POSTED BY 北 秀昭掲載日 SEP 22ND, 2021

ハンドルの無い「直感運転」とは?映画『アバター』をイメージしたベンツのEV

ドイツ・ミュンヘンで開催された国際モーターショー「IAA MOBILITY 2021(2021年9月7日~12日)」において、メルセデス・ベンツは、映画『アバター』をイメージしたコンセプト車「ヴィジョンAVTR(Mercedes-Benz VISION AVTR)」の詳細を発表しました。手動運転ながら、ハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルを省いた「直感運転」とし、斜め&横移動も可能とされています。今回は、そんな新感覚の電気自動車(EV)をレポートします。

目次

映画『アバター』をイメージ!斜め・横移動もOKに

メルセデスベンツのヴィジョンAVTR(Mercedes-Benz VISION AVTR)
近未来的で幻想的な『アバター』の世界観を表現したヴィジョンAVTR
前後移動はもちろん斜めや横移動も可能に

今回紹介するのは、ドイツの大手自動車メーカー「メルセデス・ベンツ」と、映画『アバター(2022年にパーツ2が公開予定)』を製作した「ディズニー」のコラボによる電動自動車(EV)のコンセプトモデル・ヴィジョンAVTRです。

近未来的で幻想的な『アバター』の世界観を、車で表現しているのが特徴。 メルセデス・ベンツでは、「未来の車の姿をワクワクするような気持ちで仕上げました」とコメントしています。

流れるようなエクステリアデザインは映画『アバター』そのもの
全面ガラス張りのシザース式4ドアを採用
映画『アバター』の世界観を演出するエレガントで幻想的なインテリア

映画『アバター』とは?
『ターミネーター』、『ターミネーター2』、『エイリアン2』、『タイタニック』などを監督したジェームズ・キャメロンが、監督・脚本・共同編集を担当した、2009年公開のSF映画です。画期的な視覚的効果が高く評価され、世界中で興行記録を更新。米国のアカデミー賞では、作品賞や監督賞を含む9部門にノミネートされ、美術賞、撮影賞、視覚効果賞の3部門を受賞しました。

ヴィジョンAVTRは、個性的なリアビューも見どころ。無数に並ぶまるで魚のエラのような開閉式の丸いパーツは、ソーラーパネルとしての機能も備えた「バイオニックフラップ」と呼ばれる移動感知センサーです。33個装備されたバイオニックフラップにより、前後移動はもちろん、斜め移動や横移動も実現しています。

「バイオニックフラップ」と呼ばれる開閉式の移動感知センサーを33個装備
最小部分94mmとコンパクトなバッテリーを採用し、開放的なインテリア空間を確保

運転はセンターコンソールに手のひらを乗せるだけ

「手動運転」は丸いディスクに手を置くだけ

もっとも注目したい点は、ドライバー自らが操る手動運転「ブレインコンピューターインターフェイス(BCI)」です。センターコンソールのマルチファンクションコントロール機能により、ドライバーがセンターコンソール上の丸いディスクに手を置くだけで、“直感的に”車両をコントロールすることができるのです。人間の意識と車を直結させたような、これまでにないシステムとなるはずです。

車内はハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、各種スイッチ類などを省略
ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルを省いたヴィジョンAVTRの運転席

そのため、ヴィジョンAVTRの室内には、これまでの一般的な自動車に装備されている「ハンドル」、「アクセルペダル」、「ブレーキペダル」、「各種スイッチ類」などが見当たりません。

「ブレインコンピューターインターフェイス(BCI)」のしくみ

最高出力476馬力&航続距離は最大700kmに

減速時に電気を発生させる「回生ブレーキ機能」なども導入

ヴィジョンAVTRは、4輪の各ホイールに、高性能・高出力な電動モーターが装備されています。最高出力476hp(476馬力)以上という、レーシングカーのようなハイパワーを獲得。また、各ホイールにセットされた4個のモーターには、コンピューター制御による可変式トルク配分システムも採用。理想的な駆動力を確保し、スポーティな走りと安全性を確保しているのです。

さらに、約110kWhと大容量のバッテリーを搭載することで、最大700km以上の長距離ドライブを実現しているのも見逃せないポイントです。また、減速時に電気を発生させる「回生ブレーキ機能」などにより、走行中も効率的に充電。システム全体の優れたエネルギー効率にも貢献しています。

災害時や緊急時には電源にも

ヴィジョンAVTRは、車載バッテリーの電気を住宅などに供給できる、人工知能(AI)による自動制御の「Vehicle to Grid機能」も備えられています。災害時や緊急時の電力供給にも活躍するような、生活に寄り添うキャラクターとされているのもこれからの時代にマッチしたキャラクターと言えそうですよね。

SF映画的なデザインや、直感的な運転。それに加えて、人間、自然、テクノロジーが調和するモビリティの未来も表現されたヴィジョンAVTR。今後どのような進化を遂げて市販化に至るのか? 車好きならずとも期待が高まるのは言うまでもありません。

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北秀昭
編集者/ライター

神戸~東京築地~横浜~兵庫姫路~大阪京橋育ち。瓦敷き職人助手、空手師範代助手、ダスキ〇のお掃除部隊等に従事しながら高校・大学を卒業後、旅行グルメの編プロを経て、車やバイクに特化した出版社に勤務。バイク専門サイト「4ミニ.net」運営。 https://4-mini.net/

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