POSTED BY 青山沙羅掲載日 DEC 14TH, 2020
【世界のニューノーマル最前線・NY】日本で馴染みがない食材はどう食べる?
アメリカ合衆国ニューヨーク在住のフリーランスライター青山沙羅が、現地のニューノーマルな生活をルポする当連載。
アメリカで暮らしていると、日本では馴染みがない食材に出会います。いったいこれはなに?どう食べるの?
今回は、そんな新しい食材との出会いについて綴ってみます。
目次
人種の数だけ食材があるニューヨーク
海外で暮らしていると、日本では馴染みがない食材に出会います。筆者は人種の坩堝といわれるニューヨーク在住。住んでいる人種の数だけ、異なる食材があり、食文化も豊かなのです。
そうはいっても、買い物をするときは食べ慣れた食材を選びがち。馴染みがない食材を買うことは、まずありませんでした。
この食材ってなに?どうやって食べるの?
ところがコロナ禍になり、フードパントリー(別記事参照)で食材を頂くようになると、中には馴染みがない食材が入っていることも。「この食材はなに?」、「いったいどうやって食べるの?」と、インターネットで調べてみたり、友人に聞きながら、新しい食材を開拓してみました。
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【世界のニューノーマル最前線・NY】ニューヨークのフードパントリー探訪記
リンゴとナシのミックス?
リンゴとナシをかけあわせたような赤い果物を頂いたことがありました。香りもなく、固くて野菜のようで、これが食べられるのかなあと思っていました。
赤いナシ(Red Anjou Pear)
このリンゴとナシの中間のような赤い果物は、「Red Anjou Pear」のようです。
名称:Red Anjou Pear(赤いナシ)
原産国:アメリカ合衆国オレゴン州
特徴:後味にほんのりレモンのような柑橘系の香り
1週間ほど経つと柔らかくなってきたので、皮をむきながら口に入れてみると、とろけるようになめらかな口当たり。洋ナシより少し酸味を強くした感じ。でも酸っぱくはなく、後味にほんのりレモンのような柑橘系の香りが爽やか。
赤いナシはこうやって食べてみた
今までに食べたことがなかった赤いナシ。たくさん頂いたので、いろいろな方法で食べてみました。
そのまま食べる
とろけるような、なめらかな口当たり。普通の洋ナシよりも、ワンランク上の上品な味。さっぱりした甘さに、ほんのりレモンのような、爽やかな香りの後味が印象的。
お砂糖で煮てジャムに
量が多く生では食べきれなかったので、お砂糖で煮てみました。パンやヨーグルト、アイスクリームに添えて。
煮たものを凍らせてシャーベットに
お砂糖で煮た赤いナシをファスナー付きのプラスチック・バッグに入れて凍らせると、さっぱりしたシャーベットに。袋を揉みながら崩して出すと食べやすいです。後味がよく、食後にさっぱりとするので、主人にも好評のデザートでした。
ひょうたんみたいな野菜はカボチャなの?
ひょうたんみたいな野菜。ウリなのかカボチャなのか。そういえば、ハロウィンの時に売られているのを見たかもしれません。
バターナッツ・スクワッシュ
このひょうたん型のカボチャは、「バターナッツ・スクワッシュ」というそうです。ハロウィン前にいただいたので、主人がペンで顔を描いて、ハロウィンが終わるまではインテリア・デコレーションとして活躍(笑)。
名称:Butternut Squash(カボチャの一種)
原産国:南米
特徴:ナッツの香り
バターナッツ・スクワッシュの長さは20~30cm程度、重さは1kg程度。下部分の丸い部分に種があり、上部分より甘味が強いそうです。切ってみると、水分多めのカボチャだとわかりました。
バターナッツ・スクワッシュはこうやって食べてみた
南米原産のカボチャ。スパスパと簡単に切れるということは水分が多いということで、日本のカボチャのようにほっくりしていないのです。残念ながら、煮物にすると水っぽくなりそう。そのため、次の2品にしました。
バターナッツ・スクワッシュのグリル
参考にしたレシピではオーブンで調理するのですが、オーブンの調子が悪く点火しないので、フライパンで焼くスタイルに変更。
- 写真のように薄めにスライス
- オリーブオイルをかけ、塩、胡椒
- 火が通ったら、冷蔵庫に残っていたハムもオン
オレンジ色が華やかで、綺麗。ワインのつまみにしました。
フライパンで焼いたのも悪くはないですが、やはりオーブンで水分を飛ばして甘みを凝縮させ、カリッとさせた方が好みかなと思いました。
■参考レシピ
バターナッツかぼちゃのオーブン焼き。甘い!簡単な秋の副菜♪ Nadia
バターナッツ・スクワッシュのポタージュ
水分が多いバターナッツ・スクワッシュのレシピで一番美味しいのは、ポタージュだそうです。そのまま煮たり揚げたりするには水っぽいので、ポタージュが向いているのでしょう。
- バターナッツ・スクワッシュと玉ねぎをミキサー(フードプロセッサー)にかけられるよう、少し小さめにカット
- 水を入れた鍋にかけ柔らかく煮えたら、ミキサーでガーッとピューレ状に
- ミルク、コンソメ、塩、胡椒で味を整えて、出来上がり
- 当家では、トッピングにセロリの葉っぱを刻んだものを。ほろ苦さがいいアクセントでした
バターナッツ・スクワッシュの食べ方は、ポタージュがベスト。カボチャなので食べ応えもあり、満足できますよ。
■参考レシピ
バターナッツかぼちゃの濃厚ポタージュ レシピ・作り方 クラシル
ピタパンってどう食べる?
