感染力がより強いとされるコロナ変異種

2020年のクリスマスを家族で過ごせるようにと実施された11月のロックダウン。生活必需品以外を取り扱うお店や、レストラン、パブ、ジム、美容院などはすべて閉店を余儀なくされたものの、予想通り新規の新型コロナウイルス感染者数は減少していきました。

そこで、12月23日～27日の5日間に限り3世帯までなら集まってクリスマスをお祝いすることがOKに。小規模ながら今年も家族とクリスマスプレゼントを交換して、たくさん飲んで食べて、となるはずでしたが・・・。

クリスマスの規制緩和がおじゃんに

12月中旬よりロンドンやイングランド南部の感染者数が今までにない勢いで上昇し始め、感染力がより高いとされている変異種の存在が明らかに。これを受け、2020年12月20日より、ロンドンを含むイギリスの約3分の1が事実上のロックダウンとなってしまいました。

イギリス人たちが一番がっかりしていることは、クリスマスの予定が台無しになってしまったことです。

この変更にロンドナーだけでなく多くのイギリス人が大ブーイング！　12月25日は、基本的にイギリスは公共の交通機関（電車、バス）などが動いていません。そのため、車で日帰りできる距離でない場合は帰省が不可能になってしまった人が多数なのです。

つまり、ほとんどのイギリス人が楽しみにしていたクリスマスの予定を変更せざるを得ない状況になっています。

クリスマスに強くこだわるイギリス

イギリス人にとって、クリスマスは家族が集まる一番大切な日、日本の元旦のような日です。ヨーロッパ在住歴が20年近くになる筆者は、イギリスを含むヨーロッパではクリスマスがどれだけ大切な日かということは十分理解しているつもりでした。

ところが、現在のイギリス人の様子を見ていると、その重要性は私が理解していたレベルをはるかに超えており、イギリス人の生きる気力の源のひとつと思えるほどの強いこだわりが伺えます。

孤立するイギリス

2020年12月22日現在、ヨーロッパ主要国を含め世界の40カ国以上がイギリスからの入国を拒否している状態です。特に現在問題となっているのは、ヨーロッパとの物流の起点であるフランスとの国境・ドーバー海峡が一時閉鎖されトラックが大渋滞になっていること。野菜や肉などの生鮮食品の多くを輸入に頼っているイギリスでは、食品不足の不安も手伝ってスーパーマーケットに長い行列ができています。

クリスマスはどうなる？

2020年のクリスマスはもうすぐそこ。イギリス政府の規則を守り、ロンドナーはひとりでおうちで過ごすのか？　それとも、ルールを破って予定通り泊りで帰省する人たちで高速道路は大渋滞するのか？　年末にイギリスでレタスやトマトを買うことができるのか？　など、まったく予想ができない状況です。

サンタクロースが自宅に来るのか？　滞在するはずだったおじいちゃん、おばあちゃん宅へプレゼントを届けるのか？　などの、多くの子どもたちの心配ごとには少し和ませれつつ、2020年のクリスマスを迎えたいと思います。

[Photos by Shutterstock.com]　

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	フレッチャー愛 フレッチャーアイ／イギリス在住ライター
	20代のころからイギリス在住。科学者。フットボールに夢中な男の子の母親として奮闘中。ヨーロッパ各地のマーケット（蚤の市）散策、ワイン、見晴らしのよい絶景スポット、特に海が大好き。 著者のプロフィールを詳しく見る

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