POSTED BY アンダルシア掲載日 FEB 22ND, 2022

【Z世代向け】「ロシア」ってどんな国？政治的視点から考える

最近は北京五輪の女子フィギュアでロシアの選手を巡ってドーピング問題が叫ばれているが、Z世代の皆さんはロシアと聞いて何を想像するだろうか。きれいな女性が多いという印象を持つ人もいれば、ロシアはちょっぴり怖い！という印象を抱く人も少なくないだろう。一方、ロシアを政治的に考えれば、日本との関係において多くの問題があると言わざるを得ない。そこで今回は、ロシアという国を政治的観点から考えてみたい。

ロシアが狙うのはウクライナだけではない？

今年に入り、ロシアがウクライナに侵攻するかしないかを各メディアが大きく報じているが、世界を見ると、ロシアが影響力を拡大しようとしているのは何もウクライナだけではないのだ。

たとえば、ロシアは中東でも力を誇示しようとしている。ロシア軍の情報によると、最近行われた地中海東部での軍事演習の際、ロシアは最新鋭の戦闘機や極超音速ミサイルなどを中東のシリアに配備。シリアは2011年以降、政府のコントロールが全領域に及ばない内戦と化しているが、ロシアはシリア政府を支援するために軍事的経済的支援を強化し、今日ではシリア南東部にロシア軍の軍事施設がある。侵略じゃないかと思う人もいるだろうが、シリア政府はそれに対してウェルカムであり、法的には問題はない。ロシアの海の多くは冬に凍ってしまうため、ロシアは凍らない地中海などへのアクセスを求めており、それがシリアへの展開の背景にある。

アフリカ各国との経済関係を強化

また、ロシアは経済的理由からアフリカを重視している。世界経済のなかでアフリカは最後のフロンティアとも言われているが、ロシアはスーダンと海軍基地の建設で合意したり、民間軍事会社を積極的に展開させたりすることで影響力を高め、それを梃にアフリカ各国との経済関係を強化したい狙いがあるのだ。

北方領土はどうなる？

さらに、ロシアは日本と領有権を争う北方領土でも経済開拓を強化するだけでなく、軍事演習を度々実施するなど日本を強くけん制している。シリアのケースと同じように、ロシアは凍らない太平洋へのアクセスを求めており、北方領土を日本に返還することはないだろう。北方領土は恵まれた漁業地域でもあり、ロシアは経済的にも同地域を重視している。

昨今メディアで報じされているウクライナは、ロシアが進める覇権活動の1つでしかない。米中対立が激しくなるなか、ロシアはその死角を突くように今後も各地域、各国での影響力増大を狙った活動を続けることだろう。ロシアは日本の隣国でもあることから、Z世代の皆さんも、今後のロシアの動きを経済的にも注視してみてほしい。