POSTED BY 金子愛掲載日 MAY 30TH, 2021
【世界のニューノーマル最前線・AUS】eスクーターで地元観光が大人気
次世代モビリティとして、日本でも普及が進む電動キックボードこと「eスクーター」。コロナ禍の中、「密を避けられる移動手段」ということで、気になっている人も多いのではないでしょうか?筆者の暮らすオーストラリア・クイーンズランド州では、「eスクーターで観光を楽しむ、地元民が急増加」。現地から最新事情をお届けします!
目次
日本と違う?オーストラリアのeスクーター規制
オーストラリアの交通ルールは州やテリトリー毎に定められているため、eスクーターの導入状況は地域によってまちまち。今回は、筆者の暮らすクイーンズランド州のルールをお伝えします。
まず第一に、eスクーターは車道ではなく「歩道でのみ走行可能」。ここが一番日本と大きく異なる点ではないでしょうか?また下記の通り細かなルールがあり、違反すると少なくとも$133(約1万1300円)の罰金が課せられます。
【QLD州内での主なルール】
●16歳以上であること。ただし大人の監視下であれば12歳以上から使用可
●時速25キロ以下での走行
●規定のヘルメットを着用
●1人で乗ること
●スマホなど、モバイル機器の使用禁止(音楽機器も同様)
●飲酒運転禁止
●夜間や危険な状況下では、ヘッドライト・テールライト・反射板を使用すること
更に細かなルールは州政府の公式サイトで確認できます。
eスクーターの街「ブリスベン」
オーストラリアで最もeスクーターの利用が盛んな街といえば、「ブリスベン」。2018年、国内初のシェアリングサービス「Lime」が導入されたのもこちら。
当時筆者はブリスベン在住だったので、その時のことは今でも鮮明に覚えています。「何この近未来的乗物は!?」と、沸き立つような高揚感に包まれたものです。しかも乗っている人たち全員、大の大人が満面の笑み。物凄く楽しそう・・・。あまりにも利用者が多いので、何かのイベントかと思ったほどです。
コロナ禍の影響により利用率が低下した時期もありましたが、2021年3月にはコロナ禍以前と同じまでに回復。1日5,000回もの利用があると、地元メディア(ABC Radio Brisbane)は報じています。
マイ・スクーター派多し!「ゴールドコースト」
一方ブリスベンの隣町「ゴールドコースト」では、同じ州にも関わらずシェアリングサービスはありません(2021年5月現在)。過去、一時的に導入されたこともありましたが、安全面の懸念から現時点では利用できるサービスはなし。
では、まったくeスクーターを見かけないのかというと、そんなことはありません。マイ・スクーター保有者が俄然多いんです。購入となると安価なもので$200(約1万7千円)、上は$4,000(約33万円)以上する高額なものまでとさまざま。移動手段として日常的に使う場合、乗り心地などを踏まえると$1,800(約15万円)程度のものがおすすめのようです(ecorides.com.au 調べ)。
レンタル会社でNEWモデルを先取り
マイスクーターを楽しむ人が多いゴールドコーストですが、実はeスクーターを貸し出すレンタル会社も充実しています。例えば「RENT & RIDE」では、三輪など珍しいタイプが利用可能。クールなデザイン、抜群の安定性、子どもと一緒に楽しめるとありファミリー層から大人気。他にもさまざまなタイプがあるので、乗り比べするのも楽しそう。
環境に優しいeスクーターで、地元観光がニューノーマル
海外旅行はおろか、他州への旅行も難しい状況が続くなか、地元観光への注目が高まるオーストラリア。筆者の周りでも「サーファーズ・パラダイス」「サウスポート」「バーレーヘッズ」など・・・、ド定番の観光スポットを、eスクーターでめぐる地元民の姿をよく目にします。「今一度、地元の良さを見つけに行こう」「コロナ禍の影響を受けたローカルビジネスを少しでも救いたい」そんな思いを持つ人も少なくありません。また環境に配慮した暮らしを心がけるこの国の人々にとって、二酸化炭素を排出しないeスクーターは、サスティナブルな移動手段としても理想的。その需要は今後更に拡大していきそうです。
【参照】
What’s the Future of Micromobility in Australia?
E-scooters sales boom in Brisbane as shared e-scooter patronage returns to pre-COVID levels
[Photos by Shutterstock.com]
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金子愛 | |
2006年渡豪。役者として映画やミュージックPVなどに出演した後、撮影コーディネーターに。日本ではTV番組制作や旅メディア運営を経験。現在「暮らすように旅して、旅するように暮らす」をモットーに、”暮らし旅ライター”として活動中。紹介記事:https://kenokoto.jp/50354 |
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