POSTED BY Mayumi.W掲載日 OCT 22ND, 2021
「働くのミライ会議 vol.2 KOKUYO WX カンファレンス 2021」で探るニューノーマルな働き方
コロナ禍の影響もあって、私たちの働き方にも大きな変革を迎えていますよね。各企業が模索を続けているなか、オフィス家具や事務機器でもおなじみの「コクヨ」が、『働くのミライ会議 vol.2 KOKUYO WX カンファレンス 2021』を開催しました。2021年4月の第1弾に続き2021年10月13日~14日の2日間にかけて行われた今回も、「さあ、つながり再構築!」をテーマに、変わりゆく価値観のなかでどのように働くことに向き合うのかを、さまざまな企業やキーマンがセッションしたのです。そこで今回は、オンラインで開催された同カンファレンスの模様をレポートします。
目次
働くのミライ会議 vol.2 KOKUYO WX カンファレンス 2021
リモートワークの推進など、働く環境や意識が大きく変わってきた昨今。多くの企業でワークスタイルやライフスタイルの模索が続けられていますよね。
今回レポートする『働くのミライ会議 vol.2 KOKUYO WX カンファレンス 2021』は、コクヨがさまざまな企業や世代を超えたワーカーと語り、この分岐点の新たな「つながり」について考えようというイベントです。働きがいや存在意義など新しい価値観が生まれるなか、「働く」のつながりをもう一度見つめ直す場として開催されました。
さあ、つながり再構築!~「モノ」から「トキ」へその先のライフスタイルとワークスタイル~
同カンファレンスでは、コクヨの品川オフィス北館5階にあるガーデンを舞台に、2021年10月13日・14日の2日間に渡って合計8組のトークセッションが行われました。
有名企業の代表者や評論家、タレントさんなど、さまざまな人が「テレワークの推進で都心と地方との垣根の低くなった今、これからの企業に求められる地域社会との関わり」をお話したのです。
そこで今回は、そのなかから2組のセッションの模様をお届けしていきます。
こちらは、スノーピーク 代表取締役社長・山井 梨沙氏と、コクヨ代表取締役社長・黒田 英邦氏によるセッション「さあ、つながり再構築!」の模様です。
新潟に本社を置くアウトドアブランド「スノーピーク」の山井 梨沙氏は、現代表取締役会長の父に続く3代目代表取締役社長。本社社屋が広大なキャンプ場の中にある同社では、時間をかけて話し合いたい時はキャンプ泊をしながら火を囲んで夜通し語り合いそのまま出社。などという独自のワークスタイルが実践されているそうです。
一方、「コクヨ」は新しい働き方を実験すべく、築40年以上の自社ビルをフルリノベーションし、2021年2月正式にオープンしました。リモートワークなどによって仕事ができる場所も分散化していくなか、ワンフロアに閉じてないオフィスを目指しているのだそう。
自社のオフィスに加えて、お客様や地域の皆さまにご利用いただけるエリアを併設し、多様な価値が混ざり合い、新しい化学反応を生み出し続ける、働き方の実験場となることを目指している、とのことでした。
また、2021年7月7日~9日で開催された、スノーピーク初の大規模総合展示会「Snow Peak LIFE EXPO」についても山井氏から興味深いお話を聞くことができました。
同展示会では、元環境大臣の小泉 進次郎⽒や建築家の隈 研吾⽒などをはじめとした豪華ゲストの登壇も注目されましたが、ここで発表されたアプローチや戦略は、「従業員のやりたいことを聞いて集めただけ」と語っていました。
「従業員に自由に意見を言ってもらうにはどうしたらいいのか?」との黒田氏からの質問には、「経営のスタイルも時代によって変化していくのではないか。チャンスは従業員みんなが平等に持っていて欲しい、経営者としてビジョンはあるけれど、答えは出さないようにしています」と教えてくれました。「自分で考えてやってもらうほうが従業員にとって幸せなのではないか、経営者もみんなと一緒に前に踏み出したい」とも。
スノーピークはこれまで、自然の中での体験価値を提供してきましたが、「都市生活をする平日にこそ自然志向のライフスタイルが必要なのではないか」などの仮定のもとに、「街でもアウトドアの心地よさを体現できるように」と、新たにアパレル事業も展開してきました。このように、都市から自然、生まれてから老後まで自然と関わりを持てる事業展開があらためてできる会社になったのだそう。
