POSTED BY 北 秀昭掲載日 DEC 29TH, 2021

【災害時にも大活躍】ニューノーマルな冒険型キャンピングカーの魅力に迫る!

キャンピングカーや特種⾞両の企画・製造・販売を⾏う「⽇本特種ボディー(NTB)」は、優れた居住性と快適性を確保しつつ、未舗装路や雪道など、悪路での⾛破性も大幅にUPされたキャンピングカー「EXPEDITION EAGLE(エクスペディション イーグル)」を発表。災害復興⽀援団体との共同開発により誕⽣した同モデルは、キャンプユースはもちろん、災害時や緊急時での使用も想定された、⽇本初の量産型エクスペディションビークル(冒険型キャンピングカー)です。今回は、そんなニューノーマルなキャンピングカーの魅力を紹介します。

目次

【キャンプ・コロナ禍・災害対策】今キャンピングカーの需要が急増中!

写真右はNTB社長・蜂⾕ 愼吾さん、写真左は共同開発の⽇本笑顔プロジェクト代表・林 映寿さん

近年、キャンピングカーの需要が急増しています。主な理由は3つ。1つ目は空前のキャンプブーム。これは言わずもがなですよね。2つ目はコロナ禍によるリモート勤務の増加。自宅ではなく、キャンピングカー内で仕事をする人も増えているのです。近くの河原や公園の駐車場で一仕事し、疲れたら外に出て休憩。お昼は道の駅に移動して昼食なんてことも。

そして3つ目は、災害時の有効利用(避難・休憩場所の確保や電気の供給など)。写真はキャンピングカーや特種⾞両の企画・製造・販売を⾏う「⽇本特種ボディー(NTB、以下NTB)」が手掛けた「EXPEDITION EAGLE(エクスペディション イーグル)」というモデル。高い居住性&快適性を確保しつつ、未舗装路や雪道など、悪路での⾛破性も大幅に高められた、冒険型のキャンピングカーです。

冒険型キャンピングカー「エクスペディション イーグル」

悪路走行を想定したエクスペディション イーグルは、最低地上高(地面から車体までの距離)を大幅にアップ。駆動⽅式は燃費性能に優れた2WD(二輪駆動)と、悪路や雪道に強い4WD(四輪駆動)の2種類あり

EXPEDITION(エクスペディション)は「遠征・探検」という意味があり、その名がついた「エクスペディションビークル」は、悪路でも⾛破できる⾛⾏性能を持ったキャンピングカージャンルの一つです。

室内は写真のソファー&テーブルから、二段ベッドスペースへの変更も可能

欧⽶では広く知られていますが、⽇本では輸⼊⾞や既存⾞両をカスタムした⾞が⾛⾏している程度。国内のキャンピングカービルダーが同ジャンルのキャンピングカーの量産を⾏うのは、NTBが⽇本初となります。

車内のレイアウト(上から見た透視図)

「いすゞ」からキャンピングカー専⽤の高性能シャシーを独占供給

運転席・エンジン・足周り・積載部など、シャシーと呼ばれる主要部分は、トラックでお馴染みの「いすゞ」製で、キャンピングカー専⽤シャシー「新 Be-cam」を独占供給。このシャシーに、NTBが設計・製造した独自のキャンパーシェル(居住空間部分)を組み合わせたのが、写真の「エクスペディション イーグル」です。

シャシーの「新 Be-cam」には、普段のキャンピングカー⽤シャシーには⼗分すぎるほど、太くて丈夫なボルトが使⽤されています。また、クラス最⼤量のオルタネーター採用で最⼤量の発電⼒も備えるなど、⾼い機能性を実現しているのです。

