ライフ開放区”をコンセプトに、オフィス機能だけでなく、顧客や地域の人たちも利用できるエリアが併設されています。

パブリックエリアの「PARK」は大型階段やデッキが印象的なスペース。イベントなどが行えたり、ちょっとした休憩場所として活用できるようになっています。

また、「THE CAMPUS SHOP」は、コクヨ製品を新しいテーマや切り口で展示・販売を行うショールーム的な機能が持たされています。コーヒースタンドも併設されており、地域の人も気軽に利用しリフレッシュできるスペースとして活用できます。

このほか、同社の顧客向けに開放されている「ライブオフィス」では、実際に同社のオフィス家具がどのように設置され、従業員に利用されているか、実際のオフィスをショールーム化して見せるといった工夫もされています。

今回行われたオンラインイベント「働くのミライ会議 KOKUYO WX カンファレンス 2021」は、期間限定でアーカイブ配信されています。事前登録すると無料で視聴できるので、同イベントの公式サイトをチェックしてみてください。

■「働くのミライ会議KOKUYO WX(WorkTransformation)カンファレンス 2021 」アーカイブ 配信
配信日時:2021年4月20日(火)10:00 ~5月9日(日)24:00  
視聴方法:申し込み 制
視聴費:無料
>>>視聴URL: https://kokuyo.jp/210413wxp

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水澤敬
ライター/エディター

カメラ誌をメインに出版社にて編集者として15年ほど従事したのち、 フリーランスとして独立。カメラ・写真、ガジェット系だけでなく、商品 レビュー系記事執筆やインタビュー取材などを行う。

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