POSTED BY アンダルシア掲載日 DEC 29TH, 2021

【論考】インド太平洋の中の韓国とは?2022年3月の大統領選挙が鍵を握る

2021年はバイデン政権が発足し、人権問題を中心とする「米中対立」という新たなプロローグに突入した。そして、英国やオーストラリアなどの欧米諸国も中国への警戒心を高め、「欧中対立」も先鋭化。一方、インド太平洋においてはバイデン政権が日本とインド、オーストラリアを加えた「クアッド」の動きを加速させ、英国とオーストラリアとは新たな安全保障構想「オーカス」を発足させるなど、中国を巡る同地域の情勢は大きく変化している。2022年もこの動きがいっそう激しくなるだろう。こういった情勢の中、1つ忘れられている国がある。それが韓国だ。そこで今回は、さまざまな背景から浮かび上がる韓国の現状と今後の展望についてみていく。

目次

韓国と諸外国との関係は?

まず、日本との関係においては依然として多くの問題があるが、韓国を経済主要国とみる諸外国は年々増えている。GDP世界第10位の韓国国民の平均年収は日本を超え、国防予算は日本とほぼ同等にまで上昇してきており、同盟国の役割を重視するバイデン政権の本音には、「世界の中の日米同盟」と同じように、「朝鮮半島を超えた米韓同盟」への希望も決して少なくないだろう。しかし、韓国は「クアッド」や「オーカス」などインド太平洋に積極的に関与する姿勢は示しておらず、韓米同盟は北朝鮮に特化した極地同盟としてのイメージが拭えないでいる。

緊張が高まる台湾有事は、地理的にも韓国にとって切迫した問題ではないだろう。ただ、韓国にとっても南シナ海や台湾周辺は重要なシーレーンであり、特にソウルなど韓国西岸に到着する船舶は台湾海峡を通過することがショートカットとなる。よって、経済成長著しい韓国に朝鮮半島を超えた安全保障上の役割を求める声が周辺諸国で拡がっても不思議ではないだろう。今後も韓国がインド太平洋へ関与する姿勢を示さなければ、そういった希望を持つ国々との間で摩擦が拡がる恐れもある。

インド太平洋への関与に消極的な理由とは?

では、韓国がインド太平洋への関与に消極的な背景には何があるのだろうか。最大の理由は、中国だ。韓国にとって最大の貿易相手国は中国であり、韓国は「クアッド」などへの接近によって中国との経済関係が悪化することを強く警戒している。近年も韓国の外相などが相次いで中国を訪問しては、中国も韓国が離れないよう接近戦略を堅持している。また、北朝鮮を事実上支えているのが中国であることから、中韓関係が悪化して北朝鮮の脅威が高まる恐れを常に韓国は警戒しているのだ。米国や英国などアングロサクソン系英語圏諸国は、2022年2月の北京五輪で外交的ボイコットに踏み切ることを表明したが、岸田政権は依然として明確な立場を示していない。韓国は既に外交的ボイコットに乗らない姿勢を表明しており、韓国は米中対立の中で極めて難しい立場にある。

大統領選挙が韓国外交の大きな鍵を握る

そして今後の韓国外交を占う上では、2022年3月の大統領選挙が大きなポイントになるだろう。

現在、与党「共に民主党」の李在明候補と最大野党「国民の力」の尹錫悦候補が数ポイント差で競り合い、激戦となっている。尹錫悦氏は2021年11月、北朝鮮の脅威に対抗するため日米韓3カ国の安全保障協力を強めるべきだとの認識を示しており、同氏の方が国際的関与を強める可能性が高く、日本や米国にとっては歓迎する動きになるだろう。

一方、李在明氏は日韓の安保協力には慎重姿勢を示しており、外交安全保障を巡る両氏の価値観は大きく異なる。どちらが大統領になるかによって、インド太平洋における韓国の立場も大きく変わってくる可能性があるのだ。仮に、文在寅路線を継承するとみられる李在明氏が大統領になれば、インド太平洋の中の韓国を求める声との間で、韓国の立場はより厳しくなる可能性があるだろう。

今後の動向に注目したい。

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アンダルシア
ライター/

政治学者 専門分野は比較政治、国際政治経済。特に近年は米中関係や経済安全保障などの日本の国益を左右する研究に従事する。また、学術研究に留まらず、NHKや共同通信、朝日や日経、産経など大手メディアで解説なども行う。

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