POSTED BY 青山沙羅掲載日 DEC 5TH, 2020

【世界のニューノーマル最前線・NY】コロナ禍で変わった人生 | 現地の本音2

アメリカ合衆国ニューヨーク在住のフリーランスライター青山沙羅が、現地のニューノーマルな生活をルポする当連載。
前回に引き続き、コロナ禍以降大きく変わった人生について、ニューヨーカーの本音を聞いてみました。
[Photo by Hideyuki Tatebayashi ] Do not use images without permission.

目次

コロナ禍以降「人生がどのように変わったか」教えてください

世界最多の感染者を抱える国アメリカで、コロナ禍が始まってから8カ月が経ちました。その中で「人生がどう変わったか」、「どう感じているのか」、ニューヨーカーに本音を語ってもらうことにしました。今回は、南米系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、日本人の3名です。

ニューヨーカーD<南米系アメリカ人 30代女性/英語学校教師>

ノリの良いラテン系にしては、生真面目でまっすぐな性格の英語学校教師。独身。ニューヨーク市クイーンズ区在住。

リモート勤務による、交通費や通勤時間、服選びのストレスからの解放

マンハッタン勤務でしたが、コロナ禍によりリモートへ。平日は午前8時30分から午後6時まで、朝のクラスと午後のクラスを教えています。リモート勤務のよいところは、交通費(ニューヨークでは、交通費が別途支給されない場合が多い)と通勤時間が節約できること。また、服選びや化粧、ヘアスタイルに悩むこともなくなり、ストレスから解放。自宅から着心地のよい普段着で教えられるのは快適。

現在はオンラインクラスで教えている。でも本当は、直接生徒に教えるのが好き

写真はイメージです

上記の利点があっても、カメラやコンピューターを通して教えるよりも、ホワイトボードの前で直接教える方が好きです。生徒の反応や感情がすぐに伝わりますから。オンラインクラス(Zoom)のためには手持ちのPCではスペックが足りず、Macのコンピューターを新調する出費もありました。

コロナ禍により次々と生徒が帰国。さよならさえ言えなかった

コロナ禍により、留学生の多くがニューヨークを離れ帰国

英語学校の生徒たちは、世界各国からニューヨークに集まっています。せっかく親しくなったのに、コロナ禍が起こり、生徒たちは急遽次々と帰国。顔を見ることもなく、さよならを言う暇さえありませんでした。元気にしているのかと、時どき思い出します。

ニューヨーカーE<アフリカ系アメリカ人 30代男性/私立学校教師>

ジムで鍛えたマッチョなガタイを持つ、穏やかな知性派。マンハッタンの私立学校勤務で、アジア系の奥様と2人家族。お隣のニュージャージー州在住。

時間の余裕を利用してキャリアのステップアップ

写真はイメージです

私はマンハッタンにある私立学校で教師をしていますが、コロナ禍によりリモートへ。通勤による時間のロスがなくなった機会を利用して、キャリアのステップアップを図りました。私たちが住むニュージャージー州の公立学校の教師として働くために50時間のコースを修了し、試験に合格したのです。かねてから希望していたことでした。

2020年は、スポーツジムの閉鎖でトレーニングができなかった

コロナ禍以降2020年は、毎日行っていたスポーツジムへ行けなくなったのは残念(通勤前にスポーツジムでトレーニングをして、肉体の鍛錬が日課だった。2020年8月末にジムは5カ月ぶりに再開を許可され、現在はマスク着用で利用可能だが、感染をおそれて奥様が許可しないのかも?)。

新型コロナウイルス感染で亡くなった、叔父の葬式に出席できなかった

2020年夏に、叔父が新型コロナウイルスに感染し、亡くなりました。残念ながら、葬式には出席が叶いませんでした。他州に住む姉妹たちを訪ねたり、休暇旅行へ行くことも2020年はできませんでした。

ニューヨーカーF<日本人 40代女性/日系企業勤務>

東京都出身、日系企業勤務。男子高校生とご主人の3人家族。ニューヨーク市クイーンズ区在住。2020年末解散予定のアイドルグループ嵐の大ファン。

社内で業務変更があり、仕事内容が変わった

コロナ禍により、社内の業務移動あり。出勤日と勤務時間が少なくなりました。

時間にゆとり。季節感を味わう散歩や凝った料理を楽しむ

出勤日が減ったことにより、時間に余裕ができました。朝夕にゆっくり近所を散歩して、季節感を味わうのは、時間に追われた今までにはないこと。料理は手をかけて凝ったものを作るようになり、部屋の片付けや断捨離も実行。

勤務時間が減り、減収へ

多くのニューヨーカーが減収あるいは失業の憂き目に遭っている

出勤日と勤務時間が減ったことにより、減収へ。新型コロナウイルス感染拡大の早い収束を願うばかりです。

ニューノーマルに向かい合うニューヨーカーたち

前回に続いて、ニューヨーカーに本音を語ってもらいました。コロナ禍により得たもの、失しなったもの。そして「また明日会える」と思っていた人たちと気軽に会えなくなったこと。友人や家族ではなくても、関わった人とのつながりが人生を支え、彩りを添えてくれていた重要性にも気づかされました。

日本からは遠く離れたニューヨークですが、ニューヨーカーの本音とあなたの本音はそれほど距離がないかもしれませんね。

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青山沙羅
アオヤマサラ/ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日(PIE International、2020年3月)』。

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