クライアントや友人・知人に2020年末の挨拶をどうしたら良い？

2020年も終わりに近づくと、やらなければならないことのひとつに、年末年始のご挨拶があります。筆者の住むアメリカでは年賀状ではなく、クリスマスカードが年末年始のご挨拶にあたります。例年は筆者の配偶者もクリスマスカードを郵送していましたが、2020年はコロナフリーで、郵送ではなくEmailで送ることにしました。

主人から「日本に送るクリスマスカードの文面考えるのを手伝ってよ」といわれるのは毎年恒例ですが、「OK」と答えたあと今回はいつもと違うことに気がつきました。

コロナ禍が年末の挨拶も変える

2020年は例年とは違う、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行した年。例年の言い回しをアレンジして使うことはできないと気づいたのです。

仕事や生活のスタイルがすっかり変わり、ほとんどのクライアントや友人・知人と会えなかった年で、もうしばらくの間は気軽に会うのは難しそうです。こんな時だからこそ、縁が切れないようにしたいもの。

コロナ禍の最中だから、コロナということばは使いたくない

2020年に一番多く使われたことばは「コロナ」ではないでしょうか。明けても暮れても、インターネットでも、テレビでも、人の口の端でも、活字でも「コロナ」ばかり。新年を迎える、あらたな希望に胸を膨らませるときには、ネガティブなことばは使いたくないですね。

「絶える」、「衰える」、「病む」、「失う」、「離れる」などは「忌み言葉」といわれるそうで、新年にはふさわしくありません。コロナ禍の「禍（わざわい）」も同様に、年末年始のご挨拶には避けたいことばです。

2020年末の挨拶はこんなことばを使った

コロナ禍の挨拶状の例文をインターネットで探してみましたが、前例のないニューノーマルの挨拶ですから、適切なものが見つかりませんでした。いろいろ調べた結果、下記のことばに留意しました。

●排除したいことば
「コロナ禍」「コロナ」「厳しい」「難しい」「困難な」「大変な」「病」など、不吉なことば
●筆者が選んだことば
「明るい」「あたらしい」「平和な」「健康の大切さ」「人のつながり」など、穏やかで前向きなことば

加えて、相手（およびご家族）を思いやることば、当方の状況を簡単に知らせる文にしました。相手にはあまり踏み込み過ぎないように気をつけ、コロナに罹っていませんか？などの直接的な問いかけは失礼にあたると考えました。

また2020年は、全世界の皆が自粛に耐え、健康や経済不安に怯えて過ごしたので、日本人の好きな「頑張りましょう」など、相手をプッシュすることばも避けました。

アメリカ人は2020年末の挨拶をどうしている？

日本のクリスマスカードはできましたが、アメリカ人の友人・知人にはどうしましょう。2020年はテキストやLineで挨拶するので、簡単なもので良いのですが、コロナ禍以降は会えなかった人も多く、いつもとは違ったメッセージにしたいと思いました。

英語の年末の挨拶をインターネットで調べてみると、日本語で検索したよりずっと多く、写真付きのものなど参考例もたくさんありました。コロナを茶化したユニークなものもありましたが、筆者は家族全員でパジャマ姿でリラックスして撮影したものなどホッとしますし、友人・知人には良いのではと感じました。

実際にクリスマス当日に、友人がクリスマスツリー前で、クリスマス仕様のおそろいの部屋着を着た家族写真を送ってきて、仲良く無事に過ごしているのを知り、うれしくなったものです。

アメリカ人の友人に送った年末のメッセージ

アメリカ人の友人にも、「心配している」、「会えなかった」、「我慢」などのホリデーシーズンにふさわしくないことばは避け、"Fine"ということばをキーに使った文例をアレンジしました。

It’s fine,
We are fine,
Everything is fine,
Next year will be fine,
Wishing you a fine holiday season.
We miss you and hope to see you in 2021.
With love

大丈夫！
私たちは元気にやっています。
今のところすべて順調。
来年は間違いなく良い年になるわ。
あなたが充実したホリデーシーズンを過ごすようお祈りしています。
あなたが恋しいわ、2021年にはきっと会えますように。
愛をこめて（意訳　青山沙羅）

アメリカ人らしい大げさな表現はしっくりとこなかったので、シンプルな表現にしましたが、友人からはすぐに返事が来て、気に入ってくれたようでした。

人のつながりを大切にしたい

つい照れてしまって口に出しにくい、相手に対する感謝や思いやることば。気軽に会えない現在だからこそ、正直な気持ちを伝え、人のつながりを大切にしたいものです。

関連するタグ

• #コラム

	青山沙羅 アオヤマサラ／ライター
	はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日（PIE International、2020年3月）』。 著者のプロフィールを詳しく見る

関連するカテゴリー

• ライフスタイル
• 海外