POSTED BY 北秀昭掲載日 APR 23RD, 2021

マクドナルドも導入！注目電動３輪バイク「AAカーゴ」は課題解決の有効手段に

日本の新進メーカー・アイディア（aidea）株式会社が製造・発売する屋根付き電動3輪バイク「AAカーゴ」シリーズ。2021年4月8日、同メーカーの新機種として大型バッテリーを採用した原付一種の「AAカーゴ α8（エーエーカーゴアルファエイト）」と、原付二種の「AAカーゴ β8（エーエーカーゴベータエイト）」が登場しました。AAカーゴはマクドナルドのデリバリーにも採用。大手企業も注目する同車をレポートします。

国内生産の電動スクーターブランド・アイディア（aidea）とは？

筆者の自宅近くにある千葉県某所のマクドナルドで見つけた、マックデリバリーサービス仕様のアイディア AAカーゴ。詳しくは下記参照

アイディアは2020年6月より日本の工場で生産を開始した、新進の国内電動バイクメーカー。走行時にCO2を排出しないZEV（ゼロエミッションビークル）の普及により、地球環境の保全などさまざまな課題を解決し、社会に貢献することを目指しています。

アイディアの前身は、1996年に創設されたイタリアのアディバ（ADIVA）というバイクメーカー。アディバは開閉式ルーフ、大型リアボックス、オーディオシステムなどを装備したスクーター「ベネリアディバ150」を発売するなど、既存の常識にとらわれることのない独自の発想と技術により、移動を喜びに変える先進的なプロダクトを開発し続けてきました。

アイディアは、アディバが掲げていたスピリッツを受け継ぎながら、これまでのバイクの領域を超えた新しい価値を創造。エネルギーの効率的活用を追求することで、新しい生活様式やビジネス環境の構築をサポートしています。

アイディアは2020年6月15日に量産第一号モデルとして、デリバリー用途に最適なルーフ（屋根）付き電動3輪スクーター「AAカーゴ」を発売。AA カーゴは、脱炭素社会へ向けた世界的な取り組みであるEVシフトの一助となるべく開発されたモデル。発売以来、コロナ禍による新しい生活様式への転換も手伝って、食品デリバリー業界などを中心に需要が向上し、活躍しています。

今回発売された原付一種の「AAカーゴ α8（エーエーカーゴアルファエイト）」と原付二種の「AAカーゴ β8（エーエーカーゴベータエイト）」は、大型バッテリーを搭載した新機種として注目を集めています。

α8のパワーは0.6kWで原付一種に該当、β8のパワーは1.0kWで原付二種に該当します

AA カーゴ α 8 ／β 8の大きなポイントは、7.7kWh という大容量リチウムイオンバッテリーを搭載することで、従来の電動バイクの課題とされていた「走行可能距離の短さ」を解消していること。また、4輪車と 2輪車の良い点を併せ持つ独自の車体構造により、物流業界における「ラストワンマイル問題（※注1）」の解決を目指しています。

※注1：ラストワンマイル問題とは？
物流の最終拠点から、エンドユーザーへ荷物を運ぶサービスにおける課題。昨今ではコロナ禍によるインターネットショッピング利用の激増により、配送の小口多頻度化が著しく進行。配送料金が適正でない、荷物量に対し人手が不足、再配達により業務効率が低下、などの課題が発生しています。

AAカーゴ α8とβ8はココがポイント

3輪ならではの高い走行安定性を発揮

3輪構造と前後13インチの大径ホイールにより、段差や悪路でも安定して走行が可能。また、前後連動式のディスクブレーキが安定したブレーキング性能を発揮。バイクビギナーでも安心して乗れる、バランスの良い車両特性としています。

充電時間は約6時間。走行距離はα8が167km　β8が149km（ 30km/h 定地走行テスト時の値。運転方法や走行環境に応じて値は変化します）

2輪並のコンパクトさと機動性・高い積載能力を確保

ルーフ（屋根）付き3輪という独自の車体構造により、4輪車に近い快適性と積載性能、2輪車並みのコンパクトさと手軽さを両立。また、左右のハンドルスイッチで簡単に操作できる「ERP（Electric Roll-lock and Parking Brake）」を新開発。これにより、車体の左右方向と前後方向を、それぞれ独立してロックすることができるため、地面に足を着けることなく停車可能。バイクを停める頻度が多い配送業務での運転者の負担を軽減しているのがポイントです。

167km（α8）の長距離走行も可能

7.7kWh の大容量リチウムイオンバッテリーの採用で、これまでにない長距離走行を実現。またバッテリーを固定式とすることで、車載時のスペース効率を最大化。従来の電動バイクの課題とされる「走行可能距離の短さ」を解消し、幅広い業務内容に活用できるのが特徴です。

AAカーゴ α8 / β8　主要諸元

＜1＞α8　＜2＞β8
車両区分：＜1＞原付一種（50cc 以下）　＜2＞原付二種（125cc 以下）
免許区分：＜1＞原付免許　＜2＞普通二輪小型限定免許以上（AT限定で運転可能）
全長×全幅×全高：2,020mm×685mm×1,715mm
シート高：700mm
車両重量：232kg
乗車定員：1 名
モーター：ブラシレス DC モーター
定格出力：＜1＞0.6kW　＜2＞1.0kW
ギアボックス：インテグラルホイールハブモーター
バッテリー：リチウムイオン 48V
充電方法：200V 交流
バッテリー容量：7.7kWh
充電時間：約6時間
一充電走行距離（※）：＜1＞167km　＜2＞149km　※ 30km/h 定地走行テスト時の値。運転方法や走行環境に応じて値は変化します
サスペンション：フロント Φ35mm油圧式テレスコピック　リアプリロード調整機構付きシングルショック
タイヤサイズ：フロント120/70-13　リア130/60-13×2
ブレーキ：フロントディスク式Φ240mm　リアディスク式Φ220mm×2
防水・防塵性能：IP65 準拠（バッテリー）
保証：2年または30,000kmまで（バッテリーは新品の50％の容量を保証）
メーカー希望小売価格：＜1＞107万5800円（10％消費税込）　＜2＞109万7800円（10％消費税込）

マックデリバリーサービスで「AAカーゴ」を導入

「マックデリバリーサービス」は、日本のマクドナルドが独自に展開する宅配サービス。2010年の初導入以降、対象エリアを順次拡大。今では日本全国の1都1道2府30県、600店舗で展開中です（2020年10月5日現在）。

2020年5月より神奈川県で、7月より東京都にて、それぞれ一部店舗にてマックデリバリーサービスの電動3輪バイクとしてテスト導入されました。

AAカーゴは2020年10月に44店舗で約100台導入され、2020年内には約120店舗、約320台へと拡大。コロナ禍によるデリバリー需要の高まりに併せ、マックデリバリーサービスにおけるAAカーゴの導入は、さらに拡大。2021年4月現在、筆者が住む千葉県をはじめ、全国で活躍しています。電動バイクの採用は、環境を配慮したマクドナルドの社会活動の一環と考えられており、社会に優しいモビリティとしての役割を担っています。