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「コンパクトロッド」のパーツとその機能

名前に「コンパクト」とある通り、使用しないときは短く収められるのがこの竿の特徴。径が異なる５本の筒が入れ子式になった構造で、手元が太く先が細いテーパー形状になっている。

使用の際は先のほうから伸ばしていき、すべての節を軽く固定していけばよい。この構造は「振り出し式」や、「振り出し竿」と呼ばれており、さまざまな竿で採用されている。

では、竿の各部とその働きを個別に説明していこう。

【ガイド】

リールを使用する竿には必ず装着されている大小のリング。リール竿は、いくつも装着されたこのリングすべてに糸を通して使用する。竿自体に接着・固定された「固定ガイド」と、竿を伸ばしていく過程で向きを合わせる「遊動ガイド」の2種類がある。

【リールシート】

竿にリールを固定するための可動式のパーツ。いくつかの形状があり、竿の種類によって装着されているものが変わる。「コンパクトロッド」には、リールの脚の前部を差し込み、後部をスクリュー式の部品で固定するタイプが採用されていることが多い。固定が甘いと釣りの最中にグラグラしてしまうので、装着はしっかりと行おう。

【キャップ】

使用しないときに竿先に被せておくパーツ。着脱の機会が多く、特に初心者は紛失することが多いので、バッグやポケットで保管するのがおすすめ。持ち運びや保管時に竿先が折れたりする可能性も高まるので、紛失した場合は釣具店で単品販売されているものを購入するのも手。

【尻栓】

竿の最も太い部分に装着されているスクリュー式のフタ。ほとんど触る機会がなく釣り自体にも関与しないパーツだが、やはり知らぬ間に紛失することが多い。竿を立てかけた際に地面に接触して徐々に緩むことが多いので、たまに締め直すのがおすすめ。

高価な竿は単品での取り寄せも可能だが、入門用は紛失すると代わりが用意されていないケースが多いので、注意したい。

セットに付属する「リール」のパーツとその機能

竿の全長以上の糸を巻いておき、それを出し入れしながらより遠く、より深くまで仕掛けを届けるための機械が「リール」。こちらも竿と同様にさまざまな種類があるが、「コンパクトロッドセット」に装着されているのは、こちらのような「スピニングリール」と呼ばれるタイプ。

対象魚の大小に関わらず最も広く使われるタイプで、値段や性能に関わらず基本構造は同じである。では、その各部の名称とその働きを個別に説明していこう。

【リールフット】

「脚」と呼ばれることもある、竿に固定するための部分。T字の両端をリールシートに差し込むようにして固定した状態で使う。

【ハンドル】

糸を巻き取る際にグルグルと回すパーツ。握る部分は「ハンドルノブ」と呼ばれる。取り外すことで左右を替えることが可能。

「コンパクトロッドセット」に付いている安価なスピニングリールは、ボディ反対側にあるボルトで止められており、緩めるとハンドルを折り畳むことができるタイプが多い。

ボルトを完全に外すとハンドル本体をボディから外すことができ、左右を入れ替えることも可能。なお、リールは利き手ではないほうで巻くことが推奨されている。これは精度が求められる竿の操作を利き腕で行うためで、はじめから慣れておくのがおすすめ。

【ベイル（ベイルアーム）】

糸が巻かれている部分に被さるように装備されているU字型の金属パーツ。主に糸の出し入れを司る部分で、通常は糸が引っ掛かって出ないように倒れた状態にしておく。仕掛けを投げたり、糸を送り出す際には写真のように手で起こしてやる。

【ラインローラー】

使用時に糸が引っ掛かっている部分。ここには回転するリングが仕込まれており、糸がヨレるのを防ぐ機能が付いているものも。

【逆転ストッパー】

リールの裏側などに装着されている左右にパタパタと稼働するツマミ。「巻き込む方向にだけ」または「逆転側だけ」と、リールの回転方向を選択することができる。

【ドラグ】

糸が巻かれている部分の締め付けを司る部分。このツマミ（ドラグノブ）を締め付けるほど、糸が巻かれている部分が固く固定される。基本的には適度に締めておいてOK。

この締め具合を調整し、大物が掛かって強烈な引きに襲われた際には適度に糸が送り出されるようにしておく場合も。そうすることで糸を切れたり、竿が折れたりするトラブルを防ぐこともできる。

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	オオモトユウ 編集者／ライター／フォトグラファー
	スポーツウエアメーカー勤務、雑誌編集などを経てフリーライターに。好きなことを仕事に選び続けた結果、周囲からは「ラクをして生きている」と思われているのが悩み。四国、北海道については愛車で単独周遊済みなので、九州に照準を定めている。旅先での酒場巡りとノルウェー旅行の再開に思いを募らせる日々。 著者のプロフィールを詳しく見る

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