POSTED BY 北 秀昭掲載日 JUN 16TH, 2021

日産の副社長が語る「電気自動車(EV)の未来」と「カーボンニュートラル」とは

2021年6月4日、日産は世界に先駆け、日本で新型電気自動車(EV)「日産アリア(ARIYA)」の予約注文の受付を開始することを発売しました。2020年7月発表以来、アリアは日産初のクロスオーバーEVとして世界から注目されてきたモデル。発表時の記者会見では、日産自動車の副社長・星野朝子氏(写真右)が、「日産が考える電気自動車(EV)の未来」、「日産が取り組むカーボンニュートラル」なども語り話題となりました。日本における電気自動車(EV)のリーディングカンパニー「日産」。その動向はどのようなものなのでしょうか?

目次

EVの先駆者、日産が取り組む「カーボンニュートラル」は?

当記事は2021年6月4日の日産アリア limited(リミテッド)発表会及び記者会見での、日産自動車の副社長・星野朝子氏(写真)の答弁をまとめ・編集したものです

日産では新型の電気自動車(EV)「日産アリア」を、カーボンニュートラル=自動車の電動化(EV化)に向けた先駆けモデルとして位置付けています。

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アリアは今後、ヨーロッパやアメリカで予約を受け付け、販売を展開する予定。ヨーロッパでは今、自動車の電動化(EV化)が加速中。また、アメリカはトランプ大統領からバイデン大統領に変わり、自動車の方向性を転換。それに伴い、自動車の電動化(EV化)も急速に推進されています。

日本専用特別限定車「日産アリア limited(リミテッド)」に採用される「シェルブロンド/ミッドナイトブラック2トーン」

そのようななか、日産としては、「アリアはヨーロッパやアメリカで活躍できるクルマに育って欲しい」。「今後はアリアのような電動モデルのラインナップを増やし、EV技術に磨きをかけ、カーボンニュートラルに貢献したい」としています。

一方で、日産はアリアに販売目標台数を設けていません。バッテリーの生産・確保に対し、100万台、200万台・・・というガソリン車のような生産が厳しいことをその理由として挙げています。国内生産台数は、最初の1年間、数万台程度だと予測。今後はヨーロッパやアメリカでの販売も予定していますが、もっともアリアの販売が期待できるのは、電気自動車(EV)の先進国であるヨーロッパだと捉えているようです。

日産が考える、日本のインフラ(充電スタンド)の未来

電気自動車(EV)の未来を語った、日産自動車の副社長・星野朝子氏

「日本はヨーロッパに比べ、自宅でバッテリー充電する人が少ない。ちなみに私は、休日の買い物や余暇などにリーフを使用していますが、自宅で充電するのは、2週間に1回程度です」と、星野副社長。

また、「皆様が想像する以上に、今時の電気自動車(EV)は便利な乗り物です。日産としては、『電気自動車(EV)は自宅で手軽に充電できますよ』という点を、提案・アピールしていきたい」とも語りました。

市販の電気自動車「日産リーフ」
自宅で充電中の日産リーフ(イメージ)
日産リーフやアリアは、電気自動車専用のコンセントを使い、自宅でも手軽に充電可能。コンセントは大がかりな工事なしで設置できます

ヨーロッパなどでは、マンションやアパートなどの集合住宅在住者向けに道路駐車場などに充電スタンドが設置されていることが多いと言います。一方で、それらとは駐車・道路事情などが異なる日本では、下のような整備も見据える必要があるかもしれません。

・月極駐車場に充電設備を設けてもらう
・各企業(勤務先)に充電設備を設けてもらう

2021年現在、ガソリンスタンド数は減少していますが、充電スタンド数は増加中(2021年現在、充電スタンド数は日本全国で約3万機/日産調べ)で、都市部はもちろん、地方でも増えています。

たとえば日産リーフの航続距離は、ガソリン車並みの458km(※WLTCモード)を実現。「電気自動車(EV)=長距離走行は不可」という時代は、大きく変わりつつあります。電気自動車(EV)であっても、ガソリン車と同様に日本全国どこへでも行けるようになりつつあるのです。

※WLTCモードとは?
市街地、郊外、高速道路の各走行モードを、平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード。

「充電スタンド」に関する今後の課題?

ガソリンスタンドに併設された電気自動車用の充電スタンド

充電スタンドに関するひとつの大きな問題。それは電気自動車(EV)が増え始めたことによる「充電渋滞」。そこで、カーボンニュートラルを推進する日本政府は、2030年までに充電スタンドを現状の約5倍となる15万機まで増やす計画を立てています。

しかし、電気自動車(EV)の数は2030年に現況の5倍で収まるのか? 答えはノーでしょう。時代の流れから推測するに、もっと増えるはずですよね。

日本で電気自動車(EV)を普及させるには、やはり充電スタンドのさらなる増設は必須。と同時に、家庭や企業など「個人や法人レベルでの充電の啓蒙・推進」も必要ではないでしょうか。 

また、地方では充電スタンドがあまり使われず、多額の設備投資費用を回収できぬまま、赤字で設備の寿命を迎えてしまうこともあるそうです。そのような無駄を省き効率化を実現するためにも、充電スタンドの設置場所にもさらに気を配る必要があるかもしれません。

※当記事は2021年6月4日の発表会及び記者会見での、日産自動車の副社長・星野朝子氏(写真)の答弁をまとめ・編集したものです

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北秀昭
編集者/ライター

神戸~東京築地~横浜~兵庫姫路~大阪京橋育ち。瓦敷き職人助手、空手師範代助手、ダスキ〇のお掃除部隊等に従事しながら高校・大学を卒業後、旅行グルメの編プロを経て、車やバイクに特化した出版社に勤務。バイク専門サイト「4ミニ.net」運営。 https://4-mini.net/

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