POSTED BY 北 秀昭掲載日 MAR 23RD, 2022

【フォルクスワーゲンバスがEVで復活】204馬力の「ID.Buzz」は自動運転機能付

ドイツの大手自動車メーカー・フォルクスワーゲンは欧州で2022年3月9日、新型の電動自動車(EV)「ID.Buzz(アイディ バズ)」を発表。ID.Buzzは「ワーゲン・バス」の愛称で知られる商用車「フォルクスワーゲン タイプ2(1950年より生産開始。すでに生産終了)」を彷彿させるワンボックスフォルムが特徴。欧州では2022年5月に先行予約が開始され、同年秋より本格的に市場投入。北米でも2023年に発売予定です。なお、日本での発売は未定となっています。

目次

【ファン待望の新型EV】フォルクスワーゲン「ID.Buzz」

新型EVのフォルクスワーゲン ID.Buzz。2022年3月21日現在、価格は未発表

2017年の米国デトロイト・モーターショーにてコンセプトカーとして発表された、電気自動車のフォルクスワーゲン「ID.Buzz」。これまで市販化に向けた情報が小出しにされてきましたが、2022年3月9日、ついに市販モデルとして正式発表されました。

レトロで個性的な外観から日本でも人気の高い、バススタイルの絶版カー「フォルクスワーゲン タイプ2」

ID.Buzzは日本のファミリー層に人気のワンボックスタイプ。フロント中央部にはビッグサイズのVWエンブレムを配置し、2トーンカラーに塗装。「ワーゲンバス」の愛称で知られ、現在も世界各地で愛されている絶版モデル「フォルクスワーゲン タイプ2」をイメージさせる、キュートで愛くるしいフォルムにデザインされています。

欧州での価格は未発表ですが、乗用仕様車「ID.Buzz」は750万円前後、商用仕様車「ID.Buzz cargo(アイディ バズ カーゴ)」は600万円前後(ともに日本円換算)になると見込まれます。

最高出力は204馬力!最高速度はリミッター制御ありだが145km/hを発揮

(写真左)5人乗りの乗用仕様車(写真右奥)3人乗りの商用バン仕様車

エンジン車であるフォルクスワーゲン タイプ2は、リア部にエンジン搭載+後輪駆動方式を採用。なお、電動モーターとバッテリーを動力とするEVモデルのID.Buzzも、リアタイヤを回転させる後輪駆動方式の「MEB」が採用されています。駆動方式を、主流の前輪駆動方式(FF)ではなく後輪駆動方式とするなど、タイプ2をイメージしたつくりがポイントです。

後輪駆動方式の電動モーターは、最高出力204ps(150kW)最大トルク31.6kgmのハイパワータイプを導入。最高速度はリミッター制御により、145km/hに抑制されています。

リチウムイオンバッテリーは実用容量77kWh(蓄電容量82kWh)。サンドウィッチ構造のバッテリーはフロア内にレイアウトされ、駆動系を軽量に仕上げたことで、低重心と良好な重量配分が実現されているのです。

ドライバーの着座位置を可能な限り車両前方に配置することで、優れた前方視界と広い室内空間を獲得

充電は交流11kW普通充電のほか、最大170kWの直流急速充電にも対応。直流急速充電は、仮にバッテリー残量5%の場合、約30分で80%までのチャージが可能です。

さらに、ID.Buzzは双方向充電にも対応しており、専用のDC双方向ウォールボックスを利用すれば、車両のバッテリーから自宅に電力を供給するV2H(Vehicle-to-Home)もOK。

また、キャンプなど屋外での使用も想定し、家庭用電気機器への電力給電も可能。災害時などの緊急事態にも対応してくれるなど、今時のEVでは常識のうれしいシステムも導入済みですよ。

乗車定員は欧州仕様が5名・ロンホイ化した北米仕様は7名

5人乗りの乗用仕様車

2022年秋より本格的に市場投入される欧州仕様車のサイズは、全長4,712mm、全幅1,985mm、全高1,937~1,938mm、ホイールベース2,988mm。全長はトヨタ ヴォクシー、日産セレナ、ホンダ ステップワゴンなどのクラスに相当します。

5人乗りの乗用仕様車。車中泊も余裕でこなせそうなスペースを確保

荷物収納スペースは、容量1,121Lを確保。2列目シートを倒せば、最大で2,205Lの積載も可能です。カーゴスペースは固定式パーティションで仕切れるなど、高い利便性を獲得。乗用仕様の室内は2列シートで乗車定員は5名。3人乗りの商用バン仕様車もあり、「ID.Buzz cargo(アイディ バズ カーゴ))」としてラインナップされます。

3人乗りの商用バン仕様車の荷物収納スペース

ID.Buzzの回転直径は11.1m。このボディサイズを持つモデルとしては、かなり小回りが効くのが特徴です。また、空気効力係数(Cd値)は0.285で、ワンボックスタイプとしてはかなり抑制されています。これにより、優れたハンドリングと俊敏性を実現しているというわけですね。

2023年に北米(アメリカやカナダ)で発売予定のモデルは、欧州仕様車をベースにロングホイールベース化(前ホイールと後ホイールの距離を延長)。北米仕様車は延長されたボディを活かし、3列シートを採用。前席2名、2列目3名、3列目2名の合計7名乗りとなる予定です。

【自動運転機能も導入】将来的には充電ステーションとのデータ交換も

ほとんどの操作はスイッチ類ではなく、センター部のタブレットで完結

ID.Buzzは、他の車両や交通インフラからの信号を利用してリアルタイムに危険を察知するローカルウォーニングシステム「Car2X」、緊急ブレーキ機能「フロントアシスト」を標準装備。なお乗用仕様車には、車線維持支援機能「レーンアシスト」も標準装備済み。

オプション扱いのトラベルアシスト機能は、全車速域での部分的な自動運転を可能にし、高速道路における車線変更のアシスト機能も導入。事前に保存したルートで自動駐車を行なう「メモリー機能」も採用されています。

ID. Buzzの運転席。ハンドルやシートなどには、本革など動物由来の素材を一切使用していないそう

将来的には充電ステーションと必要なデータを交換できるなど、スマート充電が実現するISO15118規格の「プラグ&チャージ」も導入される予定です。

ID.Buzzの生産は、ドイツのハノーヴァー工場で実施。現況、日本での発売は未定となっています。

北秀昭
編集者/ライター

神戸~東京築地~横浜~兵庫姫路~大阪京橋育ち。瓦敷き職人助手、空手師範代助手、ダスキ〇のお掃除部隊等に従事しながら高校・大学を卒業後、旅行グルメの編プロを経て、車やバイクに特化した出版社に勤務。バイク専門サイト「4ミニ.net」運営。 https://4-mini.net/

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