POSTED BY 北 秀昭掲載日 SEP 8TH, 2021

宅配業界に革命か!?国も応援する「自動配送ロボット」が実用化に向けて加速

コロナ禍も拍車をかけ、慢性的な人手不足が問題となっている物流・宅配業界。特に物流拠点・スーパー・コンビニ・飲食店などから、届け先までの“ラストワンマイル”と呼ばれる短距離配送が滞っており、大きな課題となっています。このラストワンマイル問題の解決策として実用化が期待されているのが、自動配送ロボット。国内では今、実用化を目指してまざまな企業が、積極的に研究・開発・実験を進めています。

目次

長引くコロナ禍のもとで、インターネット通販の需要はますます拡大。また、ドライバーと受取人との遠隔・非対面・非接触のニーズも高っています。これらを解消してくれるのが、自動配送ロボット。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、2020年度から、予算3億円(2年間)を投じ、「自動走行ロボットを活用した、新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」をスタートしているのです。

国を挙げたこの事業は、2021年度も引き続き、IT、物流、飲食、自動車など、さまざまな業界の企業が参画。自動配送ロボットの実用化に向けた研究・開発・実証実験を行っています。そこで今回は、 “ラストワンマイル問題”の解決とともに、短距離配送の効率化を担う、自動配送ロボットを使った実証実験の模様をレポートします。

【ラストワンマイル問題とは? 】
物流の最終拠点から、エンドユーザーへ荷物を運ぶサービスにおける課題。昨今ではコロナ禍によるインターネットショッピング利用の激増により、配送の小口多頻度化が著しく進行。配送料金が適正でない、荷物量に対し人手が不足、再配達により業務効率が低下、などの課題が発生しています。

自動車メーカー「ホンダ」とIT企業「楽天」が共同実験を開始

ホンダが開発した自動配送機能を備えた車台に、楽天が開発した商品配送用ボックスを搭載。遠隔監視には楽天モバイルの通信回線が用いられている

自動車&バイクメーカー「ホンダ」と、楽天市場やプロ野球球団・楽天ゴールデンイーグルスでおなじみの国内ITの最大手「楽天」は、2021年7月19日~8月31日、茨城県にある筑波大学構内、また一部公道で、自動配送ロボットの走行実証実験を共同で実施しました。ホンダが長年研究してきたロボティクス技術と、インターネットショッピングの大手である楽天の配送サービスのノウハウを活用し、検証を行ったのです。

ホンダと楽天が共同開発した自動配送ロボット

この自動配送ロボットは、楽天モバイルの通信回線を用いて遠隔監視され、また、電力源にはホンダの交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を採用。これによって、充電を待つことなく配送サービスの継続が可能とされています。

この実証実験での技術検証・データ収集・ニーズ把握を踏まえ、自動配送ロボットを活用した商品配送サービスの提供を目指し、技術開発が継続される模様です。

「ENEOS」は3社共同で、飲食店やコンビニ商品のデリバリー実験を

ガソリンスタンドでおなじみの「ENEOS(エネオス)」は、2021年2月8日~2月26日、自動配送ロボットの製作で有名な「ZMP」、宅配代行サービス「エニキャリ」と共同で、東京都中央区佃・月島エリアにおいて自動宅配ロボットを活用したデリバリー実証実験を実施しました。

ENEOS(エネオス)のガソリンスタンドを起点に実験を展開

この実験では、コンビニのローソン、牛丼チェーンの松屋なども参画。エニキャリと共同構築するプラットフォームを通じて、対象となる住民からの注文を受け、宅配ロボット「デリロ」などを活用した配送実験を行いました。

飲食店やコンビニなど、複数店舗の商品を自動宅配ロボットでデリバリーする取り組みは、国内初。この実証により、自動宅配ロボットを活用した独自の配送インフラ構築に向けて、ロボット自動走行に関する正確性・安全性や配送コスト、配達時間、注文フォームの簡便性などの技術的・ビジネス的課題の抽出に取り組んでいく予定です。

上記は今回、ENEOS(エネオス)主導の実証実験に参画した企業や店舗

「京セラ」は北海道石狩市で実証実験をスタート

電子部品や半導体の大手「京セラ」は、2021年8月16日~9月中旬まで、北海道石狩市の公道(車道)で、無人自動配送ロボットによるロボットシェアリング型配送サービスの実証実験を実施しました。

従来よりも大型で高速なロボット(ミニカー)。サイズは全長2.5m以下×全幅1.3m以下×全高2.0m以下
今回の実証では、広域に渡る工業団地での共同利用・効率的な配送を想定

今回の実証実験では、地域内の事業者でシェアリングする無人自動配送ロボットが、小売店商品や企業間輸送貨物などをデリバリー。無人自動配送ロボットが、地域内の小売店商品や企業間輸送貨物を集荷、効率的なルートを選択・走行し、配送するのです。ロボットへの荷物の預け入れや、荷物の受け取り、ロッカーの開閉などはスマートフォンで管理します。

ロボット(ミニカー)には複数サイズのロッカー20個を搭載

これまで国内で実施されている自動配送ロボットの公道走行実証では、主に小型・低速のロボット(歩道走行が可能な電動車いすに準じた大きさ、速さのロボット)による歩道での走行が主流でした。

一方でこの実証では、広域に渡る工業団地での共同利用・効率的な配送を想定。従来よりも大型で高速なロボット(全長2.5m以下×全幅1.3m以下×全高2.0m以下のミニカー)に、複数サイズのロッカー20個を搭載し、車道を走行。無人の自動配送ロボットが車道を自動走行する試験は、国内初の取り組みとなります。

今回の実証実験ルート
今回の実証実験場所

国も積極的に自動配送ロボットの実用化を推進

2020年12月、政府は「国民の命と暮らしを守る、安心と希望のための総合経済対策」を閣議決定。「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」の一つに、「自動配送ロボットの精度設備」を挙げ、自動配送ロボットの公道使用を視野に入れた道路交通法や道路運送車両法など、一般公道での法律改正を目指す方針を示しました。

現在、警察庁の有識者検討会では、自動配送ロボットなどの「新しい移動手段」に関する交通ルールが議論されています。自動配送ロボットが、あなたの街や職場に行き交う日は、それほど遠くないかもしれません。

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北秀昭
編集者/ライター

神戸~東京築地~横浜~兵庫姫路~大阪京橋育ち。瓦敷き職人助手、空手師範代助手、ダスキ〇のお掃除部隊等に従事しながら高校・大学を卒業後、旅行グルメの編プロを経て、車やバイクに特化した出版社に勤務。バイク専門サイト「4ミニ.net」運営。 https://4-mini.net/

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