POSTED BY フレッチャー 愛掲載日 MAY 18TH, 2021

【世界のニューノーマル最前線・UK】副作用は?コロナワクチン体験レポート

2021年5月現在、筆者が住むイギリスでも着々と新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいます。そこで今回は、筆者が受けたワクチン接種の実体験を振り返りながら、接種までの様子や「接種の際に気を付ければよかった」と感じたことをレポートしていきます。

目次

イギリスのワクチン接種状況は?

イギリスはパンデミックの早い段階から、新型コロナウイルスのワクチン開発、治験、承認、生産を急ピッチで進め、2021年1月初旬からは大々的にワクチン接種が開始されました。サッカースタジアムや世界的に有名な大聖堂などを次々にワクチン接種会場とし、1日に約50万を超える人がワクチン接種を受けています。

2021年5月中旬現在、ほとんどの高齢者や医療従事者が2回の接種を完了し、加えて、その他の人を含む人口の3分の2以上が1回目のワクチン接種を終えている状況です。

ワクチンの順番が回ってきた!

2021年4月末、40代・基礎疾患なしの筆者にもついにワクチン接種の番が回ってきました。ということで、ここからは筆者の体験談をレポートしたいと思います。

携帯電話にメールで連絡が来る(筆者撮影)

イギリスでは、ワクチン接種は地方自治体ではなく国が一元して進めています。そのため、「ワクチン接種の予約を取ってください」というメッセージは、NHS(国民健康サービス)から届きました(数日後に同内容の手紙が郵便でも届きました)。指定されたリンクから該当ページに飛ぶと、接種場所と日時を2回目分まで予約することができました。

ワクチン接種当日の様子

オックスフォードのサッカースタジアム(筆者撮影)

オックスフォードに住む筆者の場合は、自宅から車で15分ほどの場所にあるサッカースタジアムでワクチン接種を受けることに。とにかくボランティアやスタッフの数が多く安心感があり、駐車場所も丁寧に案内してくれました(駐車場には、ビジネスチャンとばかりに洗車サービスも併設されていましたが・・・)。

まずは入り口で予約時間を確認。予約時間が1時間早い夫も一緒に訪れましたが、まったく問題なしで会場に入れてくれました。次に受付で受付で予約内容や名前の確認後、20個ほどあるブースでワクチン接種を受けます。ここでも、名前や住所、アレルギー反応の有無を確認し、車で来ている場合は最低15分待機してから帰るようにとも伝えられました。

いよいよワクチンの接種ですが、これ自体は待ち時間ゼロで所要時間もたったの5分程とあっさりとしたものです。イギリスでは、ワクチン接種は必ずしも現役看護師によるものではありません。退職した元看護士や薬剤師、またフィジオセラピスト(整体師)などの、何らかの医療知識を持つ人がトレーニングを経て接種を手伝っている場合もあります。

筆者に接種を行ってくれた人は、セミリタイヤされた看護師の方で、もちろん有償ではあるものの、1日12時間で150人以上に打つ日もあるそうです。

オックスフォード・アストラゼニカの気になる副作用は?

40歳以上はワクチンの種類は選べず、当日あるものを打ってもらいます。筆者の場合は、地元ということもあるのかオックスフォード・アストラゼニカでした。ただし、40歳未満は副作用である血栓のリスクが上がると言われていること、また、新型コロナウイルス自体のリスク低下を踏まえて、別のワクチンを選択することも可能です。

副作用に関する説明はかなり丁寧(筆者撮影)

オックスフォード・アストラゼニカを接種後の筆者が体験した副作用は下の通り。

1. 打った当日から次の日まで注射したた腕に鈍痛(毎年接種しているインフルエンザのワクチンと変わらない程度)

2. 接種から12時間後ぐらいから、手、指、肩、背中などの関節痛と震え。インフルエンザやたちの悪い風邪のかかり始めに似た感覚

3. その後38度5分ほどの発熱と悪寒。アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)を服用して熱は収まりました

4. 翌日も引き続き熱とひどい倦怠感

5. 接種から1日半ほどで、上の症状すべてがすーっと消えて体調回復

このように、副作用自体はいずれも深刻ではない程度のものでしたが、周囲の人の体験を見聞きすると、若い人ほど副作用や副反応が出にくいよう。また、50代以下はまったく副作用が出ない人は少なく、半数ほどが軽い倦怠感や頭痛程度の軽い症状で、もう半数が寝込むほどの発熱や強い倦怠感を覚える。という印象です。

ワクチン接種に備えて気を付けたいこと

1回目の接種を踏まえて、2回目のワクチン接種に備えて気を付けたいことがいくつか見えてきました。

1.効率よく接種が進む会場でもたつかなように、脱ぎ着をしなくてよい半袖で行く(カーディガン+Tシャツがおすすめ)

2.夫婦で同日予約することを避ける
夫と同日にワクチン接種を受けましたが、2人ともできればベッドに横になっていたいぐらいの副作用がありました。2人ともダウンすることは避けたいので、できるだけ同日に接種を受けるのは避ける方がベター

3.解熱鎮痛剤(パラセタモールなど)や体温計を用意
自身の体調を把握するのに有効な体温計と、日常で使い慣れている解熱鎮痛剤を事前に用意しておくと安心です

4.次の日は休日に
接種した日の夜や次の日は本調子でないことが多いこともわかりました。万が一に備えて、仕事もバックアップを考えておくのがおすすめ。また、簡単に食べられるものを準備しておくのもいいかもしれません。

やればできる!イギリスのワクチン政策

イギリスに住む多くの日本人がこのワクチン政策を通してきっと思っているだろうこと、それは「イギリスも、やる気になればできるではないか!」ということです。日本に比べるとむなしくなるほど、イギリスには「不便で効率の悪い」ことがたくさんあります。ところが、このワクチン政策はいい意味で期待を裏切ってくれました。

「ワクチンに懸ける」というイギリス政府のブレない信念、それをバックアップする国民の気持ちがひとつになって、柔軟性を持って効率よく進んでいるように思えます。ワクチン接種にあたって、ボランティアの方たちの活躍も大きく、本当に気持ちの良い対応で、安心してワクチン接種を受けることができました。また、受ける側も「仕事でこの日は無理」というようなことを言う人は皆無。連絡が来れば、「ワクチン接種最優先」で仕事や予定をキャンセルする人がほとんどです。

ということで、今回は、イギリスの国としての強さをあらためて感じることができる、新型コロナウイルスのワクチン接種体験となったのでした。

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フレッチャー愛
フレッチャーアイ/イギリス在住ライター

20代のころからイギリス在住。科学者。フットボールに夢中な男の子の母親として奮闘中。ヨーロッパ各地のマーケット(蚤の市)散策、ワイン、見晴らしのよい絶景スポット、特に海が大好き。

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