また、地方創生の一環として新潟のデベロッパとともに集合住宅のような居住地区を作るプロジェクトも展開していくのだとか。「自然の中に身を置いてコミュニティ単位で協力して暮らしていくことを」を目指し、今だからこそ団地のような集合住宅を再提案したいのだそう。
スノーピークは、衣食住働遊を通して自然志向のライフバリューを創造していくというビジョンを掲げ、一緒に体験して一緒に考えていきながら事業に取り組んでいるのだそう。これは誰のための仕事なのか、誰を幸せにできるのかシンプルに考えることが大切であることも話していました。
さらに山井氏と黒田氏は、「オフィスの在り方がどのように変わっていくのか」もお話していました。
山井氏によると、周囲の経営者の考えとして「オフィスは縮小される」と、「こういう時だからこそ顔を合わせるオフィスが必要」の二極化が進んでいるとしています。黒田氏は、「オフィスはなくなるのではなく役割が変わっていくのかもしれない」と、フレキシブルに働き方を選べるようにしていくことで、結果的に会社の活性化、人材の活性化、組織の活性化につながるのではないかと考察していました。
コクヨは、自分たちが働き方をどのように工夫しているのか、これによってどうよくなったのかを、自社のオフィスで自ら先進の働き方を実験・実践し、そのプロセスや成果をお客様に伝えていくライブオフィスのスタイルをとっています。企業理念を「be Unique(ビー ユニーク)」に変え、多様性への柔軟な対応や創造性の刺激を提供することで未来に必要とされる会社になれるのではないか。これを突破口に事業を変えていきたいとも話していました。
最後に黒田氏は、働くこと、学ぶことが、自立して共生するこれからの社会に向かってどう変わっていくのかを念頭に置きながら、創造性を切り口に事業を変えていきたい。スノーピークともいろいろな取り組みを進めたい。と、セッションを締めくくりました。
日本社会を変える「Z世代」の価値観 これからの企業成長に欠かせないヒント
メディアに取り上げられることも多い、価値観が今までと大きく違うとされるZ世代。彼らの価値観やリアルな声を理解し、対応しなければこれからの企業と若手社員のギャップは広がってしまうとされています。
こちらのセッションでは、そんなZ世代の価値観について、タレントの「りゅうちぇるさん」と「N.D.Promotion 取締役 Z総研・道満 綾香氏」、「コクヨ執行役員・小野 公輔氏」による会話が行われました。さらに、よりリアルな声を聞くべく、コクヨのZ世代社員さん10名も参加です。
まずはZ世代の一般的な傾向について、Z世代を対象としたシンクタンク組織であるZ総研・道満 綾香氏より説明がありました。物心ついたときにはスマートフォンなどのデジタルデバイスが身近にあり、常にSNSと一緒にいる彼らは、ネットリテラシーも高い世代ともいえるのだそう。
次に、Z世代における3つの特徴もお話されていました。
1つ目に挙げたのが「将来の選択肢が豊富で柔軟」であるところ。Z総研による職業についてのアンケートでは、80%余りの人がやりたいことが決まっているとの結果が出ているそうです。また、誰の生き方を参考にしているかという問いには、母親のほか、タレントやインフルエンサーとしている人が多いのもZ世代ならでは。ちなみに、YouTuberが職業だと認識している人はほぼ100%だったそうです。
次に2つ目の特徴として挙げたのが、「多様性や自分らしさを大切にしている」こと。アンケートによると、自分の好きなモノ、コト、ヒトを指す「推し」がいる人がほぼ100%。さらに、推しの対象者が2人以上いるという人がほとんどだったそうです。
3つ目に挙げた特徴は「ネットリテラシーが高くSNSで情報収集する」点。インスタグラムについての調査では、88.5%が複数のアカウントを使い分けているとの結果が。メインアカウント以外にも、韓国アイドル用やマンガ用など、細かく使い分けている人が多いのだそうです。
これは、興味がない人に「自分の好みを押し付けるのが申し訳ない」という配慮からだとか。80%以上がインスタグラムのストーリーを特定の人のみに見られるような設定しているというのも特徴です。
また、道満氏によるコロナ過での入社世代(Z世代)へのインタビューでは、「飲み会が減ってストレスフリーになった」、「家が遠いのでオフィスへの出社の必要がなくなり自分の時間が取れる」などと、この環境をプラスととっている人もいることがわかった、ということも伝えられました。
続いて、同セッションでは、Z世代のコクヨの社員さんにアンケートに答えてもらい、価値観を深掘りすることに。
