POSTED BY オオモト ユウ掲載日 APR 30TH, 2022

【マニアが伝授】海釣りで注意すべき10カ条とは?

新型コロナウイルス感染症の流行により、人との距離が確保しやすい屋外レジャーが見直されつつある。水辺の代表的なレジャーである「釣り」もにわかに注目されてきており、釣具店には入門用の道具を買い求める人が目立っている。しかし、急激な釣り人口の増加に伴って、マナーや安全に対する意識の低さなどが問題化しているのもまた事実。実際、ベテラン釣り師や漁業関係者、地元住民とのトラブルが増えた結果、釣り禁止の措置がとられた場所も増えている。そこで今回は、入門者が注意すべき10の基本事項を紹介。これ以上、貴重な釣り場が減ることがないよう、必ず覚えておこう。

目次

【その1】ゴミの持ち帰りは当たり前

人間の営みがある限り必ず付いて回るゴミ問題。環境保全の意識が高まったこともあり、水辺でも厳しい目が注がれる対象となっている。にもかかわらず、堤防や磯場にはレジャーを楽しむ人が出したゴミが散らばり、地元住民やその場所に通う人に悪い印象を残している。そういったゴミの不法投棄はもちろんマナー違反であり、それが高じた結果、釣り禁止の措置が講じられた例は枚挙に暇がない。持ち込んだ釣り道具や食料品から出たゴミはすべて持ち帰り、釣り場に残さないようにしよう。

また、足元にこぼれたエサを洗い流してから帰るのも最低限のマナー。こぼれたエサから放たれる腐敗臭は特に強烈。専用のロープ付きバケツで海水を汲み、ザバッと流すだけでよいので、忘れずに行おう!

【その2】ライフジャケットは正しく着用しよう

気温が上がってくると水辺の人出が増加するが、悲しいことに不意の落水による死亡事故は毎年多く発生している。それを防ぐためにも、釣りを楽しむ際にはライフジャケット(釣り用の救命胴衣)を身につけることをおすすめする。近年は3,000円程度と手頃な商品も販売されており、費用面の負担も軽減されている。

せっかくライフジャケットを購入しても、正しく着用しなければ安全は担保されない。前開きのファスナーは必ず閉め、下部のヒモは必ず股を通す。これを徹底しないと落水時に脱げてしまう可能性があるため注意しよう。

【その3】最低5mのディスタンスを確保

ここ2年ほど、「ソーシャルディスタンス」の徹底が叫ばれて久しいが、釣り場でもこれは同じ。魚が釣れている場所を見つけるとつい近寄ってしまいたくなるが、それはご法度。釣り場では隣の人と5m程度の間隔をとり、投入や竿さばきの動作の邪魔にならないようにするのが基本である。また、後から入る場合は周囲の釣り人とコミュニケーションを取り、トラブルを起こさないように注意しよう。こういったマナーを守らなかったことにより、釣り人同士のトラブルが起こった例も多い。せっかくの休日を気持ち良く楽しむためにも、無用なトラブルは避けたいところだ。

【その4】毒魚&危険魚の取り扱いには要注意

海辺には毒棘を通じて痛みを感じたり、体の一部が痺れる成分を注入したり、切り傷を負わせたりする「毒魚」や「危険魚」が多く存在する。

当連載では過去に要注意な顔ぶれを取り上げているが、種類が多いので覚えきれないかもしれない。昔は図鑑を持ち込んで検索するのが普通だったが、現在はインターネットを利用して調べればたいていの魚種は特定できる。

わからない場合は決して素手で触れず、メゴチバサミやフィッシュグリップといった専用の魚つかみを使って取り扱うのが安心。調理用のトングでも代用が可能だ。

【その5】立入&駐車禁止場所には入るな!

ゴミ問題と並び、釣り人に厳しい視線が注がれる原因となっている立ち入り禁止問題。砂浜や磯場といった海辺は自由に利用できる場所が多いが、堤防や漁港は自治体や所有者によって立ち入りや利用が制限されている場所がある。特に設置したフェンスなどを乗り越えての入釣は当局へ通報されることもあり、厳に慎む必要がある。

駐車についても同じ。漁業関係者の作業スペースや通路を塞ぐなどの迷惑行為により、釣り人を閉め出した例はかなり多い。こういった情報は近隣の釣具店や釣り雑誌などを使って事前に調べておき、現地の看板や注意書き等も確認した上で利用するのが無難といえる。

