ニューヨーカーのマスク着用率は？

ストリートでもほぼ100％のニューヨーカーが着用

ニューヨーク市では、買い物や飲食店・病院などの入場、地下鉄やバスの交通機関乗車でマスク着用が必須。マスクをしていないと入店や乗車を拒否されます。そのため、普通にストリートを歩く時も、ニューヨーカーのほぼ100％がマスクを着用しています（ニューヨーカーの8割は使い捨ての紙製マスクを使用）。

マスク嫌いのニューヨーカーが、全員マスクを着用する日が来るとは夢にも思っていませんでした。

感染を怖れたニューヨーカー

地下鉄やバスなどの公共交通機関から感染が広がったと言われ、地下鉄はガラガラに。乗車していたのは、コロナ禍の中でも働いてくれたエッセンシャルワーカーがほとんどの状態に。

2020年4月8日のWCBS880（ラジオ局）のインタビューで、MTAのPat Foye会長が、「ニューヨーク市の地下鉄利用者数は、新型コロナウイルスにより92％減少」と語っています。

■参照記事
New York City subway ridership down 92 percent due to coronavirus-The Brooklyn Daily Eagle 2020年4月8日

ニューヨーク市でマスクの不足

アメリカでは元々、医療関係者以外がマスクをする習慣がなく、在庫が少ないところへ求める人が殺到。2020年2月末頃には、どのドラッグストアや薬局でもマスクは品切れになりました。

オンラインオーダーでも2カ月待ち

筆者はマスクの手持ちが少なくなり、4月にオンライン注文しましたが、品切れゆえ2カ月後の6月まで到着を待つことに！　マスクのほとんどが、中国からの輸入。需要が高まった3月〜4月には、コロナ禍前の4〜10倍の価格でマスクが販売されていることもありました。

ニューヨーク市でマスクの市場価格経緯

マスク1箱20枚で150ドルで売る店も

マスク不足に付け込み、2020年3月には1箱（20枚）で150ドル（約15,500円！ 2021年1月9日現在換算）の高値をつける小売店も。悪徳業者が増えたため、NYCではPPE（マスク、ハンドサニタイザー、使い捨てビニール手袋など感染を防ぐもの）に一般価格以上の値をつけてはいけないと行政命令が下りました。それでも、ストリートの路上店では、まだ法外な価格のマスクが売られていました。

マスク不足にニューヨーク市はどのように対応した？

マスク着用を必須としたニューヨーク市

アメリカでは、州によって法律が異なりますが、ニューヨーク州では「全員（2歳未満の子どもや医療上フェイスカバー（マスク）の着用が容認されない人以外）がフェイスカバーの着用を義務付け」られました。推奨ではなく、必須です。

マスク着用の義務　NYC GOV

地下鉄構内やストリートで配布

地下鉄もマスクなしには乗車できません。経済活動の再開が始まった2020年6月には、地下鉄構内でマスクおよびハンドサニタイザーの無料配布も行われました。

ニューヨーク市からコロナ対策キットが送られてきた

また、ニューヨーク市は、居住者にコロナ対策キットを送付しました。送られてきたのは下記のものです。

ハンドサニタイザー、除菌ウェットティッシュ、マスク50枚ほど、パルスオキシメーター、使い捨て体温計、コーヒー豆、エナジーバー2本。

学校、フードパントリー、ストリート（警官や教会関係）にて無料配布

感染最多都市のNYCではマスクが着用必須とされ、学校、地下鉄構内、フードパントリー、ストリート（警官や教会関係）において無料配布されました。そのおかげで、オンラインでオーダーしたマスクが届かなくても、不足して困ることはありませんでした。2021年1月現在、二人家族では使い切れないほど充分なマスクが我が家にあります。

経済活動再開とともに市場価格は下がった

2020年6月から経済活動の再開が進むにつれ、不足していたマスクは供給が追いつき、どこでも買えるようになりました。小売店やストリートの路上店ではマスクが積み上げられ、6月には1箱（50枚入り）が20〜30ドル（約2,080〜3,120円 2021年1月9日現在換算）、9月には8ドル程度（約830円 2021年1月9日現在換算）に（写真の左端は子ども用で10ドル）。

2021年1月現在は底値に？

また、2021年1月現在は、1箱（50枚入り）が4ドル（約416円 2021年1月9日現在換算）、3箱（150枚）で10ドル（約1040円 2021年1月9日現在換算）の底値に。

マスク屋台店が並ぶマスク・ストリートも

筆者が住むニューヨーク市クイーンズ区の某エリアでは、マスク・ストリートと呼びたいほど、マスク屋台がずらりと並んでいます。

それらの屋台には、グッチやルイ・ヴィトン、シャネルなどのラグジュアリーブランドのロゴ入りマスクも。1枚5ドル程度で買えるので、もちろん偽物です。違法のはずですが・・・。

こちらでは、アディダスやナイキの人気スポーツブランドのロゴ入りのマスクも。ヤンキースやメッツなど野球チームのものも人気。左のキャラものは子ども用です。

小さな子どもにマスクをさせるのは至難の技ですが、2歳以上には着用義務があります。親はそれぞれ子どものお気に入りの人気キャラで気を引いて付けさせるようですね。

売れ残りだと思われるクリスマス柄も並べられていました。可愛いので欲しいなとも思いましたが、約1年先の2021年クリスマスにマスクをすることをあまり考えたくなく、買うのを止めました（苦笑）。

マスクがすっかり定着したニューヨーク。この先もしばらくは付き合いが続きそうですが、完全収束してマスクを外せる日が来るのが待ち遠しいものです。

[All Photos by Hideyuki Tatebayashi　＆ Sara Aoyama]　Do not use images without permission.

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	青山沙羅 アオヤマサラ／ライター
	はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日（PIE International、2020年3月）』。 著者のプロフィールを詳しく見る

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