POSTED BY 林 美由紀掲載日 JUL 21ST, 2021

ライオンが取り組む人と世界と地球のための活動「インクルーシブ・オーラルケア」とは【担当者インタビュー】

今、世界中で国や企業、そして、個人それぞれが取り組む「SDGs」や「サステナブル」な活動。私たちにできることは、プラスチックごみをできるだけ捨てないようにしたり、廃棄される食べ物や衣料を減らす努力をしたり、適正な労働環境でつくられた製品を買ったり・・・と、小さな積み重ねを続けること。また、それと同時に、企業が取り組むサステナブルな活動を知ることも必要なことかもしれません。そこで今回は、ライオンが取り組む「インクルーシブ・オーラルケア」について、同社のサステナビリティ推進部長・小和田みどりさんにお話を伺いました。

目次

ライオンのサステナブルな活動「インクルーシブ・オーラルケア」

今年創業130年を迎えるライオン株式会社は、1896年に「獅子印ライオン歯磨」を発売し、創業当時から日本のオーラルケアに貢献してきています。また、洗濯関連分野においても、生分解性の高い洗剤成分の開発やプラスチック使用量の少ない製品のコンパクト化など、地球環境の保全などに力を入れています。

2021年、そんなライオンのさらなる新しい取り組み「インクルーシブ・オーラルケア」がスタートしました。

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す、17のゴール・169のターゲットから構成される国際目標「SDGs」の概念に則り、オーラルケアを通じて社会や環境課題に取り組んでいく活動が、この『インクルーシブ・オーラルケア(オーラルケアが、人と社会にできることを。)』です。

ライオンのサステナブル活動についてインタビュー

ライオン株式会社 サステナビリティ推進部長・小和田みどりさん

今回は、ライオンが行っている「インクルーシブ・オーラルケア」について、ライオン株式会社のサステナビリティ推進部長・小和田みどりさんが、各部門の専門のメンバーのお話をまとめて回答してくださいました。

「インクルーシブ・オーラルケア」は、「SDGs」の目標を見据えた活動でしょうか?

SDGs」の3番目の「すべての人に健康と福祉を」が最も関連性の高い目標ですが、「インクルーシブ・オーラルケア」は広くいろいろな社会課題に向かって取り組む活動でもあります。現時点では、SDGsの17の目標のうちの1番「貧困をなくそう」、4番「質の高い教育をみんなに」、6番「安全な水とトイレを世界中に」、7番「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「人や国の不平等をなくそう」、10番「つくる責任 つかう責任」、17番「パートナーシップで目標を達成しよう」なども対象範囲だと考えています。今後の新アクションに伴い範囲も変動していくと思います。

「インクルーシブ・オーラルケア」とはどのような活動でしょうか?

SDGs目標「全ての人に健康と福祉を」の実現を目指し、2021年より開始している活動「インクルーシブ・オーラルケア」は、生活環境、身体、経済、教育・情報などのさまざまな状況によりオーラルケアの実施状況に格差が生じ、お口のケアが十分にできない人たちに向けてオーラルケアの機会を提供していく活動です。

オーラルケアを通じ、人と社会が抱えるさまざまな課題解決を実行していくための3つのクレド(信条)があります。

By Anyone
誰もがあたりまえに。
生活環境、身体、経済、教育・情報などの状況に関わらず、すべての人に機会を。

By Oneself
自立してできるように。
誰かに言われてやるのではない、また誰かにやってもらうのではない、自らの力で行う習慣を。

By Systems
仕組みで支えられるように。
ひとりでは解決できない課題にも、みんなで支え合う、仕組みをつくることで解決していく。

現在スタートしている大きな2つの活動が、「インドにおける、サステナブルな認証ミントの採用」と「おくちからだプロジェクト」です。

活動1:サステナブルな認証ミントについて

認証ミントとはどのようなものでしょうか?

ユニリーバ、ダノン、ネスレが設立した、持続可能な農業サプライチェーンを支えるプラットフォーム「SAI(Sustainable Agriculture Initiative)」が提供する、経営・環境・労働・生産に関する条件がそろい、FSA(Farm Sustainability Assessment)の認証を受けた「認証農家」が生産するミントです。127の質問・回答によって認証格付けしており、地球や人に対して、きちんと配慮された環境でつくられているミントといえます。

ライオンのハミガキには認証ミントが使われているのでしょうか?

当社では、ハミガキに使用する天然ミントの味にこだわりを持っており、その一部をインドから輸入しています。インド産の「和種ハッカ」は、程よい苦みとすっきりとした香味が特徴です。

具体的には、2021年6月から、環境や人に配慮されてつくられている、「SAI」が認証するミントに切り替えています。しかし、インドでのミント生産は、すべてが持続可能な生産環境で行われているわけではありません。この認証ミントを生産できるのは、厳しい審査に通った農家に限られているため、現状では持続可能な労働条件や生産条件などが整えられた「認証農家」は、まだまだ不足している状況です。そのため、認証農家を増やす活動も行っていきます。

認証ミントを使用する商品としては『デンタークリアMAX』を始めとして、2022年までに和種ハッカを配合している8つのハミガキブランドに拡大予定です。

認証農家になるための条件はどのようなものでしょうか?

