POSTED BY オオモト ユウ掲載日 FEB 5TH, 2022

入門用のセット竿で楽しむカレイ狙いの投げ釣り【魚別釣り方指南vol.1】

携行性に優れた竿と糸付きのリールがセットになり、主に釣り未経験者の入門用として販売されているコンパクトロッドセット。以前にその特徴やセッティング方法などを紹介したが、今回からはその具体的な使い方を魚種や釣り別に紹介していくことにする。初回は冬〜春に堤防周りで釣れるようになるカレイ(マコガレイ)の投げ釣り。専門に狙う人は仕掛けを100m以上遠投して狙うが、初心者用の道具を使った近場狙いでも十分狙える。食べてもおいしい魚なのでぜひ狙ってみよう!

目次

>>>初心者におすすめ「簡単&コスパ高」な道具はこれ!【釣り入門講座vol.1】
>>>「コンパクトロッドセット」の特徴&機能を知ろう!【釣り入門講座vol.2】
>>>「コンパクトロッドセット」使用法と基本の結び「チチワ」【釣り入門講座vol.3】
>>>正しい「竿の持ち方」とトラブルを防ぐ「道具の扱い方」【釣り入門講座vol.4】

釣りに行く前に覚えておきたいカレイの基本情報

マコガレイ

平べったい体と奇妙な顔つきが特徴のカレイ。外見が似ているヒラメとよく混同されがちだが、カレイの仲間は、エラがある切れ込みを下にして置いた際に顔が右側にある(一部の種では例外も)ことで見分けられる。大きいものでは50cmを超えるまで育ち、釣り人からは「座布団級」などと呼ばれている。

ここで紹介するマコガレイを初め、カレイの仲間は寒い海域に多く生息する。ゆえに北海道や東北では釣りのターゲットとしてポピュラーであり、種類も数も豊富。関東では茨城県沿岸のほか東京湾〜三浦半島で釣れ、西日本でも三河湾や瀬戸内海、大分の別府湾など内湾部を中心にポイントが点在する。もちろん、日本海側も狙える場所は多い。 堤防から狙うなら、産卵のために浅場に寄る晩秋〜春が好機。東北地方以北ではほぼ一年中釣ることができる。

カレイを釣るならこんな場所!

マコガレイはきれいな砂地よりも多少泥が混ざった環境を好むので、河口近くや堤防や漁港周りが狙い目。場所によっては潮の満ち引きに乗じて河川内にも入り込む場合もある。

船の往来によって海底が掘れている場所や、海藻帯や障害物の近くは特によいポイント。海底まで見えてしまうような浅場でも釣れるものの、仕掛けを遠くに飛ばせない初心者は足下から3〜4m以上の水深がある場所を選ぶと良いだろう。港湾部の親水公園などもおすすめだ。

これをそろえればあとは釣るだけ!必要な道具や仕掛け・エサ

竿とリールは「コンパクトロッドセット」でOK。リールに巻く道糸はナイロンの2.5〜4号であればそのまま使って問題ない。

仕掛けは「投げカレイ用」と書かれたものやカレイの絵が描かれたものから選ぼう。ハリの大きさが明確に表記されているので、11〜13号を選べばおおむね対応できる。ハリ数は2本が使いやすいのでおすすめ。

投げ釣りでは、エサの付いた仕掛けを遠くに飛ばすためのオモリが必要。「テンビン」と呼ばれる金属線が一体化したものがよく使われ、最近は「チョイ投げ用」「チョイ投げテンビン」と表記された商品が販売されている。重さは5〜12号から選べば間違いない。

エサはたいていの釣具店で入手できるアオイソメがおすすめ。価格は1パック(50g程度)で500〜700円。太いものなら1匹を、細いものなら3匹ほどをハリに刺して使う。フグやヒトデが多いとエサの消費も激しくなるので、ベテランになると竿1本につき150〜200g用意する人も。

それ以外に用意が必要なのは、竿掛け用の三脚と水汲みバケツ。仕掛けを投入したら20分ほど放置して食い付くのを待つ釣りなので、竿を2〜3セット用意して狙う人が多い。そのため、柵が設置されている場所を除けば、竿を立てかけておく三脚は必須。水汲みバケツは三脚の中央にあるフックにかけて重石として使うほか、手洗い用や釣果の一時保管用としても役立つ。

ハオコゼやゴンズイなど、触ると危険な毒魚もしばしば掛かるので、メゴチバサミやペンチも忘れずに。こういった危険魚が掛かったら、無理にハリを外そうとせずにハリの上から糸を切ってしまうのもよい。

釣り方の一連と覚えておきたいこの釣りの注意点

仕掛けを投入したらオモリが底に付くまで糸を送り、糸が出て行かなくなった頃合いで余分を巻き取る。そのまま放置してアタリを待ってもよいが、オモリを多少引きずってやると海底の砂や泥が巻き上がって魚へのアピールとなる。また、引きずった際にほかよりも重く感じる場所は海底に変化がある証拠。そういった場所は特に良いポイントなので、その場に仕掛けを止めて待ってみよう。

カレイのアタリは千差万別。張っていた道糸がダラ〜ンと緩むこともあれば、竿先が小刻みに揺れる場合もある。竿ごと引きずられたり、仕掛けを上げようとしたら掛かっていたりと、この多様な反応もこの釣りの楽しみである。

何か違和感を感じたら、竿先が目線のやや上に来る角度を保ったまま一定速度で巻き上げる。カレイは海底から引き離されると激しく暴れるので、慌てずに魚の引きが弱まったタイミングでリールを巻いて浮かせよう。水面まで浮いてきたらそのまま抜き上げてもよいが、用意があれば玉網を使って取り込むのが無難だ。

なお、堤防周りは船の係留ロープや電線などが設置されている。こういった設備に仕掛けを引っ掛けるのは御法度。もちろん、係留船にオモリをぶつけたり、船が通過するタイミングで仕掛けを投げたりするのも同様である。近くを船が通過するような場所では道糸が船のスクリューに絡まないよう、いったん仕掛けを上げるなどの配慮も忘れずに。また、仕掛けを投げる際は、周囲を見回しての安全確認を徹底しよう。

オオモトユウ
編集者/ライター/フォトグラファー

スポーツウエアメーカー勤務、雑誌編集などを経てフリーライターに。好きなことを仕事に選び続けた結果、周囲からは「ラクをして生きている」と思われているのが悩み。四国、北海道については愛車で単独周遊済みなので、九州に照準を定めている。旅先での酒場巡りとノルウェー旅行の再開に思いを募らせる日々。

著者のプロフィールを詳しく見る

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