POSTED BY 倉田直子掲載日 NOV 28TH, 2020

【世界のニューノーマル最前線オランダ】次々生まれる買い物時の新ルール

こんにちは。オランダ在住ライターの倉田直子です。コロナ禍が発生してから数カ月、オランダでもさまざまな新ルールが誕生してきました。中でも、人々が生活のために必ず訪れることになる「買い物」の場面では、細かな規制をせざるを得ない場合があります。今回は、オランダの買い物における新ルールをご紹介したいと思います。

目次

政府が買い物ルールポスターを作成

政府のHPからダウンロードできる買い物ルールポスター

新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンが始まってすぐ、オランダ政府は買い物に関する細かい推奨ルールを設け、それをホームーページに掲載しました。そして店舗が買い物客に対してアピールするため、ポスターをダウンロードできるように手配したのです。それが上の写真で、書かれている項目は以下のようになります。

・体調が悪い時は買い物を控えて、なるべくオンライン通販の活用を
・買い物は、可能な限り一人で
・店員や他の買い物客から、1.5mの距離を保って
・支払いは、デビットカードまたはコンタクトレス決済で
・商品に触れるのは、必要な時だけ
・買いだめはせず、いつも通りの買い物を。そうすれば全員に行きわたります

さらに、写真のポスターの上の丸に手書きで「4」と書かれています。これは、店内で顧客やスタッフ間の距離を1.5m保つためには、最大4名しか同時に入店できないというサインです。

IKEAの前に行列するオランダ人たち


そういった理由から、オランダではさまざまな店舗の前で行列が発生するようになりました。これは、IKEAの前で行列する人々の様子です。

店内ではカートや買い物かごを持つのが新ルール

スーパーマーケットの入り口に置かれた消毒液と買い物ルール

生きるために必要な食料を取り扱うスーパーマーケットは、ロックダウン中も来客が途切れることがありませんでした。そのため、一般のお店よりも厳重な警戒が必要です。

上の写真は、スーパーの入り口に設置された、手や買い物かごを消毒すためのサニタイザー。また、顧客同士が1.5mの距離を保つため、さらに店内の人数を把握するために、買い物かごやカートを必ず持つよう言われています。そのため、サンドイッチひとつだけ買いたい時でも、大きなカートを転がしながら店内を歩かなくてはいけないのです。これは少し不便だなと感じます。

スーパーの支払いは「非接触」

レジ前のアクリルボードと、非接触型の決済システム

オランダのスーパーマーケットには、早い段階から会計スタッフの前に飛沫防止のためのアクリルボードが設けられました。テープでの補修が、年季を感じさせますね。

このアクリルボードの目の前にあるのが、デビットカードの支払い機。もともとオランダでは、コロナ禍前からデビットカードでの支払いが普及していましたが、今ははそれが加速しています。

また、支払いした後のレシートは、写真右下にあるようなプリンターから排出されるので、顧客本人がセルフでこれをピックアップします。コロナ禍以前は、店員がレシートを手渡してくれていました。店員と顧客の接触を極力まで減らそうという意図が感じられます。

お年寄りのための買い物時間も

ロックダウン初期に買い占められたスーパーの棚

コロナ・ロックダウンが世界各地で発生し始めた頃、さまざまな国で「買い占め」の問題が発生しましたよね。ここオランダもそれは例外ではなく、食料やトイレットペーパーなどの棚がスカスカになってしまうタイミングもありました。

お年寄り専用の時間帯を表示するスーパーの張り紙

そのためいくつかのスーパーでは、「買い物弱者」であるお年寄り専用のお買い物時間を設けていました。見えにくいですが、上の写真では、店舗入り口に「平日の朝7時から8時は、70歳以上の方専用の時間帯とします」と書かれています。

とはいえ、次第に人々の買い占めパニックが収まり、商品が問題なく棚に並ぶようになった頃にこの新ルールはフェイドアウトしていきました。それでも、オランダ社会の柔軟な対応姿勢に感銘を受けました。

今後もお買い物ニューノーマルが続々と

スーパーの店員がマスクをすることを告知するポスター

実は2020年12月1日からは、買い物の際のマスク着用も義務化されます。正確には、屋内の公共施設でのマスク着用の義務化なので、屋外の市場などには適用されませんが。

これからも恐らく、オランダではお買い物の際のニューノーマルが続々と誕生することでしょう。消費者も、柔軟にアップデートしていかなくてはいけない時代ですね。

※記事の内容は、2020年11月現在の情勢を反映しています

[All Photos by Naoko Kurata]

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倉田直子
クラタナオコ/ライター/タイニーハウス・ウォッチャー

2004年にライターとしてデビュー。北アフリカのリビア、イギリスのスコットランドでの生活を経て、2015年よりオランダ在住。主にオランダの文化・教育・子育て事情、タイニーハウスを中心とした建築関係について執筆している。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」(https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/)

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