POSTED BY sweetsholic掲載日 DEC 18TH, 2020

【世界のニューノーマル最前線・南仏】コロナ禍で健康診断はどう変わった？

南フランスより、ボンジュール！　海外在住ライターのsweetsholicです。フランスには主に16歳以上の男女を対象にした、定期的な健康診断があります。こちらの国民健康保険に加入している人であれば、無料で受診できるというもの。筆者の元にも3年ぶりに案内が来たので、先日（2020年12月中旬）足を運んできました。さて、コロナ禍での健康診断はいかに!?

フランスの医療制度をざっくりと…

国によっては、病院を受診するだけでも高額な医療費がかかるケースもありますが、ここフランスは日本と同じように（もしかするとそれ以上に!?）、社会保障制度が充実しています。

医療に関しては、日本の国民健康保険に相当する「l’Assurance Maladie（アシュアランス・マラディ）」に加入することにより、国が医療費の一部を負担する仕組みとなっています。国民はもちろん、外国人であってもビザ保有者であれば加入することができます。

冒頭の健康診断（Examen de prévention en santé／EPS）は、この国保加入者を対象としたもので、最短で2年に1度、無料で受診できることになっています。

健診では、どんなことをするの？

さて、ここからは、筆者が暮らす仏南西部オクシタニ地方·オートガロンヌ県の医療機関で2020年12月中旬に受診した、健康診断の体験ルポをお届けします。

こちらの健康診断では、年齢や性別、健康状態、危険因子（疾患と関連が疑われる要素のこと）などにより、健診の内容が異なる点が、なかなかユニーク。人によっては、歯科検診やガン検査といったオプション検査も無料で行うことが可能です。

筆者の場合は、会場で受付を済ませたのち、血液検査、歯科検診、朝食休憩タイムをはさんで、身体測定、視覚検査、血圧測定、心電図の順番にチェックアップを行いました。ここまでおよそ1時間半。

最後の30分は、あらかじめ記入した問診票（日々の運動量やアルコール摂取量、既往歴など）をもとにした、問診を含む医師との面談タイム。今回の健康診断の結果は、後日自宅へ郵送されます。もしも異常が見つかれば、かかりつけ医のもとで再診とのことでした。

所感

受付時に検温があったり、健診中も常にマスク着用だったり、新型コロナウイルスに関連する症状の有無を何度も聞かれたり・・・。前回の健診（2017年）にはなかったことが、今回はいろいろありました。また、カフェテリアや診察室のアルコール消毒を強化するなど、前よりも衛生対策に気をつかっている様子も見受けられました。

当然といえば当然のことなのですが、フランス人にとってはニューノーマル。それを裏付けるかのごとく、医師が面談時に「日本の人たちが日常的にマスクをするのは不思議に感じていたけど、欧米と比べて（新型コロナウイルスによる）死亡者数が少ないのは、マスク着用の習慣や清潔感にもあるのでしょうね」と話していました。