POSTED BY 北 秀昭掲載日 OCT 26TH, 2021

「電動アシスト自転車」の救世主!モバイルバッテリーが充電切れ問題を解決

バイクや自動車の国内大手メーカー「ホンダ」は、都市部で人気の電動アシストシェアサイクルの充電切れを解決して利便性向上に貢献する、モバイルバッテリーを活用した「シェアサイクル用2電源システム」を開発しました。ユーザーが持ち歩くモバイルバッテリーで、電動アシストシェアサイクルに給電。充電残量の少ない電動アシスト自転車でも手軽に、しかも安心して利用可能できるようになるのです。

目次

「モバイルバッテリー」と「車両本体のバッテリー」で同時に電力を供給

都市部を中心に急増中の電動アシストシェアサイクル

コロナ禍以降、都市部では人混みを避けるために電車やバスなどの公共交通の利用を避け、電動アシスト機能を備えたシェアサイクルを利用する人が増加しましたよね。また、それと同時に、自動車や公共交通機関ではカバーできない、「ラストワンマイル」の移動を担うコミューターとしても注目されています。

これら電動アシストシェアサイクルの需要急増に伴い、業界にはさまざまな企業が参入を続けています。今では都市部周辺のベッドタウンでの普及も進み、今後は観光地や地方都市など、全国各地で活躍することも予測されているのです。

そんななか、バイクや自動車の国内大手メーカー「ホンダ」は新たな取り組みとして、モバイルバッテリーを活用し、シェアリングサービス用の電動アシスト自転車の充電残量低下を解消する「シェアサイクル用2電源システム」を開発しました。

ユーザーが持ち歩くモバイルバッテリーで電動アシストシェアサイクルに給電。電動アシスト自転車の充電残量が少なくなっても、手軽で安心して利用を続けることができるようになるのです。もちろん、スマートフォンなどの充電用としても利用できるので、私たちの生活に自然に馴染むことは言うまでもありません。

「シェアサイクル用2電源システム」のバッテリー(写真右)でスマートフォンを充電
パソコンに「シェアサイクル用2電源システム」のバッテリーを接続
「シェアサイクル用2電源システム」の利用イメージ
「シェアサイクル用2電源システム」のバッテリー設置部分
「シェアサイクル用2電源システム」の制御パーツ

「シェアサイクル用2電源システム」3つのポイント

【1】
スマートフォンやパソコンの充電に活用できるモバイルバッテリーを、シェアサイクル用の電動アシスト自転車に接続することで、バッテリー残量や充電切れを心配することなく走行が可能。

【2】
停車中もモバイルバッテリーから給電し続けるため、自転車本体のバッテリー残量低下を抑制

【3】
車両の充電を含めたシェアサイクル事業者のオペレーションコストは、売上の半分以上を占めるというデータあり(ホンダ調べ)。同システムの導入により、これらのコストを大幅に削減することが可能となり、事業収益改善に貢献できる。

電動アシストシェアサイクルが抱える2つの課題とは?

シェアサイクルへの「シェアサイクル用2電源システム」搭載イメージ

ホンダは自動車・バイクメーカーですが、「自由な移動の提供」の実現にあたり、「シェアサイクル」も重要なモビリティのひとつと考えています。そのうえで、電動アシストシェアサイクルのさらなる普及に関し、下の2つの課題を抱えていると考えています。

  • 電動アシスト自転車に搭載されているバッテリーの充電不足で「ユーザーが乗れない」という不便が発生
  • シェアサイクル事業者が車両を充電するためにかかるコストの削減

これらの課題解決に向け、ホンダは「普段からモバイルバッテリーを持ち歩く人が多い」ということに着目。モバイルバッテリーをシェアサイクル用電動アシスト自転車に接続し、車両本体のバッテリーに加えて2つめの電源として使うことで、走行時のアシストと車両本体のバッテリー充電に使用できる「シェアサイクル用2電源システム」を開発するに至りました。

これによってユーザーは、コンパクトなモバイルバッテリーを持ち歩くだけで、安心してシェアサイクルを利用できる。また、シェアサイクル事業者は、充電作業に関わるコストを大幅に削減できるようになるという、Win-Winの関係を構築したというわけです。

また、ホンダはシェアサイクル用2電源システムを用い、2022年中にシェアサイクル事業者と共同で実証実験を実施し、将来の事業化に向けた検討を進めていく予定です。

ホンダのモビリティサービス事業本部長・高見 聡氏は、「現在、都市における移動手段として利用が拡大するシェアサイクル領域ですが、事業者のオペレーションコスト削減が課題となっています。シェアサイクル用2電源システムは、シンプルなアイデアから誕生。ユーザーには利便性を高め、安心して利用いただくことができ、事業者の課題である充電切れ解消や電池交換コスト削減にも貢献することができると考えています。こうした課題解決を通じ、モビリティサービスの更なる充実にチャレンジしていきます」とコメントしています。

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北秀昭
編集者/ライター

神戸~東京築地~横浜~兵庫姫路~大阪京橋育ち。瓦敷き職人助手、空手師範代助手、ダスキ〇のお掃除部隊等に従事しながら高校・大学を卒業後、旅行グルメの編プロを経て、車やバイクに特化した出版社に勤務。バイク専門サイト「4ミニ.net」運営。 https://4-mini.net/

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