出入り口には乗降性に優れたステップを導入

また、悪路走行を想定しているため、最低地上高(地面から車体までの距離)が大幅にアップされているのもポイント。

車体背部左にはエアコンの室外機が配備され、真夏や真冬でもTシャツ1枚で快適に過ごせる室内空間を確保。車体背部右にはスペアタイヤをレイアウト

「エクスペディション イーグル」は、通常のキャンピングカーのようにシャシーとキャンパーシェル(居住空間部分)をあえて⼀体化せずに分割させることで、⾞両の「ねじれ」の許容範囲を拡大し、悪路走行時における路⾯の追従性を向上。車体の持つポテンシャルを最⼤限に活かすことで、普段は快適に使⽤でき、災害時には悪路でも先を⽬指せる⾞両に仕上げられているのです。

災害現場での使用を想定した設計に

災害復興⽀援団体「笑顔プロジェクト」による過酷な豪雪救援の模様

近年、異常気象による自然災害が各地で続発している日本。それら災害⽀援の有効的な⼿段として注目されているのが、移動性や居住空間に優れ、サブバッテリーを搭載したキャンピングカーです。現在、各地⽅⾃治体とキャンピングカービルダーや業界団体などが、災害時協定の締結をさまざまな形で進めています。

メインゲートは車体左側に設置。価格は2WDが895万円、4WDが945万円(ともにオプションなし・税抜き・諸費⽤別)

「エクスペディション イーグル」は、災害復興⽀援団体の「⼀般財団法⼈ ⽇本笑顔プロジェクト、(以下、笑顔プロジェクト)」との共同開発で誕⽣しました。

笑顔プロジェクトでは、災害時に救助へ向かうなど各地でボランティア活動が行われていますが、そこでネックとなるのがボランティアスタッフの仮眠場所。休憩施設でパイプ椅子を並べて横になる、長机をベッド代わりにするなど、これまで肉体的にも過酷な状況が強いられてきました。

豪雪救援時に活躍するスノーモービル

また、豪雪のために⾼速道路で⽴ち往⽣してしまった⾞に残された人々を救援した際には、ボランティアスタッフが現場と休憩施設との往復に困難を極め、結局は現場近くに停車したトラックの車内で寒さを凌ぎながら仮眠を取るというケースもあったそうです。

エクスペディション イーグルは、外履きのまま入室可能な設計

舗装路での⾛⾏を前提している一般的なキャンピングカーは、棄損された道路では救援の⾏く⼿を阻まれるケースも多く、被災地への初動対応に遅れてしまう場合も多いのです。

また、多くのキャンピングカーはレジャー使⽤を前提に設計されているため、災害時用とするには、使⽤⽅法や素材、つくりそのものを⼯夫・変更しなければなりません。

トイレの入室も外履きのままでOK。トイレは反対側(車体の右側)からも入室可能な設計

そこでNTBでは、災害地の最前線を知る笑顔プロジェクトのボランティアスタッフに対し、災害現場でのキャンピングカー使⽤についてリアルな要望をヒアリング。「もう少し現場の近くで使いたい」、「外履きのままで使⽤したい」などといった声が多く寄せられたそうです。

快適性と換気性確保のため、天井には換気扇も設置

こうした生の声に応えるため、NTBは笑顔プロジェクトと共同で新型モデルを構想。企画段階から災害時使⽤を想定し、普段使いではアウトドアに幅広く活用、災害時には本当に役⽴つ「エクスペディション イーグル」が開発され、今回の発売に至ったというわけなのです。

⼀般財団法⼈⽇本笑顔プロジェクトの詳細はこちら

埼玉県川⼝市の新⼯場が稼働開始→約半年の短納期を実現

NTBの人気キャンピングカー、SAKURA(サクラ)。「いすゞ」のキャンピングカー専⽤シャシー「Be-cam」がベース

現在、NTBの主⼒キャンピングカー「SAKURA(サクラ)」の納⾞は、何と約1年半待ち。その人気ぶりがうかがえます。

SAKURA(サクラ)は独自の技術による大容量ソーラーパネル、リチウムイオンバッテリーにより超高効率充電システムを採用
プリクラッシュブレーキや横滑り防止装置など、安全装備も充実
キャンピングカー専用サスペンションが装備され、快適性をとことん追求
SAKURA(サクラ)はキャンピングカーの理想を追求した、完全国内生産