ピタパンは自宅用に買ったことがなくても、何度か食べたことはあります。中のポケットのような空洞に好みの具材を詰めます。ヒヨコ豆のコロッケを挟んだファラフェル・サンドや、ケバブと野菜を詰めたジャイロなどは手軽に食べられて大好きな料理。
名称:Pita Bread(円型のパン)
原産国:中東、北アフリカなど
特徴:中が空洞になっている
ピタパンはこうやって食べてみた
はじめは、ツナサラダやハムなどをポケットサンドにして食べていましたが、ピタパンの香りに少しクセがあるため、飽きてしまいました。また、ピタパンは温めても固くなりやすく、食べ終わる前にカチカチになるのが嫌でした。そこで思いついたのが、ピッツアです。
ピタパンのピッツア
- ピタパンを水で少し濡らす
- 温めたフライパンに、濡らしたピタパンを置く。弱火で3分ほど温めひっくり返す
- ピタパンの上にトマトソース、溶けるチーズ、好みの具材をのせる
- 弱火で蓋をして5〜6分焼く(焼く時間は目安です)
- チーズが溶けこんがりしたら出来上がり
オーブントースターやオーブンでももちろん可能。ピタパンがふわふわになり、チーズがとろけ、まったく違うおいしさに。通常のピッツアより小さいので、食べやすいのも良いところです。
グリーン・スプリットピーってなに?
乾燥させたエンドウ豆を煮やすいように割ってあるのが、「Green Split Pea」。まあ名前のとおりですね。日本では見たことがありません。
名称:Green Split Pea(エンドウ豆を二つに割ったもの)
原産国:南アジア、中東など
特徴:やや青臭い
グリーン・スプリットピーはこうやって食べてみた
本来はスープで食べるようですが、主人が豆を好まないので、考えてみました。
甘く煮て、あんこにしてみた
主人も私もあんこは大好きなので、甘く煮てあんこにしてみました。この乾燥豆は思いのほか固いので、結構苦労しました。
- 豆を良く洗い、前日に丸1日水に浸けておく
- 水たっぷりの鍋にいれた豆を、強めの中火で煮る
- 青臭いのが気になるので、煮立ったら何度か水(筆者の場合5〜6回)を取り替える
- 青臭さが気にならなくなったら、中火で芯がなくなるまで煮る
- 柔らかくなったら、お砂糖をいれる
日本の豆のようには柔らかくならず、芯が残るので、筆者は煮上がった豆をミキサーにかけてつぶしました。はじめは煮ながらへらでつぶしていたのですが、かなりの力仕事なので、ミキサーやフードプロセッサーでつぶした方が楽です。
ブラックビーンズってなに?
フードパントリーでは、グリーン・スプリットピー、レンティル豆、ヒヨコ(ガルバンゾ)豆、インゲン豆など、さまざまな種類の豆を頂きます。ニューヨークはラテン系やインド系が多いので、そのせいかもしれません。南米系、南アジア系はスープや付け合わせにして、豆をよく食べるようです。
名称:Black Beans(黒インゲン豆)
原産国:メキシコ
特徴:日本でいう黒豆とは違います
ブラックビーンズはこうやって食べてみた
ブラックビーンズは、日本でお正月に食べる黒豆とは違います。日本の黒豆は大好きなのですが。
ブラジルの代表的家庭料理のフェジョアーダに
筆者の大好きなブラジル料理「フェジョアーダ」を思い出したので、友人に教えてあげました。黒っぽく見かけはあまりよくないのですが、懐かしく優しいおいしさなのです。「フェジョアーダ」は日本食で例えれば、肉じゃがのようなもの。家庭やレストランにより味は異なります。
■参考レシピ
フェイジョアーダ (フェジョアーダ) (Feijoada) - ブラジル街
自分では、おそらく進んで手に取らないであろう食材。でも食べてみたら、意外なおいしさ。食わず嫌いや知識のなさで、おいしいものを食べ逃していたかもねと実感しました。フードパントリーは、新しい食文化の道を開いてくれたのです。
[All Photos by Sara Aoyama ] Do not use images without permission.
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青山沙羅 | |
はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYでふたり暮らし。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日(PIE International、2020年3月)』。 |
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