セール開始から間もなく商業施設が閉鎖

毎年夏と冬に2回、4週間に渡って行われるフランスの大規模なセール（SOLDE）。例年であれば、このセールを目的に当地へ足を運ぶ観光客も珍しくないほど、人気の高いイベントのひとつです。

今年の冬季セールは2021年1月20日からスタートしたのですが···。

なんとセール開始から10日で、ショッピングモール（2万平方メートルの大型商業施設）が閉鎖するという事態に。施設内の食料品を扱うスーパーや薬局の営業は認められているものの、服やシューズを扱うブティックはすべてクローズすることになったのです。

この背景には、未だ不安定な感染状況が続いていることや、“人が多く集まる大型商業施設では感染リスクの回避が困難”といった理由が挙げられます。

冬季セールのびっくり体験談

ここ最近忙しかったこともあり、ショッピングモールが突如クローズになったことに気づいていなかった筆者。胸をワクワクさせながら2月2日に郊外のモールを訪れたところ・・・、シャッター通りと化した光景に驚くとともに、心が折れそうになったのでした。

辺りを見回してみると、大型スーパーとチョコレート専門店は営業中・・・。ということで、この日はチョコレートを買って帰ることに。ストレスを感じると甘いものが欲しくなるのは、本能なのかもしれません。

前代未聞！セール期間が延長に

さて、そんなびっくり体験をさらに上回る出来事が先週ありました。2月16日までとされていた冬のセールが、なんと3月2日まで延長となる旨をルメール経済·財務相が発表したのです。

実はここフランスでは、セールの開催期間から価格表示、扱うセール品に至るまでが政府により細かく規定されており、セール期間が延長されるなんて前代未聞。

※なかなかユニークなフランスのセール事情については、姉妹サイトTABIZINEの記事「ありえない！ 日本人がフランスのセールで驚いたこと5つ 」をご覧ください。

セール延長の理由とは？

フランスは2021年1月16日から現在に至るまで、夕方18時～翌朝6時まで外出禁止とされていて、スーパーなど食料品を扱う店を含め、すべての商店は18時に閉店、個人的な理由による外出は禁止。おまけに、日曜は日お店がほぼ閉まっています。

つまり、平日の日中に仕事をしている人は、土曜日にしかショッピングに出かけられるチャンスがないわけです。ビジネスパーソンからは「今年は冬のセールになかなか足を運べない」という声もちらほら。

通常であれば小売店は19～20時半頃まで営業しているので、夜間の外出制限による打撃は大きく、また前述の通りショッピングモールに入店しているお店は営業停止の状態です。このため、セール期間を延長することで、小売店のニーズに対応する形となったのです。

トゥールーズ市内で感じたセールの様子

ショッピングモールが閉鎖中のため、当然ながら客足は市内のブティックに集中します。筆者が暮らしている南仏トゥールーズの中心部では、平日の午後にも関わらずこのセール期間中は人通りがとても多く、店の前に列を作って並んでいる人たちも見かけました。

政府により小売店の人数制限がかけられているので、人気のブティックには並ばないと入れないのです。フランス人が店の前に列を作っている様子を見ることはこれまでほとんどなかったので、これもコロナ禍によるニューノーマルかも。

最終的には、期間延長という形で落ち着いた2021年の冬季セール。実は当初2021年1月6日～2月2日と予定されていた期間が延期になり、最終的には1月20日から開始したセールが2週間ほど延長されることになったりと、コロナ禍により目まぐるしく変わるニューノーマルを実感する日々です。

[service-public.fr]　
[economie.gouv.fr]　
[在マルセイユ日本国総領事館]　
[leparisien.fr]　
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	sweetsholic ライター／パティシエ／ときどき通訳
	海外を放浪しながら気ままな人生を謳歌しているフリーライター、パティシエ。現在の居住地は南フランス。海外のライフスタイルや、各国で学んだお料理などをみなさまと共有できればと思っています。 世界の文化とスイーツ、地中海料理、マレーシアが大好き。 著者のプロフィールを詳しく見る

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