POSTED BY 青山沙羅掲載日 JUN 29TH, 2021
【世界のニューノーマル最前線・NY】ニューヨークは非常事態宣言を終了!コロナ収束へ
アメリカ合衆国ニューヨーク在住のフリーランスライター青山沙羅が、現地のニューノーマルな生活をルポする当連載。
ワクチン接種率が70%を超え、2021年6月24日に緊急事態宣言を解除したニューヨーク。最大の感染都市だったニューヨークは、世界の中でも早い収束へ向かいました。現在の状況について、ニューヨーク在住の筆者がレポートします。
目次
ワクチン接種率が70%を超えたニューヨーク
クオモNY州知事は2021年6月23日、州内で18歳以上の71.2%(CDC 米国疾病予防管理センターによる統計数)が新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも1回接種した結果、検査による陽性率は7日間の平均で0.36%まで減少したと発表しました。
ニューヨークでは街中はもちろん住宅地でも、ワクチン接種施設がどこにでもあり、2021年6月現在、待つことなくワクチン接種が可能。移動式施設のワクチンバスも見かけます。
2021年6月24日 緊急事態宣言を解除
こうした状況を鑑みてクオモNY州知事は、2021年3月に発令した非常事態宣言を2021年6月24日に終えると発表。
世界最大の感染都市ニューヨークで、世界でもいち早くコロナが収束へ向かったとはうれしい限りです。2020年の非常事態宣言発令以降、収束までには2〜3年かかるのではと言われていました。ゴーストタウンになったニューヨークでこの先どうしたら良いのか途方にくれたのは、つい最近のことのように感じます。
■参照
Governor Cuomo Announces New York Ending COVID-19 State Disaster Emergency on June 24 - NY GOV JUNE 23, 2021
米ニューヨーク州 新型コロナの非常事態 24日終了 知事が発表 - NHK 2021年6月24日 13時12分
現在のニューヨークはどう変わったのか
政府の発表ではコロナ感染拡大の収束へ向かったニューヨーク。2021年6月現在、感染拡大予防のための規制はほぼ解除されています。街の様子はどのように変わったのでしょうか。
マスクが消えたベンダー(屋台)
2020年にニューヨークで非常事態宣言が発令された後、ストリートには多くのマスクのベンダー(屋台)が出現しました。マスク不足の時は高値で売られ、マスクが行き渡ってからは、デザインを凝らしたマスクがずらりと並びました。
先の写真と同じ、アフリカ系女性が商売しているベンダー。2021年6月には店頭からマスクが消え去り、夏の外出対策グッズの帽子やマスクが並びました。ビジネスは臨機応変が大切です(笑)。
レストランでは定員100%、営業時間の規制なし、店内での飲食可能に
世界最大の感染都市ニューヨークが収束へ向かった理由の一つには、店内での飲食禁止を徹底したことにあると思います。飲食店は行政の要請に従い、テイクアウトとデリバリーのみで営業。かなり厳しい状況で持ちこたえることができず、閉店した店も多かったのです。
経済再開が順次始まってからも、アウトドアダイニング(店外での飲食)のみ許可され、店内飲食が認められたのは2021年2月のバレンタイン前(バレンタインは、レストランが一番忙しい日)で、定員のわずか25%というものでした。
現在は店内飲食可能、営業時間規制なし、定員100%と、コロナ禍以前の様子に戻りました。ショッピングモールのフードコートは満席で、皆食事を楽しんでいます。ガランとしていたフードコートに、活気が戻ったのです。
地下鉄の乗客が増えた
2021年2〜3月頃まではガラガラだった地下鉄は、5月頃から混んできて、6月現在は以前の8割に近い乗車率。現在でも地下鉄内ではマスクは必須ですが、時々していない人や車内で飲食する人も。気が緩んできているのだと思いますが、今はまだ止めてほしいなあとも。
観光客誘致に力を入れるニューヨーク
セントラルパークやタイムズスクエア、ソーホー、ビレッジ、チャイナタウンなどには観光客が戻ってきています。大きな旅行鞄を持った観光客を、地下鉄内でしばしば見かけるようになりました。2階建ての観光バスも観光客を乗せて走り回っています。テレビでも、観光客誘致のCMを盛んに流すようになりました。
ニューヨークではもうマスクをしていないのか
観光客や若い人はマスクをしていない
ニューヨークでのマスク着用の状況はというと、筆者の見るところ、マンハッタンの観光地では観光客の多くが、また、白人や若い人も未着用が多いように思えます。一方で、一般的なニューヨーク住民はまだしっかりマスクをしています。このことからも、マスクの有無で住民なのか旅行者(あるいはコロナ禍の時ニューヨークから避難していた人)なのかを判断できるような気がします。
マスクつける?つけない?実際にはまだバラバラ
2021年6月現在、公共交通機関や医療施設ではマスク着用義務がありますが、レストランや小売店、イベントなどでは、ワクチン接種完了者はマスク着用義務がなくなりました。
しかしながら、小売店は店主に判断を委ねることもあり、エリアによってバラバラです。マンハッタン・ビレッジあたりに住む人は、「マスクをしていると変な目で見られる」そうですが、筆者の住むクイーンズ区では、未だ「マスクをしていないと嫌がられる」状況です。筆者も屋内外とも、まだマスクは外せません。
マンハッタンの観光地ではマスクをしない店が多く、筆者の住むクイーンズ区では、小売店やコインランドリーにおいて未だ「店内ではマスクを着用してください」の張り紙がしてあり、ショッピングモールやレストランのスタッフもマスクをしています。ニューヨークの一般住民がこのように慎重だったからこそ、ニューヨークは「非常事態宣言」が一度だけで済んだのではないでしょうか。
ワクチンの有効期間は半年?
マスクを外せるのは、ワクチン接種を完了したから。でもワクチンの有効期間は「半年はもつ」程度の情報しかなく、2020年12月にアメリカで最初に接種した医療関係者などは半年以上が経過しています。この後、再びワクチンを接種する必要があるのか、現在は解明していません。筆者が2回目のワクチン接種をしたのは2021年4月ですから、2021年10月にはワクチンの効果が切れてしまうのか、冬に向かう時期でもあり不安なところです。
今後も引き続き、ニューヨークのコロナ収束への道についてお伝えしていきますので、参考になれば幸いです。
■参照
ワクチン免疫効果「少なくとも半年は持続」米・ファウチ博士 - NHK 2021年4月8日
[All Photos by Hideyuki Tatebayashi and Sara Aoyama] Do not use images without permission.
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青山沙羅 | |
はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日(PIE International、2020年3月)』。 |
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