「企業を選ぶ上での基準やポイントはどこでしたか?」という問いには、「仕事以外の時間も欲しい」という回答も。家族との時間や自身の勉強の時間も大切だと感じているようです。「休みがとりやすいかどうか」もポイントだとか。
ちなみに、りゅうちぇるさんは20代前半のときに休むことの大切さに気づいたのだそう。自分の周りの仕事ができる人はサボるのが上手。それを参考に休みをきちんと取るようにすると、仕事もうまくできるようになったそうです。
「社内でのコミュニケーションのツール」についての質問には、「気持ちを伝えるには電話かリアルがいい」との意外な答えも。直接伝えることの大切さを感じている人が多く、また、「文字に残すことに緊張を覚える」という回答もあったようです。
同セッションでは、りゅうちぇるさんに「モチベーションを向上や維持し続ける秘訣を教えて欲しい」との視聴者からの質問も。
これに対して、お仕事用の「りゅうちぇる」とプライベートの「りゅう」はしっかりと分け、お仕事で失敗してもそれはあくまでも「りゅうちぇる」であって、「りゅう」は傷つかないようにしている。などと、割り切って考えるようにしているとお話しされていました。
また、「SNSの使い方について他世代との違いを感じるか」との質問には、りゅうちぇるさんは「ツイッターは心に届くもの、インスタは写真のみなどの使い分けしている」と答えていました。また、それが混ざってしまう人が上の世代には多い気がするとも。
さらに、「Z世代と一括りにされることへの不満は?」との質問には、りゅうちぇるさんは「個人個人が違うことが理解されているうえで使われている言葉だと思うので気にならない」とのことでした。道満氏は「スマートフォンを持つタイミングが異なる、違いは人それぞれ。個人に寄り添うことが大切だと思います」と回答されていました。
次は、ライフワークバランスにまつわる、「週休3日についてどのように思うか」の質問。これには「週休3日より1カ月まとめて休みが欲しい」との回答もありました。
これに対してりゅうちぇるさんは、「1カ月働いて1カ月休みはちょっときついかも。働き方、休み方にも慣れる必要がある」と。道満氏は「お仕事が好きなのでお休みをとっても働いてしまうかも」とのことでした。
また、「会社の飲み会についてどのように感じているか」には、時と場合とメンバーによってモチベーションが違い、ハードルが高いので「まずはランチから」といった意見も。終わりの時間も決まっているし、少人数で深くコミュニケーションが取れるというのが理由だそうです。
小野氏の時代は餃子を食べに行ってカラオケに行くなどしていたとのこと。りゅうちぇるさんと道満氏は、お酒が好きなので飲み会は歓迎だそう。「断る時はスマートに断るといいのでは?」とのアドバイスもありました。とはいえ、Z世代のなかにも「飲み会は行きたい」という人も結構いたようです。
そのほかにも注目セッションが多数
同カンファレンスでは今回紹介したもののほかにも、コクヨの働き方の実験場「THE CAMPUS」に宇賀なつみさんが潜入し、最新のオフィスDXや、同社独自の取り組みを体験する『DX で新たなつながり! 宇賀なつみが潜入取材 コクヨのオフィス DX』や、従業員の「心と身体の健康」の観点から、これからどのようなコミュニケーションが必要なのか深堀りする『チームのつながりを強くする これから求められる対話のあり方』、「心身が健康であること」の重要性にあらためて注目が集まっている今、これからのウェルビーイングな経営に必要な視点を語る『コロナ禍、再注目! 健康経営UPDATE』など、興味深いセッションが多数行われていました。
これらの様子は、2021年11月4日(木)より『2022 KOKUYO FAIR』(登録制)にて、アーカイブ配信が予定されています。気になる人はチェックしてみてくださいね。
■2022 KOKUYO FAIR
2021年11月4日(木)~ ※登録制
https://fair2022.kokuyo-furniture.co.jp/fair2022/?utm_source=mirai&utm_medium=other&utm_campaign=normal&utm_content=fair2022
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夫一人、子ども一人、犬一匹と一緒に暮らしています。いつでも楽しいことを模索中。ストレスは歌って発散。大体いつも歌ってます。 |
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