認証を得るためには、生産、環境、労働、経営など多くの条件があり、農家にとってそれらをクリアするのはハードルが高いそうです。

認証農家になるための条件の代表例としては、「労働者の人権が守られている」、「近代的な農法により収穫率が高い」、「畑を整備し水の使用量を削減できている」、「環境に悪影響を与えるような肥料は使用しない」、「定常的にトレーニングが行われている」、「労働者に対し差別なく賃金が支払われている」などが挙げられます。

私たちは、SAI認証を受けたミントを調達・継続購入することで、認証取得を目指す農家の拡大を促進していきます。インドの香料会社を通じてその取り組みの意義を伝え、実地研修等のサポートをしていくことで、インドの認証農家の数を2022年までに2021年現在の5倍に増やすことを目標としています。

「サステナブルな認証ミント」が当たり前に栽培されるようになった場合、どのような未来になると考えまていますか?

使用ミントをすべてサステナブルなミントにすることで、つかう人も、つくる人も幸せで持続可能なモノづくりを目指しています。

香料会社の方から、「農家の人たちに認証への取り組みを進めてもらうのは難しかったですが、彼らが満足することは私たちにとっても重要です。品質が高い、素晴らしいミントをつくることは、地球と自然のためにも大切だと考えています」というコメントをいただいています。

正しい技術や知識を身につけ、地球に悪影響を与えるような肥料を使わずに収穫率を高めることができ、なおかつ、適正な賃金や労働時間を確保した認証農家がつくるミント。これを支援、購入することで、ミント栽培にかかわる人々や環境にもよいサイクルが生まれていくと思います。

活動2:おくちからだプロジェクトについて

「おくちからだプロジェクト」とはどのようなものですか。

歯みがき行動は、全身の健康と密接に関係しており、人が本来持っている“健やかに生きる力”を引き出し、育む、非常に重要な習慣であると考えています。

しかし、私たちの国でも、子どもの貧困問題が深刻化しており、7人に1人は経済的困窮状態にあるといわれています。そのような状況で育った子どもたちは、一般的な経験が不足することから入浴や歯磨きなどの基本的な生活習慣が身についていないケースが多く、一般家庭の子どもたちと比べて、むし歯が多い傾向にあることが分かっています。

また、他者から褒められることや、親以外の大人とのコミュニケーションをとる機会が不足しており、自己肯定感が著しく低いことが特徴ともいわれています。

そこで、さまざまな環境にいる子どもたちに、遊んだり楽しく学んだりしながらオーラルケア習慣の重要性を感じて欲しいと考え、ダンスやクイズなど非認知能力を高めるコンテンツを展開しています。

どのようなコンテンツがあるのでしょうか?

リズムに合わせて体を動かすことで、歯の磨き方や噛むことの大切さを体感してもらえるダンスは、エイベックス・エンタテインメント株式会社(楽曲制作・ダンス)、ノアド株式会社(映像)、公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(口腔衛生)と協力して開発しました。

また、すごろくゲームで遊びながら、人生のさまざまなエピソードを通じてお口と健康の大切さに気付けるゲーム「はごろく」も用意しています。

こちらは、自分好みの歯ブラシの工作を通して、自分の個性を発見してもらう「ハブラシデコレーション」。

この一つひとつ楽しい体験や褒めてもらうことを、「子ども食堂」や「こども宅食」などの活動ネットワークを通じて経験してもらうことで、子どもたちに自信を持ってもらえるような活動を行っています。

「おくちからだプロジェクト」の活動を通じて、どのような社会を目指しているのでしょうか?

創業以来ライオンの根幹にあるのが、人々の健康な毎日を目指した商品の開発とともに、よりよい習慣づくりを提案することです。それは、オーラルケアを通した健康的な生活習慣にとどまらずに、サステナブルな取り組みなど、社会や環境へも向けられています。

歯みがき行動は、全身の健康と密接に関係しており、人が本来持っている“健やかに生きる力”を引き出し、育む、非常に重要な習慣です。オーラルケア習慣の促進だけではなく、SDGsの概念に則り、オーラルケアを通じて、社会や環境課題に取り組んでいく活動が『インクルーシブ・オーラルケア(オーラルケアが、人と社会にできることを。)』です。

「おくちからだプロジェクト」を通し、歯みがき習慣をあらゆる子どもたちがあたり前に、自分でできるようになり、自己肯定感が育まれることを願い、取り組みを推進していきたいと思っています。

未来に広がる活動

ライオンが新しくスタートした、人と世界と地球のための活動『インクルーシブ・オーラルケア』。日本の子どもたちやインドのミント農家のみなさんが現状置かれた状況を改善すべくサポートを続けていくことで、まず人々のQOLが向上し、それに付随して、仕事の仕方も変化していく・・・。根本から見直していくことで、人、地域、国、地球までその影響が広がっていく活動なのですね。

「インクルーシブ・オーラルケア」スペシャルサイトで、この活動についてのライオンの思いを知ることができますので、ぜひ、チェックしてみてください。

私たちにできることは毎日の「積み重ね」と「知る」こと。
そして、サステナブルな活動をする人や企業の応援をしてみることで、1歩、SDGsの目標に近づくことができるかもしれません。

画像提供・取材協力:ライオン株式会社

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林美由紀
ハヤシミユキ/ライター

FMラジオ放送局、IT系での仕事人生活を経て、フリーランスライター。好きなものは、クラゲ、ジュゴン、宇宙、クモの巣、絵本、漫画、子どもなど。グッとくる雑貨、ハンドメイド作品、文具、生き物、可愛いものとヘンテコなものを日々探しています。いつか絵本作りに携わりたいです。

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