【その6】海や天気に関する情報はこまめに収集を

山や海は市街地と比べて天候が不安定。急に雨雲が接近したり、波が高くなtたりすることは日常茶飯事であり、こういった急変にはベテランや遊漁船などの専門業者も常に気を配っている。前日までに詳細な天気の推移や風向き、風の強さの推移、波の高さなどを調べておき、極端な予報が出ている際は無理な釣行を控えるようにしたい。

ちなみに筆者は、「Yahoo!天気」「tenki.jp」「GPV気象予報」「Windy」といったサイトを見比べ、風や波、天気の推移を判断している。情報は数時間ごとに更新されるので、常に最新の内容を把握するのが万全だ。

【その7】堤防や岩場では滑落に注意

水辺で発生する事故において、その原因となりやすいのが滑落である。つまり、足場が不安定な場所から何らかの理由で落水したもので、その多くは滑ってバランスを崩したことに起因する。

釣りの世界では「周囲と色が違う場所に立たない」という基本事項がある。これは、濡れていたりコケやノリといった植物が付着していたりするためで、普通のスニーカーではグリップしないことがよくある。対策として、ベテランはフェルトやスパイク底の履物を着用するが、入門者はとにかく乾いた場所に立つことを心がけ、己の安全を守るようにしよう。

【その8】船への迷惑行為は厳禁

言うまでもなく、漁港や堤防、岸壁といった場所は漁業従事者や水運関係者などの職場である。釣りなどレジャーを楽しむ場合は「利用させてもらっている」立場なので、船が通る際の投入や仕掛けの入れっぱなし、停泊している船への立ち入りなどは絶対にしないこと。

また、船を係留するためのロープに仕掛けを絡ませる行為も各地で問題となっているので、なるべく船の周りでは竿を出さないように心がけてほしい。

【その9】トラブルの元は頭上にも

釣りをしているとつい海のほうに目を向けがちだが、実は頭上にも危険は多い。最も注意すべきは電線。漁港や堤防には、常夜灯へ電気を供給する電線が伸びていることが多く、これに仕掛けを絡ませるトラブルが後を立たない。最悪の場合、電線の破損や感電の恐れもあり、特に道具の扱いに不慣れな入門者は場所を選んで楽しむようにしたい。

また、頭上で「ピョロロ〜♪」という音が聞こえたら、これにも要注意。その音はトンビという鳥の鳴き声で、上空を旋回しながら食料を探しているのだ。決して人に襲いかかるような鳥ではないが、手に持ったパンやおにぎり、釣れた魚などを見つけると上空から音もなく近づいて奪い取っていくので、空にも注意を払うようにしよう。

【その10】テトラポッド・夜間の釣りは「危険の巣窟」

濡れた場所やコケが生えた場所が危ないことは先に述べた通りだが、不安定な場所や環境で釣りをするのも、入門者には危険な行為である。

代表的なのが、「テトラポッド」などと呼ばれる消波ブロックからの釣り。本来、打ち寄せる波の威力を減衰させるために製造・設置されたもので、人が乗ることは想定されていない。そのため角度が付いていたり、表面が滑りやすかったりして足場としては非常に不安定。しかも、積み上げることで生じた隙間に落ちてしまうと脱出が困難で、これは死亡事故が多発する要因にもなっている。ライフジャケットを着用していても、狭い隙間で波に揺られれば大ケガは避けられない。釣り場の候補から外して考え、決して上に乗らないように。

また、夜間の釣りも事故が起こりやすく、入門者にはおすすめできない。夜間は海の変化を確認しにくいのはもちろん、日中は無意識に避けているちょっとした段差や構造物につまずいて落水やケガ、道具の破損といったトラブルがおこりやすいからだ。初めのうちは日中の釣りをメインに楽しみ、慣れてきたタイミングやベテランが同行する場合のみ、夜の釣りにチャレンジするのが無難であろう。

ここで挙げた10項目以外にも注意点はあるが、まずはこれらを頭に入れておこう。せっかくの休日を有意義に楽しめるよう皆でマナーを守り、安全に水辺のレジャーを満喫してほしい。

オオモトユウ
編集者/ライター/フォトグラファー

スポーツウエアメーカー勤務、雑誌編集などを経てフリーライターに。好きなことを仕事に選び続けた結果、周囲からは「ラクをして生きている」と思われているのが悩み。四国、北海道については愛車で単独周遊済みなので、九州に照準を定めている。旅先での酒場巡りとノルウェー旅行の再開に思いを募らせる日々。

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