NEWモデルの「エクスペディション イーグル」発売にあたり、NTBは埼⽟県川⼝市に新⼯場を設⽴し、2021年12月より稼働開始。新たな量産体制を構築したことで、約半年の短納期を実現したそうです。2022年度は100台の⽣産を⽬指しているとのこと。なお、同⼯場では2021年9⽉に発表したレンタル専⽤モデル「CRESTED ibis」の⽣産も予定されていますよ!

「エクスペディション イーグル」主要諸元

  • ベース⾞:キャンピングカー専⽤シャシー いすゞ新 Be-cam ハイキャブ 2.0t
  • 駆動⽅式:2WD/4WD
  • ⾞幅:1,960mm
  • 全⾼:2WD 2,990mm/4WD 2,990mm
  • 全⻑:5,100mm
  • 乗⾞⼈数:7名
  • 就寝⼈数:4名
  • ソーラーパネル最⼤能⼒:600W(300W モジュール × 2台)
  • バッテリーの種類と容量:鉛105Ah×2台〜リチウム10KW
  • 最低地上⾼:約170mm(キャビン下 実測)※⾞⾼上げて200mm
  • ⾞両価格:
  • 2WD 895万円(オプションなし・税抜き・諸費⽤別)
  • 4WD 945万円(オプションなし・税抜き・諸費⽤別)
  • 発売⽇:2021年12⽉22⽇より予約受付開始
  • <標準装備>
  • 鉛バッテリー×2 台(鉛 105 Ah×2 台)/バックアイカメラ(モニター別)/充電器(外部充電コード込み)/DC・DC コンバーター(40 アンペア)/冷蔵庫 88L/電⼦レンジ/マルチルームバケッジドア/ダイネット換気扇/エントランスドア/ハイマウントストップランプ/2 点式シートベルト 4 名/室内コンセント/室内 LED 照明/キッチン LED ダウンライト/室内間接照明/ガラスシンク/清⽔タンク 19L・排⽔タンク 19L・ポリタンク式/エントランス・マルチルーム防⽔パン/電圧計
  • <オプション装備>
  • フォグライト(作業灯)/ソーラー(300W×2)/FF ヒーター/オーニング/テレビ・アンテナ/ナビ(パナソニック・カロッツェリア)/ETC(ナビに準ずる)/トイレ︓ラップポン 他、詳しくは「EXPEDITION EAGLE」公式サイトを参照
  • エクスペディション イーグル 公式サイト

「エクスペディション イーグル」の各部をチェック

最後に、「エクスペディション イーグル」の各部を紹介します。

エクスペディション イーグルのドライバーズシート。車内は2人乗り
家電用100Vコンセントも装備
室内には室温計に加え、各種スイッチも配備
電子レンジも使用可能
開放性を高める開閉式の窓

かゆいところに手が届く「エクスペディション イーグル」。多彩な機能と高い実用性を兼ね備えた同モデルは、ニューノーマル時代の新定番となり得る一台と言えそうですよね!

■会社概要
会社名:⽇本特種ボディー株式会社(NTB)
本店:埼⽟県越⾕市⼩曽川 568 番地 1
事業内容:キャンピングカー・特種⾞両の企画製造販売
URL︓https://ntbcamp.co.jp/

[All photos by 北 秀昭]

北秀昭
編集者/ライター

神戸~東京築地~横浜~兵庫姫路~大阪京橋育ち。瓦敷き職人助手、空手師範代助手、ダスキ〇のお掃除部隊等に従事しながら高校・大学を卒業後、旅行グルメの編プロを経て、車やバイクに特化した出版社に勤務。バイク専門サイト「4ミニ.net」運営。 https://4-mini.net/

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