老人など「交通弱者」も手軽に利用できる電気自動車

写真はカスタムカーの祭典・東京オートサロン2022に展示された、自動運転の1人乗り電気自動車（EV）、「プラチナ・カー」。移動が困難なすべての人々に向けて開発された、未来志向のモビリティです。

プラチナ・カーは、運転免許が不要。ショッピング、通院、オフィス内での移動など、さまざまな生活シーンで多くの人が活用できるよう設計されています。例えばショッピング利用の場合、プラチナ・カーに乗車したままエレベーターに乗り、そのままスーパーマーケット内に移動。座ったままの状態で商品が購入できるのです。会計のレジを省略可したスーパーマーケットなら、より便利に、しかも楽しく買い物ができそうですよね。

●プラチナカーの開発チーム
企画・概念設計：（株）クリーンクラフト
車体設計・試作：東レ・カーボンマジック（株）
デザイン：（株）ミニモ
駆動システム調整：小野塚精機（株）

プラチナ・カーのおさえたいポイント

プラチナ・カーは全長1.2m・全高1.2m・全幅0.7mのコンパクトサイズで、最高速度は6km/hに抑制されています（その理由は後述）。

1人乗りのシートには乗員保護バーが装備され、安全も確保。また、乗り降りしやすいよう、座席が前後にスライドするシステムが導入されていますよ。乗員が立ち上がる際は座席が持ち上がるなど、快適性と利便性の両面を追求した1台です。

自動運転システムは遠隔操縦式を採用。そのため、ドライバーズシートには、自動車にあるハンドル、メーター、フットペダルなどが設置されていません。プラチナ・カーはすべてにおいて自動化されていながら、安全・快適・便利の3拍子を目指しているのが大きなポイントです。

プラチナ・カーが目指す「未来のモビリティ社会」とは？

プラチナ・カーは、電動車椅子の規格を元に設計されているため、サイズは高さ1.2m・長さ1.2m・幅0.7m、最高速度は時速6km/hという制限があります。

しかしながら、その規定サイズ内であるゆえに、運転免許が不要となるのです。身体の不自由な人や老人など、いわゆる交通弱者でも利用しやすいモビリティを目指しているのがプラチナ・カーの特徴です。

同車を企画・概念設計したクリーンクラフト代表取締役社長の清水 浩さんは、

「今回の開発は、上記のような生活が可能になる、いわば原理確認のためのもの。ここを起点にし、すべての人々が自由に移動し、活動するためのモビリティとして成長させたい」と語っています。

プラチナ・カーが将来、庶民にとっても当たり前の乗り物として社会に定着するよう、クリーンクラフトではプラチナ・カーの開発を続けていくと発表していますよ。次世代を担うニューノーマルな1台に、今後も注目ですね。

	北秀昭 編集者／ライター
	神戸～東京築地～横浜～兵庫姫路～大阪京橋育ち。瓦敷き職人助手、空手師範代助手、ダスキ〇のお掃除部隊等に従事しながら高校・大学を卒業後、旅行グルメの編プロを経て、車やバイクに特化した出版社に勤務。バイク専門サイト「4ミニ.net」運営。 https://4-mini.net/ 著者のプロフィールを詳しく見る

関連するカテゴリー

• ライフスタイル
• 暮らし／生き方