POSTED BY 青山沙羅掲載日 JAN 3RD, 2021
【世界のニューノーマル最前線・NY】コロナ禍でも元気な職種とその理由とは

アメリカ合衆国ニューヨーク在住のフリーランスライター青山沙羅が、現地のニューノーマルな生活をルポする当連載。
コロナ禍により経済打撃を受けているニューヨークでも、元気な職種はあるのです。意外にもあの職種が?
上写真:Vik Muniz’s “Perfect Strangers” at Second Avenue-72nd Street. Photo by Hideyuki Tatebayashi
コロナ禍により、観光・飲食・ファッション・エンターテイメント業などが経済打撃を受けたニューヨーク市。しかしながら、目立って元気な職種もあるのです。その意外な職種とは。
建設業

ニューヨークで、最も元気なのは建設業。ほとんどのオフィスがリモートワークになりオフィスワーカーの姿が消えた代わりに、建設作業員が増加。人影が少なくなった街で、建設作業員の黄色いベストが目につきます。
ニューヨーク各所で工事中

Photo by Hideyuki Tatebayashi

Photo by Hideyuki Tatebayashi
ニューヨーク市は都市計画のため、工事中の物件が多い街。コロナ禍以降は特に工事が目立ち、観光・飲食・ファッション・エンターテイメント業界に不景気風が吹く中でも、各所で工事は進んでいるのです。
インフラ整備が進むニューヨーク
2020年5月27日にトランプ大統領と会談したクオモNY州知事は、ニューヨークのインフラ計画(ラガーディア空港のエアトレイン、ハドソンリバーに新トンネル工事、地下鉄セカンドアベニューラインの拡張など)を提案。アメリカ経済の活性化と雇用増大をアピールしました。
全米最悪と言われたNYCの空港の再生

2016年11月のフォーブスジャパンの記事 によると、全米ワースト1位の不名誉は「ラガーディア空港」。不人気の理由は、フライトの遅延率と欠航率の高さ、マンハッタンまで最短距離の空港なのに、アクセスが悪いこと(地下鉄までバス利用、あるいはタクシーやウーバーで移動が必要)。空港敷地内の狭さ、売店や飲食店がパッとしないなど、過去にジョー・バイデン次期米大統領が「サード・ワールド(発展の途上にある国)」と酷評したほど。
コロナ禍の最中にも工事は進み、2020年6月には悪名高いラガーディア空港に美しいターミナルBが誕生。85万平方フィートの広さで、4階建てのターミナルB離発着ホールは、ニューヨークご自慢の飲食店や洒落たショッピングエリア、広くてモダンなトイレ、印象的なパブリックアートがあり、旅行者にニューヨークらしさを満喫させます。
NYCで最も醜いと言われた巨大ターミナル駅の改修

グランドセントラル・ターミナルと並ぶ、巨大ターミナル「ペン・ステーション駅」。老朽化により暗く、周辺にはホームレスや薬物中毒者がうろついている、NYCで最も醜い駅と言われていました。このペン・ステーション駅も改修工事が進んでおり、明るい新駅舎が誕生。2021年1月オープン予定。
引越し業者

ニューヨーク市がロックダウンし、感染を恐れた富裕層42万人以上がまず脱出。オフィスワークはリモート化、加えて多くの企業が倒産。高い家賃を支払ってニューヨーク市に住む必要性がなくなり、次には中流以上のニューヨーカーが市外や他州へ引っ越していきました。
コロナ禍の中、引越し業者はフル回転で、需要と供給が追いつかないほどだったと言われます。

日本とは異なり、ニューヨーク市の賃貸は、冷蔵庫、電子レンジはほとんどの物件に、家具付き物件にはベッド、デスクなども備え付けられています。そのため荷物が少ない人は、U-HAULなど時間決めのヴァンやトラックを借り、自力で引っ越します。筆者の自宅近くでも、U-HAULのヴァンで引っ越す人をよく見かけました。
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大工

大工さんも引っ張りだこでした。コロナ禍による特殊な事情で、レストランや店舗などで需要が多かったのです。
大工さんが必要となった理由
1. アウトドア・ダイニングの設置
2020年6月22日の経済再開第2段階から、レストランは店先の歩道や車道を利用した即席テラス席が許可された
2. 銀行や店舗、レストランのショーウィンドウやガラスにバリケード(木板でガード)
ジョージ・フロイド氏が死亡した人種差別事件の反対デモに紛れ込む略奪者による盗難や、米大統領選挙に関わる暴動を警戒
3. 引っ越しに関わる物件のメンテナンス

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バイクショップ


ニューヨーク市が感染最多都市となった理由には、地下鉄やバスなどの交通機関利用によるものが多いとされ、ニューヨーカーは公共交通機関を怖れました。「通勤にはオートバイや自転車など一人で乗れるもの」が好まれ、バイクショップの店先には多くのオートバイが並び、売れていきました。同様の理由で、レンタル自転車のCiti Bikeも人気。自家用車も通常より売れたようです。
ニューヨーク市でガテン系強し?
こうしてみると、コロナ禍のニューヨーク市でニーズが高いのは、ガテン系の職種。ニューノーマルの時代には、商社や銀行、大手企業ではなく、ガテン系が安定職種に?転職を考えているあなたは、一考する価値があるかもしれませんよ。
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青山沙羅 |
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はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日(PIE International、2020年3月)』。 |
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