POSTED BY アンダルシア掲載日 MAR 15TH, 2022

【Z世代向け】ウクライナ情勢が経済に与える影響についてわかりやすく解説

ロシアによるウクライナ侵攻が長期化の様相を呈すなか、欧米諸国を中心にロシアへの経済制裁が強化され、それが我々の日常生活にも影響を与えている。では、実際にどのような影響を及ぼす可能性があるのだろうか。今回は、ウクライナ情勢が経済に与える影響について、Z世代のみなさん向けに解説していきたい。

ロシアは新ソビエト連邦へ

2022年3月に入り、米国の石油大手エクソンモービルは、ロシア極東サハリンにおける石油や天然ガスの開発事業から撤退することを明らかにした。ロシアによるウクライナ情勢を受け、ホワイトハウスがロシアに対して経済制裁を強化することへ配慮した措置とみられる。

また、米国のアップル社もロシア国内での自社製品の販売を一斉に停止すると発表し、マクドナルドやスターバックスも同様の措置を実施予定。ソビエト時代の1990年1月31日、モスクワのプーシキン広場にマクドナルドのロシア1号店をオープンし、自由主義、資本主義の象徴であるビッグマックを味わおうと、3万8,000人あまりの人々が何時間も並んで待ったという。それがプーチン大統領による1つの決断によって、ロシアは30年ぶりのソビエト連邦へと回帰しようとしている。

正に、今回の侵攻は新冷戦・新ソビエト連邦に向けてロシアが動き出したといえるだろう。

避けられない日露関係の悪化

そして、日本も欧米諸国と足並みを揃え、ロシアへの経済制裁を強化しているが、それによる日露関係悪化は避けられない。在日ロシア大使は日本に対して対抗措置を講じることを先月示唆したが、プーチン大統領は3月9日、ロシアが実効支配する北方領土へ進出する企業に対して、20年間に渡って税金を優遇する措置を盛り込む法案に署名した。プーチン大統領は長年北方領土の経済開発を重視してきたが、これもロシアへの経済制裁を強化した日本への対抗措置の一環だろう。

日本の経済に与える影響は？

既に我々の日常的な経済活動にも影響が出ている。たとえば、日本各地で売られる鮭やホッケなどは、ロシア産が全体の多くを占める。先日、偶然筆者は近所のスーパーを訪れ店員に尋ねたが、「ロシアから魚が取れなくなると必然的に価格を引き上げることになる」と不安そうな顔をしていた。また、ロシアは世界最大の小麦輸出国であり、それが入ってこないとなると、パン屋やうどん屋など小麦を使う飲食店は必然的に材料価格の上昇に遭う。

石油の9割を中東に頼っているように、我々日本は資源に乏しく、その多くを海外に依存している。ウクライナ侵攻は遠い国のことに思うだろうが、それはまったく危険な考えであり、それによる経済制裁の拡大、長期化によって我々の私生活は大きな影響を受けるのである。Z世代はそのことを十分に考えてほしい。